連載 希望の政治へ
日本共産党VS自民・維新
第1回 物価高騰抑え、くらしを守る党は
自民党政治の行き詰まりが限界にきている下で、政治を大本から改革し、国民の願いに応え、希望の持てる社会をつくれるのはどの勢力か。自民、維新と対比しながら、日本共産党が果たしてきた役割について、日本共産党大阪府委員会政策宣伝部の寄稿を紹介します。
「物価高騰から暮らしを守って?」―この願いにどう応え、どう実現させるか。日本共産党、自民党、維新でみてみました。
「異次元の金融緩和」を見直し賃上げを 日本共産党
第1は、物価高騰をどう抑えるかです。
日本共産党は、物価高騰が止まらない最大の要因は、アベノミクスが進めた「異次元の金融緩和」による異常円安にあると指摘しています。エネルギーも食料も輸入に依存しているため、異常円安が食料品、電気・ガス料金の高騰に直結しているからです。そのため日本共産党は、「異次元の金融緩和」を見直して正常化に踏み出し、経済を再生しながら適正な金利に戻していくべきと訴えています。
第2は、物価高騰を上回る賃上げです。
日本共産党は、政治の責任による賃上げを主張しています。アベノミクスで膨らんだ大企業の内部留保に時限的な課税を行い、10兆円の税収をつくり、最低賃金を1500円に引き上げるための中小企業支援に充てること、大企業の内部留保への課税は賃上げ分を控除することで、中小企業でも大企業でも賃上げを実現することを提案しています。
時給1500円に満たない賃金で働く人は44%もいることから、最低賃金の引き上げは、労働者全体の賃金をぐっと引き上げます。
配偶者に扶養されるパート労働者の中には、社会保険料の負担を避けるため、年収が106万円とか130万円を超えないように「働く時間数」を減らすという「年収の壁」問題があります。そのため、最低賃金を引き上げても「壁」を越えないよう、働く時間を減らし、結局年収は増えないとか、パートが一斉に働く時間数を減らしたため、雇い主が人手不足で困る状況を招く要因にもなっています。
日本共産党は、所得の低い人の保険料を引き下げて「壁」を低くすることで打開することを主張しています。
また、いま、企業がコスト増加分を上回る値上げで収益を増大させながら、賃金に還元しない「強欲インフレ」=便乗値上げが起きていることを指摘。企業に社会的責任を果たさせ、ため込まれた利益剰余金を下請支援や賃上げに還元させる重要性を強調し、政府に実行を迫っています。
第3は消費税の減税と社会保障の負担軽減です。
物価を下げるために最も有効なのは「消費税の減税」と一貫して訴え、実現に奮闘しています。
産経新聞の意識調査で「家計支援策として最も効果があると考える形」は「消費税の減税」が約4割を占め、トップになるなどの変化をつくっています。
日本共産党は、国保料・介護保険料を引き下げるため、診療報酬・介護報酬引き上げる再改定を主張。290兆円に膨らんだ積立金を活用して年金を引き上げよと求めています。
物価高騰に無策、アベノミクスに固執 自民党
自公政権は「異次元の金融緩和」に固執してきました。今年になってマイナス金利政策をやめましたが、依然、金利はゼロ近くに張り付いたままで、日米の金利差が大きい状況が続いています。
賃上げも、大もうけの大企業には減税になる一方、6割が赤字の中小企業には効果が薄い「賃上げ促進税制」に固執。最低賃金は「2030年代半ばまでに1500円を目指す」と、十数年先まで低水準を続ける姿勢です。
雇用維持の責任を果たさず、労働者の実質賃金を引き下げようとする財界の要求に従い、「三位一体の労働市場改革」で低賃金・不安定雇用をさらに広げようとしています。
社会保障では、負担増と給付削減です。
今年度改定された介護保険料は、「40~64歳」は2000年度の3倍以上、「65歳以上」は2・1倍へと大幅引き上げがされています。
年金は実質削減です。
その上「高齢者の窓口3割負担の対象拡大」「介護保険利用料の2割負担の対象拡大」「要介護1と2の生活援助の給付外し」などを強行しようとしています。
アベノミクスと賃下げ・負担増をけしかけ 維新
維新は、「アベノミクス改革を断行しなければならない」「日本経済が低迷を続けている理由は、改革をやり過ぎたためではなく、改革が腰砕けになり、足りなかったためである」とあおってきました。
物価高騰の要因になっている「異次元の金融緩和」も、「やめるべきでない」と主張してきました。
全国一律最低賃金1500円への引き上げに反対しています。
さらに、労働法制のいっそうの規制緩和による「雇用の流動化」=正規雇用から、低賃金の非正規雇用へ置き換える「賃下げ政策」を自公政権に迫っています。「流動化」を容易にするために「解雇の自由化」まで主張しています。
維新は、「年金カット法」や、「高齢者医療費2倍化法」に賛成。さらに、「高齢者を含む窓口負担の原則3割化」を主張しています。
国民健康保険の料率を都道府県内で統一することで大幅値上げへ誘導する改悪や、「法定外繰り入れ解消」を自公政権に迫り、今年度、大阪で全国に先駆けて「完全統一」を実施。全市町村の国保料を値上げさせました。
物価高騰について各党が取った態度
日本共産党 | 自民党 | 維新 | |
アベノミクス | 反対 | 推進 | けしかけ |
物価高騰の原因=異次元の金融緩和 | 当初から反対 今、見直し、正常化主張 |
固執・推進 | けしかけ |
低賃金・不安定雇用を広げる「三位一体の労働市場改革」 | 反対 | 推進 | けしかけ |
年金 | 年カット法に反対 積み立て金活用して物価高騰にみあった引き上げ |
今年度実質引き下げ強行 | 年金カット法に賛成 |
高齢者の医療費窓口3割負担 | 反対 | 推進 | けしかけ |
国民健康保険料の都道府県内統一料金化による引き上げ | 反対 | 推進 | けしかけ |
介護保険料 | 公費負担投入による引き下げ | 国庫負担抑制し引き上げ推進 | 公費負担による軽減は「税の公平性に欠ける」と切り捨て |
一定所得以上の人の介護利用料の2割から3割負担への引き上げ法 | 反対 | 賛成 | 賛成 |
(大阪民主新報、2024年8月25日号より)