おおさかナウ

2024年07月27日

自然・暮らしを守る箕面に
18日告示 箕面市長選・市議選

小林ともこさん出馬表明

市長選勝利へ決意を語る小林ともこ氏=19日、箕面市内

市長選勝利へ決意を語る小林ともこ氏=19日、箕面市内

 8月18日告示・25日投票の箕面市長選で、日本共産党も加わる「みどりとくらしを守るみんなの革新箕面をつくる会」代表委員で元府職員の小林ともこ氏(76)=無所属新、日本共産党推薦=が19日、箕面市役所内で会見し、「住民福祉の向上こそ自治体本来の仕事。開発優先で何でも民営化の市政を転換し、物価高で苦しむ市民に真っ先に手を差し伸べるような箕面市を実現したい」と出馬を表明しました。
 小林氏は大阪外国語大(現・大阪大)卒業。1966年から2012年まで府庁に勤務し、府職労女性部役員などを歴任。現在は新婦箕面支部長も務めています。
 会見で小林氏は、「箕面市政には、市民の声が十分に反映されていない。大事な問題が、市民とのキャッチボールなしにどんどん進められている」と述べ、市立幼稚園・保育所の廃止・民営化や、現地建て替えを求める4千人分の署名を無視して進められる市立病院の移転・民営化、市東部の阪大跡地活用など開発重視のまちづくり計画を批判。▽2025年大阪・関西万博への学校遠足中止▽北大阪急行延伸に伴って再編されたバス路線の拡充▽学校給食無償化▽ジェンダー平等、ハラスメント根絶▽災害に強いまちづくり――などの公約を示し、「日本国憲法に基づき、ジェンダー平等と個人の尊厳を大切にする自治体を目指したい。住民参加を進め、異論を含めて多様な市民の意見を聞き、市政に反映させる必要がある。多くの市民と力を合わせ、誰一人取り残されない箕面市を実現したい」と語りました。
 市長選には、維新公認の現職と、自民党を離党した元府議が立候補を表明しています。
 「みどりとくらしを守るみんなの革新箕面をつくる会」は同日、市長選スタート集会を開き、会場いっぱいの参加者が「みんなの力でみどりとくらし最優先の箕面に」と市政転換へあふれる願いを交流しました。
 参加者が、「箕面市に必要なのは、市民の暮らしの目線に立った行政運営。効率優先で市立病院民営化や幼稚園・保育所廃止を進める市政を変えたい」、「横暴な行政運営と馴れ合いの議会で願いが届かない。小林さんで市政の流れを替えよう」、「物価高で年金は目減り、国保や介護保険、後期医療も上がり、可処分所得は減っている。箕面の自然を守り、暮らしを支える自治体を」、「競争教育を押し付けず、子どもたち一人一人の尊厳を大事にする教育を実現する市政に」などと訴えました。
 小林氏は、府職員として46年勤務した経験を述べ、「黒田革新府政で本来の自治体の姿を学んだ。知事の決断で汚れていた大阪の空気はよみがえり、川にも魚の姿が戻った。物価高にあえぐ市民の声に耳を傾け、営業の困難に苦しむ人たちに真っ先に手を差し伸べる箕面市をつくりたい」と決意を語りました。
 スタート集会では、市長選と同日実施の市議選をたたかう日本共産党の名手ひろき、村川まみ=以上現=、金森いずみ=新=の各候補が、たたかう決意を述べました。

市政の流れ変え、現有3議席確保を
日本共産党 山下副委員長迎え演説会

訴える山下副委員長=20日、箕面市内

訴える山下副委員長=20日、箕面市内

 8月18日告示・25日投票の箕面市長選・市議選を前に、同市内で20日、党副委員長の山下よしき参院議員を迎えた日本共産党演説会が開かれました。「みどりとくらしを守るみんなの革新箕面をつくる会」から立候補を表明した小林ともこ氏(76)=無新・日本共産党推薦=があいさつし、現有3議席の絶対確保を目指す、名手ひろき、村川まみ=以上現=、金森いずみ=新=の3市議候補が決意表明。山下氏は、行き詰った自民党政治を終わらせようと党の政策を縦横に語りました。
 山下氏は、裏金問題の解明と解決に背を向ける自民党の動きを告発し、改正政治資金規正法は何の役にも立たない法律になったと批判。実質賃金が上がらない「失われた30年」の大失敗など、自民党政治の行き詰まりの根底に、アメリカ言いなりと大企業中心の政治のゆがみがあると強調しました。

