おおさかナウ

2024年06月08日

命と安全を守るため
万博はきっぱり中止――今こそ世論と運動を
明るい会が団体・地域代表者会議

 2025年大阪・関西万博を巡り、会場建設現場でガス爆発事故が発生するなど深刻な問題点が噴出する中、明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)は5月31日、団体・地域代表者会議を大阪市北区内の会場とオンライン参加の併用で開き、命と安全を守るため、万博中止の世論と運動を広げる決意を固め合いました。

危険が迫る夢洲やめるしかない

 おおさか市民ネットワークの藤永のぶよ代表が、夢洲の危険性について講演しました。ガス爆発事故が発生した夢洲1区では、ガス抜き管でメタンガスの放出を続けているが、2022年度に新設されたガス抜き管から、爆発下限濃度を超えるガスが出ている場所もあると告発。「メタンガスの危険は迫っている。このことを世界に知らせなければ」と語りました。
 藤永氏は、万博の主会場となる夢洲2区でもメタンガスが発生していることや、夢洲1区の駐車場となる区域には猛毒のPCBを詰めた袋が3千も埋められていることなどを詳しく報告。「万博の会場建設で働く人、連れて行かれる子どもが危ない。大阪市民のお金が奪われる。どこから考えても、万博はやめるしかない」と力を込めました。

万博で一蓮托生 維新と関西財界

万博中止の世論を運動を広げようと、明るい会が開いた団体・地域代表者会議=5月31日、大阪市北区内

 明るい会の中村正男事務局次長(日本共産党府副委員長)が情勢報告し、自民党は衆院3補選、静岡県知事選などで敗北し「断崖絶壁」に立たされ、維新は「第2自民党」宣言や万博推進などで批判を浴びる一方、立憲野党は衆院3補選勝利に続き、東京都知事選で蓮舫参院議員が市民と野党の共同候補になるなど、政治情勢が大きく変化していると述べました。
 大阪では、2021年から府知事・大阪市長と関西財界のトップが「万博関連事業に関する要望書」を提出し、総額9兆7千億円に上るインフラ整備や、医療分野の「規制改革」を求めてきたと指摘。「維新府市政と関西財界は万博・カジノで一蓮托生。万博を強行しようとする維新政治そのものの中止、関西財界・大企業中止政治の中止を」と語りました。

 

最後まで諦めない姿勢貫く
有田事務局長 中止署名目標達成を

 明るい会の有田洋明事務局長は、万博への公費負担が際限なく膨らみ続け、ガス爆発事故が発生し、災害時の避難計画もないなど、夢洲での万博開催は安全が保障されないと強調。国策の万博事業を隠れみのにしてカジノ誘致を進め、夢洲での万博開催を決めたのが維新だと述べました。
 有田氏は、宣伝時の対話で「万博やめるべき」「爆発事故が怖い」という反応が増えている一方、「木製リングはもう完成する」「いまさら中止できない」などの声も少なくない中、「万博中止で命を守る選択を」と訴え、過去には中止した国もあることを知らせようと呼び掛けました。
 明るい会の全構成員に働き掛け、府内いっせい宣伝ゾーン(毎月13日を中心にした3日間)での多彩な宣伝やパレードなどに取り組み、「万博中止署名」の目標(40万筆)の達成へ、7月中旬の第2次提出までに20万筆を集め切ることなどを提起。「万博をやめようとしない維新政治に対して、最後まで諦めない姿勢を貫き、命と暮らし優先の府政を実現しよう」と述べました。

代表が活動交流

 活動交流では団体の代表13人が発言。「5月に能登半島地震の被災地支援のボランティアに参加したが、復旧は進んでいない。万博は、大阪や国を挙げてやるべきことなのかが、問われている」(大阪自治労連)、「カジノや万博に使うお金があれば、住民の命と暮らしを守るために使うべき。まっとうな大阪府を取り戻すために頑張る」(大生連)、「『万博をこのまま突き進めていいのか』という問い掛けを対話の中で広げることが必要。今、青年が求めているのは万博よりも、安定した暮らしや将来展望」(民青同盟)などの発言がありました。

(大阪民主新報、2024年6月9日・16日合併号より)

 

月別アーカイブ