おおさかナウ

2024年08月03日

憲法生かす運動さらに
戦争起こさせない外交努力こそ
大阪憲法会議が総会

中祖寅一「しんぶん赤旗」編集局次長が記念講演

 開会あいさつで丹羽徹幹事長は、改憲策動を強める岸田自公政権の動きに触れ、「市民と立憲野党の共闘を強め、改憲阻止の世論を高めよう」と提起。日本学術会議を法人化する政府方針を批判し、「学問の自由と研究組織の自立性を守るため全力を挙げたい。憲法の理念を生かす社会実現へ、運動を進めよう」と呼び掛けました。

 インド太平洋で進む軍事ブロック化

〝戦争する国づくり〟の危険性を講演する中祖氏=7月27日、大阪市北区内

〝戦争する国づくり〟の危険性を講演する中祖氏=7月27日、大阪市北区内

 中祖氏は、政権与党関係者や軍事専門家らへの取材を踏まえ、「急加速する〝戦争する国〟づくりの背景と憲法9条による打開の展望」と題して講演しました。96年の台湾海峡危機を機に中国の大軍拡が進み、中国海軍保有の艦艇は355隻で、米海軍を上回ると指摘。高性能潜水艦の配備・運行や、空母・戦闘機体制の増強など、作戦範囲を広げる中国を念頭に、米の戦略下でインド太平洋地域での軍事ブロック化が進んでいると述べました。
 米軍主導での参戦現実になりかねぬ
 中祖氏は、米・国防権限法に基づく「太平洋抑止構想」(21年3月)に、「残存性の高い精密統合打撃網を配備」「増強された同盟国の地上配備兵器の増加」などと明記されていることを紹介。「安保3文書」に基づく中・長距離ミサイル配備など敵基地攻撃能力保有について、「日本列島が丸ごとミサイル拠点にされてしまうもの。インド太平洋全域で米軍と連携し、共同作戦に対処する体制構築が狙われている」と告発しました。
 中祖氏は、4月の日米首脳会談で「過去3年間を経て日米同盟は前例のない高みに到達した」との共同声明の発表に続き、日米外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の動きを取り上げ、「自衛隊が完全に米軍指揮下に組み込まれ、国際法違反の先制攻撃を選択肢に入れる米軍主導の戦争への参戦が現実になりかねない。国家の主権に関わる重大な問題」と語りました。
 憲法9条があるからこそ告発できる
 中祖氏は、憲法9条があるからこそ、危険な戦争国家づくりを憲法違反だと告発できると強調。日本共産党が4月に発表した東アジア外交提言の意義に触れ、「9条の明文改憲は、絶対に許してはならない。国際法を無視した乱暴な行動は決して許されないが、戦争で解 決するのは間違っている。戦争が起きたらすべて終わり。戦争を起こさせない外交努力こそが大事だ」と強調しました。
 総会では、三宅良夫事務局長が1年間の運動方針を提案。討論・交流では、「自衛隊八尾駐屯地の機能強化に反対の世論と運動を広げるため学習、宣伝、集会を重ねている」、「自衛隊への自治体名簿提供は憲法違反。除外申請が可能だが思想や内心の自由が脅かされていいはずがない」、「月1回の宣伝を続け、学校門前では260人にビラを配布し対話が広がった」などの発言がありました。

共に平和の大闘争を
宮本たけし衆院議員が国会報告

宮本衆院議員

宮本衆院議員

 国会報告した宮本たけし衆院議員は、8兆円の軍拡予算強行や次期戦闘機の共同開発・生産・輸出を英・イタリアと進める条例可決、自衛隊の統合作戦司令部創設、重要経済安保情報保護法(経済秘密保護法)や食料供給困難事態対処法、地方自治法改定強行など岸田政権は具体的に戦争できる体制づくりに暴走していると批判。緊迫する衆院憲法審査会の動きが続く中、憲法を守り尊重する立場で議論を重ね、行動を広げる党国会議員団の取り組みを紹介し、「行き詰まった自民党政治を終わらせ、希望ある未来を。一緒に平和の大闘争を広げよう」と呼び掛けました。

(大阪民主新報、2024年8月4日号より)

 

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