新しい政治をつくるために

 防衛予算の2倍化など、戦争する国づくりを進める岸田政権を告発し、日本共産党が4月に発表した「東アジア外交提言」には、政権与党議員からも東アジアの平和のために一致できる内容との感想が寄せられたとし、「アメリカ言いなり政治を抜け出せば、アジアと世界の平和への道を切り開く展望が開ける。国民の声で動く新しい政治をつくるため、共産党を大きく伸ばしてください」と呼び掛けました。
 箕面市政の課題で山下氏は、何でも民営化で市立病院や幼稚園点保育所を廃止・民営化する計画について、「医療や子育て支援策で、自治体が公的責任を手放すことがあってはならない」と強調し、自治体本来の責務である公共の福祉増進を進める箕面市実現へ、力を合わせようと呼び掛けました。

市民の声を市政にぶつけて

 山下氏は、池田市や高槻市などが実現した学校給食無償化に箕面市が背を向ける一方、豊かな財政の多くを北大阪急行の鉄道延伸や開発事業などにつぎ込んでいると指摘。市予算に占める土木費の伸び方が、府内全市でトップになる一方、福祉や子育てなどの民生予算の伸び方は下位にとどまっており、「大型開発のために市民の暮らしや福祉、教育が抑え込まれてきたのが現在のゆがんだ箕面市政の実態だ。小林ともこさんの勝利で流れを切り替え、市民の声を市政にぶつけて、実現のために奮闘する3人の市議団を守り抜かせてください」と訴えました。

箕面市議選18日告示 3候補が決意表明

公的保育守り発展
金森いずみ候補

 25年間保育士として勤務し、〝安心して子どもを産み育てたい〟、〝子育てしながら生き生きと働き続けたい〟と願う保護者や市民と一緒に、保育現場で力を合わせてきました。箕面の公的保育は長い歴史の中、子どもたちを真ん中に、保護者と市民みんなで保育の知識や経験を継承し発展させてきました。
 ところが維新市政の下、市立幼稚園と保育所の廃止・民営化が進み、私が就学まで通った桜ケ丘保育所も、廃止か民営化が計画されています。
 箕面の宝とも言える公的保育を守り、職員の皆さんが希望を持って働き続けられるよう、保育現場の声を市政に届けたい。
 公園樹や街路樹が伐採され、無残な姿に胸が痛みます。里山の多くは市の保有地であり、市民みんなの森だと言えるのではないでしょうか。
 市民の切実な要求を市議会に届けるため、日本共産党の3議席を勝ち取らせて下さい。地方自治本来の自治体を取り戻すため、小林さんと一緒に全力を尽くします。

何でも民営化阻止
村川まみ候補

 維新市政に代わって以降、市立病院の移転民営化など、何でも民営化が進められました。
 市立青少年教学の森野外活動センター(オルタナの森)は、2年前に指定管理者制度に移行し、日帰り利用料50~100円は2千円に、キャンプ場利用も最大20倍に値上げされました。利用者が激減し経営は行き詰まり、指定管理者が辞退を申し出て、市が6月末に指定を取り消す結果となりました。
 市議会で「市民のための施設はなくなる」と疑問を指摘し反対しましたが、指定管理期間中の納付金は一部しか収められず、障害者雇用なども実行されないまま、無責任な撤退となりました。
 以前のように、多くの子どもや先生、市民皆さんに親しまれる施設に戻れるよう、次の条例手続きで議員として奮闘したい。
 市民の皆さんが収めた税金が、暮らしや命を守り支える施策に使われるよう頑張ります。多くの市民に市政の現状を伝え、必ず3人一緒に議会で働けるよう押し上げてください。

公的責任を果たせ
名手ひろき候補

 万博会場となる夢洲の建設現場でメタンガスが爆発し、「会場のどこでも爆発事故の危険がある」と市議会で万博遠足中止を求めると、上島市長が「万博行くなよ。出入り禁止や」とやじを飛ばしました。広がる批判の中で発言を撤回しましたが、党議員団は公式文書による謝罪を求めています。
 市政の中身こそ大問題です。
 何でも民営化の新改革プランに基づき、公立幼稚園・保育所の廃止・民営化、学校維持管理費削減のための船場地域の学校再編などを推進。しかし市財政は、コロナの禍中から今に至るまで黒字となり、北大阪急行延伸事業に市負担分282億円をつぎ込み、医療法人に委託する新市立病院建設に500億円を投じようとしています。
 開発偏重ではなく市民の暮らしと福祉、教育などの予算をもっと増やすべき。維新市政の問題点を正面から追及し、市民の命と暮らしを守るため、行政の公的責任を放棄するなと奮闘する日本共産党の3議席を、必ず守らせてください。

演説会で声援に応える(左から)小林、山下、村川、名手、金森の各氏=20日、箕面市内

演説会で声援に応える(左から)小林、山下、村川、名手、金森の各氏=20日、箕面市内

(大阪民主新報、2024年7月28日号より)

 

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