おおさかナウ

2024年06月01日

山下よしきのあったかエッセイ
どこの国の政府答弁か

 沖縄県では地下水などが高濃度のPFAS(有機フッ素化合物。発がん性が指摘されている)に汚染されている場所がたくさんあります。県の調査によって汚染源は米軍基地である蓋然性が高いことが明らかとなり、県は基地への立ち入り調査を申請しています。
 先日、琉球新報の報道を見て目を疑いました。在日米軍から初めて文書で回答があり、そこでは「水道水の段階では汚染による影響が低減されていることを理由に対応が不要だとして、在日米軍が立ち入り調査を拒否している」というのです(5月12日付)。あまりに傍若無人、盗人猛々しいとはこのことです。水道水を安全なものにするために沖縄県や自治体、住民は大きな負担を強いられているのですから。
 私は「この報道が事実なら日本政府として本気で怒らなければならない。日本は植民地ではないと抗議しなければならない」とただしましたが、外務大臣や外務審議官の答弁は「回答の有無を含め答えることは困難」の一点張り。どこの国の政府の答弁かと思いました(5月20日、決算委員会)。
 日弁連の調査によると、ドイツのアインスバッハ空軍基地周辺で、魚類からPFASが検出された事例で、米軍はドイツ側の調査に協力したうえ、原因物質排出の責任を認め、浄化費用も米不軍が負担したといいます。日本では、米軍基地周辺の住民の血液から高濃度のPFASが検出されているのに立ち入り検査もできません。日本国民の命と健康は、ドイツの魚よりも軽んじられているのでは。(やました・よしき 日本共産党参院議員 次回は7月7日号に掲載)

(大阪民主新報、2024年6月2日号より)

 

月別アーカイブ