明るい会 万博中止すべき
府・市の回答「納得できない」
明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)が8月23日、2025年大阪・関西万博に関する公開質問状に対する大阪府市万博推進局の回答を受けて同局と協議したのに続き、記者会見を開き、回答や協議の内容を報告するとともに、改めて万博中止を求めました。
公開質問状はことし4月16日、吉村洋文知事と横山英幸大阪市長宛てに提出。▽能登半島地震の被災地復興を最優先にし、万博の中止を早く決断すべき▽「無料招待」による児童・生徒の強制動員はやめるべき――はじめ9項目について回答を求めていました。万博推進局の回答は7月23日付で、提出から3カ月以上経っています。
会見で、明るい会の有田洋明事務局長は、3月に会場建設現場で起きたガス爆発事故や災害時の避難計画はじめ、「納得できる回答になっていない」と指摘。日本共産党の、たつみコータロー元参院議員(党府カジノ・万博問題プロジェクトチーム責任者)は、児童・生徒の動員で安全だという明言がないことなどを挙げ、「万博は中止すべきという思いをさらに強くした」と語りました。
新婦人府本部の杉本和会長は、「児童・生徒の動員はじめ疑問と不安が残る回答。引き続き中止の声を集める」と発言し、大阪自治労連の坂田俊之委員長は、「府内で351人の自治体職員が万博のために働いており、能登の復興が最優先とは言えない」と力説。民青同盟の園部真拓府委員長は、「万博強行で命の危険を生み出すのではなく、市民・府民のための行政を」と語りました。
万博 中止しかない
明るい会 万博推進局などと協議
明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)が、2025年大阪・関西万博に関する公開質問状への大阪府市万博推進局の回答を受けて8月23日、大阪市役所内での記者会見に先立ち、同局などと協議を行いました。
あいさつした新婦人府本部の杉本和会長は、この夏は酷暑の中、南海トラフ巨大地震への不安の中で暮らし、各地でも地震や豪雨被害が出ているとし、「本当にこのまま万博を開催していいのか。この国の未来、命を守ることを考えると、中止しかないのではないか」と強調しました。
万博を中止してその力を能登へ
質問状ではまず、能登半島地震で甚大な被害を受けた被災地の復興を最優先とし、万博の中止を早く決断すべきと求めています。万博推進局は、政府や大阪府市を含む自治体が被災地と連携し、一刻も早い復旧・復興へ最大限の取り組みが進められているなどと回答しています。
明るい会の有田洋明事務局長は、「被災地の復興は進んでいない。『いのち輝く』を万博のテーマに掲げるなら、中止してその力を能登に」と強調しました。
日本共産党の、たつみコータロー元参院議員(党府カジノ・万博問題プロジェクトチーム責任者)は、「府内自治体から万博協会に351人もの職員を送り出している。その分を被災地に派遣すべき」と求めました。
無料招待による強制動員やめよ
質問項目の第2は、会場建設現場でガス爆発事故が発生するなど、危険に直面する「万博無料招待」による児童・生徒の強制動員をやめるよう求めています。府教育庁は「参加は強制ではなく、各学校が判断」、大阪市教委は「安全な参加について府教育庁と連携して検討」などと回答しました。
明るい会の参加者からは、「意向調査では『参加しない』という選択肢はなく、現場は強制のように捉えている」「小学4年生の孫やその友達も行きたくないと言う。無理矢理招待することは中止を」「猛暑の中で弁当を持ち込むと、食中毒が心配だ」と訴えました。
たつみ氏が「(万博遠足に行った時に)万が一、爆発事故が起きれば責任は学校にあるのか」と質問。府教育庁が「個々の状況による」などと明言を避けたのに対し、有田氏は「あまりにも安全性無視だ」と指摘しました。
夢洲での開催はカジノのためだ
廃棄物の埋め立て地で土壌汚染や地盤沈下の恐れをはじめ、危険がある夢洲を万博会場に決めた問題について、質問状では、万博来場者の安全確保や利便性より、カジノ誘致のための夢洲のインフラ整備を優先したのではないかと指摘しています。
万博推進局は回答で、「誘致を目指しているIR(カジノを核とする統合型リゾート)との相乗効果が期待できる」と明言。明るい会側からは「カジノはもともと2024年開業だったが、2030年に遅れている。能登半島地震が起きても万博が止まらないのは、後ろにカジノ計画があるからだ」などと批判しました。
(大阪民主新報、2024年9月1日号より)