おおさかナウ

2024年06月22日

クジラ処理 意思決定で疑義残る
大阪市議会建設港湾委 井上浩議員が質疑

質問する井上氏=14日、大阪市議会建設港湾委員会

質問する井上氏=14日、大阪市議会建設港湾委員会

 大阪市議会建設港湾委員会が14日開かれ、日本共産党の井上浩議員は、昨年1月に大阪湾で死んだクジラの処理費用が、当初試算の2倍以上に膨らんだ問題などについて質問しました。
 クジラの処理を巡り、大阪市は同市の海運業者と8019万円で随意契約を結び、紀伊水道沖に運んで沈めました。市が当初試算していた約3700万円の2倍以上です。海洋投棄は、水産庁の「鯨類座礁対策マニュアル」で、最も困難な処理方法とされています。
 一方、これまでに大阪港湾局として、府営港湾でクジラの死骸を処理した実績は2021年度に1件(費用約900万円)と、23年度に1件(同約1500万円)で、処理方法はどちらも埋設処分。契約方法はすべて随意契約でした。
 井上氏は、海洋投棄を選択した意思決定過程で、大阪港湾局として、松井一郎市長(当時)に、埋設処分の実績を説明したのかと質問。大阪港湾局は、埋設や焼却のための前処理に必要な場所がないため、海洋投棄を提案したとし、埋設処分の実績は「説明していない」と答えました。
 井上氏は、埋設処分について説明せず、海洋投棄だけを松井氏に進言したのはおかしいと指摘。「本当に埋設、焼却できなかったのか。(海洋投棄による処理は)市長の判断・指示だったのではないかという疑義が残る」と述べました。
 今回の問題を巡っては、契約の経過などを調べていた市の入札等監視委員会が7日、調査結果を公表しました。金額の交渉で、担当部署でない課長が業者側の意に沿うよう金額を上げるよう進言したり、この課長が業者側と会食していたことなどを問題点として指摘。市は12日、弁護士8人でつくる外部監察専門委員のチームに調査を委託しました。

(大阪民主新報、2024年6月23日号より)

 

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