おおさかナウ

2024年05月25日

万博招待 学校への参加強要やめよ
日本共産党地方議員団 市教委などに申し入れ

市教委に申し入れる大阪市議団=16日、大阪市役所内

  2025大阪・関西万博に子どもを無料招待する府の事業を巡り、学校行事として万博参加を強要しないことなどを求める申し入れが、府内各地で相次いでいます。日本共産党の各地方議員団も、議会でこの問題を取り上げるとともに、首長や地教委などに要望書を提出しています。
 無料招待事業は、府内在住の小中高と特別支援学校の児童・生徒、4、5歳の子ども計約100万人が対象。児童・生徒は学校教育としての来場が前提で、府教委は5月末を期限に、学校側に希望日や交通手段などの意向調査を行っています。
 遠足で見学するパビリオンは抽選制で、事前の下見ができるのかも不透明。夏休み前のピーク期間には、1日1万人以上の児童・生徒の来場が見込まれ、食事場所となる休憩所の確保、熱中症対策など課題は山積しています。
 会場の夢洲は、産業廃棄物などを埋め立てた人口島で、交通アクセスも脆弱で交通渋滞や混雑が必至。3月には地中の廃棄物から生じたメタンガスに引火し、爆発事故も起きています。
 党大阪市議員団は16日、大阪市教委に、学校行事として万博参加を強要しないよう申し入れました。
 申し入れでは、①学校行事としての万博参加を強要しない②「意向調査」に応じないことも可能であることを周知する――の2点を要請し、山中智子市議団長は、「本当に安全が確保されるのか」など保護者や教職員の声を紹介し、「何かあったときに一番被害を受けるのが子どもたち。学校任せにせず、子どもと学校側の立場で市教委が判断してほしい」と求めました。
 市教委側は、移動手段や休憩場所の問題など、未解決の課題があると話し、「子どもたちが万博会場から元気に帰ることができて、初めて成功だったと言える。安全面での確保など、市教委として責任を持って判断していきたい」と答えました。


市教育長宛てに要望書を手渡す堺市議団=21日、堺市役所内

市教育長に要望書を手渡す東大阪市議団=20日、東大阪市役所内

 堺市議団は21日、市教育長宛てに、保護者や教員などから懸念や中止を求める声が相次いでいるとし、市教育委員会として府教育庁に対し、学校行事としての万博参加を拒否することを求める要望書を提出しました。
 党東大阪市議団は20日、各学校への万博参加を強要しないことや、万博参加について市費支出は行わないことなどを求める要望書を、市教育長に提出しました。
 大阪狭山市議団は7日、市長と教育長に「危険性を残したままでの大阪・関西万博に、学校行事としての参加は中止するよう求め」て申し入れ。門真市議団も同日、市長と教育長に対して、爆発事故の情報や避難計画の提供を府に求めることや、学校に丸投げとなっている交通手段確保や熱中症対策などの措置が講じられないままでの子ども無料招待事業の実施を行わないよう求めました。
 豊中市議団は4月30日、市長都教育長に対し、子どもたちの安全や命、健康を守るためにも、万博への学校行事としての参加を行わないことを求める要望書を提出しました。
 守口市議団は4月25日、市長に対し、万博への学校行事での参加を、市として推奨しないことやその旨を発表すること、市による無料招待は行わないことなどを求めました。

(大阪民主新報、2024年5月26日号より)

 

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