おおさかナウ

2024年05月18日

大会決定と綱領を身に付け
党づくりの後退から前進へ
日本共産党府委員会 地方議員研修会開く

 日本共産党大阪府委員会(駒井正男委員長)が10日、大阪市阿倍野区内で「大阪地方議員研修会」を開きました。地方議員や党地区委員会の担当者など約100人が参加し、党中央自治体局の岡嵜郁子局長の講演を受けて交流しました。

岡嵜郁子党中央自治体局長が講演

 研修会は、多数者革命を推進する党の議員として、成長の土台となる綱領と第29回党大会決定を深くつかみ、第2回中央委員会総会(2中総)の「手紙」が呼び掛けた「党づくりの後退から前進への歴史的転換」を実現する先頭に立とうと開かれたものです。

歴史的な好機を生かして活動を

大阪地方議員研修会で講演する岡嵜氏(右から2人目)=10日、大阪市阿倍野区内

 党中央は前日の9日、「支部と心一つに『手紙』にもとづく党づくりへ 地方議員オンライン交流会」を開催。田村智子委員長が「党地方議員団の後退から前進へ、歴史的転換を果たす大会期にしよう」など3つの呼び掛けを行いました。
 岡嵜氏は、交流会や田村委員長の呼び掛けにも触れながら、「日本共産党の地方議員として大会決定から何を学ぶか」と題して講演しました。
 裏金事件や大軍拡、社会保障削減などで自公政権と国民の矛盾は極限に達しており、そのことが4月の衆院3補選での自民全敗に劇的に示されたと指摘。東アジアを戦争のない地域にする日本共産党の「外交ビジョン」と、米国言いなりに「戦争国家」づくりを進める自公政権との対比もはっきりしていると語りました。
 第29回党大会は、「人間の自由」こそが社会主義・共産主義の特質であることを明らかにし、青年・学生から注目されていると強調。「自民党政治の行き詰まりと、社会主義・共産主義への期待という、二重の歴史的チャンスを生かし、『手紙』の呼び掛けに応えた活動で、地方議員の皆さんの果たす役割は大きい。全党で力を合わせよう」と述べました。

疑問への回答は大会決定の中に

 岡嵜氏は、日本共産党の地方議員として、綱領と大会決定を身に付けて活動する意義について、詳しく語りました。党が理論的基礎とする科学的社会主義を、日本の政治の現状に照らして具体化したものが綱領だと指摘。綱領を実現するための当面のたたかいの指針となるのが大会決定だと述べました。
 「綱領や大会決定を身に付けないまま議員活動に臨むと、どうなるだろうか」と問い掛けた岡嵜氏。公職である議員に住民からは、日本共産党そのものへの疑問や意見が寄せられるだけに、それらに影響を受けて展望が持てなくなることもあるとして、例を示しました。
 ――戦争はなくせないのでは? 平和を守るために日本も軍備が必要では?
 ――議会は多数決で、提案しても要求が通らない。やはり日本の政治は変わらない?
 ――うちの党は「閉鎖的」と言われたが、そうなの? 民主集中制のせい?
 ――「党名を変えたら?」と、いつも言われるけど、答えられない。
 ――共産党は何かと攻撃を受けるし、無所属で活動したほうがいいのかな?
 ――どうして党員や「しんぶん赤旗」読者を増やさないといけないの?
 岡嵜氏は、「これらの答えは、すべて大会決定に書いてある」と強調し、地方議員こそ学ぼうと力を込めました。

共産党の議員の基本的な活動は

 日本共産党の議員活動の基本的見地である人民的議会主義に関連して、2002年8月に開かれた全国地方議員代表者会議での、志位和夫委員長(当時)の報告を紹介しました。志位氏はそこで、次のように述べています。
 「わが党の議会活動は、国会でも、地方議会でも、国民の運動の中の有機的な一部分であって、それと切り離されて存在しているわけではなく、住民運動にしても、党建設にしても、それぞれの議員の同志が、それぞれの条件や可能性――議員ならではの条件や可能性を生かして、力を発揮してこそ、議会活動も豊かなものとなるし、党と国民の運動を発展させることができます」(『自治体活動と地方議会』242㌻、『議会と自治体』編集部編・新日本出版社)
 岡嵜氏は、議会の中で日本共産党が少数であっても、草の根の住民の運動と結び付いて議会に送り出されていると指摘。「有権者から選ばれた議員として、議会で住民の利益と福祉のために活動するとともに、住民運動、党建設、国政選挙など、綱領の実現を目指す党員として活動するのが、日本共産党の地方議員の基本的な活動」と強調しました。
 続いて岡嵜氏は、統一戦線で社会を変える日本共産党の立場、多数者革命と日本共産党の役割、民主集中制の組織原則などについて、第29回党大会決定の核心点を報告しました。

党勢を前進させ総選挙で必勝を

 岡嵜氏は、地方議員の世代的継承は、全党が力を結集して取り組むべき死活的課題の一つだと強調しました。若い世代、真ん中世代の議員と新人議員へ、成長と活動の援助を強めるとともに、党機関が学習と政治指導の援助を重視し、議員の党生活の場である議員団会議の確立に責任を持つことが重要だと述べました。
 最後に岡嵜氏は、「綱領と大会決定を学ぶことは、社会を変えたいという自らの願い、成長と社会変革のたたかいを結ぶもの。『手紙』の実践にどんな役割が果たせるのか、わが街の党をどうつくるかをイメージしながら議論を。自民党政治を変え、補完勢力である維新とたたかい、政治を国民の手に取り戻すために、党勢を前進させ、総選挙で必ず勝利しよう」と呼び掛けました。
 研修会で報告した内海公仁府自治体部長は、衆院3補選での自民とともに維新も全敗するなど、日本共産党と国民の運動が情勢の変化をつくり出していると強調。大阪の地方議員の役割や党規約を堅持した議員活動の改善、3月議会の論戦の特徴と課題を述べ、「2中総の実践で大きな変化をつくろう」と訴えました。
 参加者は6つの分散会に分かれ、大会決定や2中総の受け止め、議員活動の経験や問題意識などを交流。中村正男副委員長が閉会あいさつしました。

(大阪民主新報、2024年5月19日号より)

 

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