2024年08月10日
宮本岳志のよもやま話
お金の心配が蝕む命と健康
炎天下での訪問では、時に熱中症にかかった人のお宅にいきあたります。先日も慌てて救急車を呼びました。そういうお宅の多くはエアコンがないか、あっても使っていないのです。テレビでは「危険な暑さ」を強調し、エアコン使用を呼びかけますが問題は電気代です。ただでさえ円安による物価高騰の折り、高齢者が電気代をわずかでも節約しようとするのを一概に責めることはできません。これはお金の問題なのです。
健康とお金の問題は高齢者ばかりではありません。今コロナ感染は第11波というべき広がりを見せています。昨年5月、感染症法上の扱いが2類から5類に引き下げられ、今年4月からは公費負担が終了し、通常の窓口負担に移行しました。本人3割負担なら、コロナの重症化を防ぐ「ラゲブリオ」なども3万円近い負担となります。負担の重さから特効薬を使わず普通の感冒薬で済ませる人が激増。「たとえ感染がわかっても医療費の重さから薬も使えないのなら」と、検査すら受けない人も増えています。PCR検査も3000円ほどかかるとなれば、なおさらのことです。
ここでも「命や健康が第一」ではなく、お金が命や健康を蝕んでいるのです。人の命に軽重はありません。日本共産党国会議員団は、先日厚生労働大臣あてに他のインフルエンザ感染症の薬と同水準の負担とするために、「緊急に新たな公費補助の創設」を求めました。
誰もがお金の心配なく命と健康が守られる社会へ、日本共産党の出番です。(みやもと・たけし 日本共産党衆院議員 次回は9月8日号に掲載)
(大阪民主新報、2024年8月11日・18日合併号より)