万博中止 ぶれずに貫く日本共産党
立党の精神を発揮
何よりも命 苦難軽減を
来年4月13日の開幕まで1年を切った2025年大阪・関西万博を巡り、会場建設費の膨張やパビリオン建設の遅れ、建設現場で発生したガス爆発事故など、さまざまな問題点が噴出しています。吉村洋文知事(大阪維新の会代表)や岸田自公政権が、あくまで開催しようと暴走しているのに対し、昨年8月の声明発表以来、「万博中止」をぶれずに貫いているのが日本共産党。何よりも命を守り、国民の苦難軽減を最優先にする党だからです。
労働者の命にかかわる問題
日本共産党大阪府委員会が昨年8月30日に「万博中止」声明を出したのは、日本国際博覧会協会(万博協会)が、建設業界への時間外労働の上限規制(ことし4月から)を、万博建設には 適用しないよう求める動きを受けてのことでした。
声明発表の記者会見で、たつみコータロー党府カジノ・万博プロジェクトチーム責任者(衆院近畿比例候補)は、上限規制が適用されても、建設の遅れを取り戻すため、違法な「サービス残業」などが労働者に強いられる恐れがあり、「このままでは『いのち輝く未来社会のデザイン』という万博のテーマに、最もふさわしくない万博になる」と強調しました。
記者団からは「このタイミングで声明を出した意味は」「推進派からは反発もあるのでは」などの質問も。たつみ氏は、「何よりも建設労働者の命に関わる。お金に代えられない問題だ」と、きっぱり答えました。
能登の復興へ力尽くすべき
ことし1月1日に発生した能登半島地震を受けて、急速に広がったのが「万博のインフラ整備より、被災地支援を」との世論。ところが吉村知事は「いろんな課題を言われ、メディアからもさんざん批判されているが、必ず素晴らしい万博を成功させる」(1月4日の大阪新年互礼会)と発言しました。
日本維新の会の馬場伸幸代表は、「(万博が)北陸の皆さんにも、新たな夢や希望を持って明るい将来に歩みを進めてもらえるイベントになるのではないか」などと公言し、「被災地軽視だ」との批判を浴びました。
日本共産党府委員会は1月11日に発表した声明で、万博に資材や人材、重機、巨額の税金が投入されれば、「被災地の復旧・復興にしわ寄せがいくことは明らか」と強調。「このイベントを進める大義は完全になくなりました」と、万博をきっぱり中止し、能登半島地震の復旧・復興に全力を尽くすよう求めました。
メタンガスに引火して爆発
3月28日、万博の会場建設現場で可燃性ガスによる爆発事故が発生しました。事故が起きた夢洲1区は、ダイオキシン等の有害物質を含むごみの焼却灰や下水汚泥も持ち込まれた廃棄物の最終処分場です。
万博協会は4月19日、溶接作業の火花がメタンガスに引火したことが爆発の原因だと認めましたが、万博会期中の建物の安全対策は、「有識者の意見を聴取し、実施する」というものでしかありません。
日本共産党府委員会は4月12日に発表した声明で、メタンガスは会期中も排出され、コンクリート等で地表を覆えば、地中に滞留することでさらに危険になる恐れがあると警告し、中止を決断するよう求めました。子どもたちの無料招待事業についても、災害時の避難計画がまだなく、ガス爆発が起こり得る、安全・安心とは程遠い夢洲に、児童・生徒は連れていけないと強調しています。
さらに日本政府が、国際人道法に違反してガザへのジェノサイド(集団殺害)を続けるイスラエルの万博参加を認めたことは、「いのち輝く」という万博の理念から最もかけ離れていると批判しています。
(大阪民主新報、2024年5月12日号より)