日本と大阪変える「二重のチャンス」
日本共産党の総選挙での躍進を
山下副委員長・参院議員が講演
日本共産党大阪府委員会は8月28日、山下芳生副委員長・参院議員の講演「いま輝く大阪での日本共産党の値打ち」をユーチューブチャンネルで放映しました。当初、大阪市北区の中央公会堂で「総選挙勝利をめざして 大阪の党の値打ちを学び語る決起のつどい」を開く予定でしたが、台風10号の接近に伴い、中止。それに代わる企画として取り組んだものです。
山下氏は、いま目の前で、自民党政治と維新政治を変える歴史的な「二重のチャンス」が生まれていると強調。「日本共産党の奮闘と総選挙での躍進で、このチャンスをものにしよう」と呼び掛けました。山下氏は、47都道府県の中で自民党の支持率が最も低いのが大阪だと指摘。「自民党政治に代わる新しい展望を示し、府民とともにたたかい、大阪の自民党を『日本一弱い』ところまで追い詰めた日本共産党を、この大阪で大きく躍進させよう」と語りました。
8月の箕面市長選で維新現職が敗れるなど、有権者の政治意識に大きな変化が生まれている背景に、裏金問題で維新が「第二自民党」であることを証明し、万博・カジノで「身を切る改革」という維新の一枚看板が地に落ちたことがあると力説しました。
さらに、維新のつまずきの根本には、維新政治と正面対決し、暴走を止める共同の発展に努力してきた大阪の党と民主団体の奮闘があると強調。「この日本共産党をぐんと伸ばして、大阪から維新政治を終わらせる確かな一歩にしよう」と語りました。
駒井正男府委員長が党員と後援会に向けて訴え。「『政権投げ出し』にまで自民党を追い詰め、維新を苦境に追い込んだ日本共産党と『しんぶん赤旗』、『大阪民主新報』の役割に確信を持ち、府民の中に打って出て、党勢拡大と総選挙『比例倍加』へ総力を挙げよう」と呼び掛けました。
日本共産党の総選挙での躍進必ず
日本と大阪を変える「二重のチャンス」
山下芳生副委員長参院議員の講演(大要)
日本共産党の山下芳生副委員長・参院議員が8月28日、オンラインで行った講演「いま輝く大阪での日本共産党の値打ち」の大要は次の通りです。
大阪の皆さん、日本共産党副委員長・参院議員の山下芳生です。今日私がお話ししたいのは、今の情勢と政局をどう見るか。私たちがどういう構えで活動することが求められているかということです。
結論から言いますと、私たちの目の前で、自民党政治を変える歴史的チャンスが生まれている。そして、10年余り大阪の政治を支配してきた維新政治を変える歴史的チャンスも生まれている。日本の政治を変え、大阪の政治を変える「二重のチャンス」が生まれている。ならば、日本共産党の奮闘と総選挙での躍進で、このチャンスをものにしようではないかということを訴えたいのです。
大阪から自民党政治を終わらせる道を開こう
まず、自民党政治を変える歴史的チャンス、という点はどうでしょうか。8月14日、岸田首相が自民党総裁選への出馬を断念することを表明しました。事実上の退陣表明です。これは、国民の怒りの広がりに追い詰められた結果に他なりません。
怒りの広がりと共産党の奮闘で
では、岸田政権を追い詰める先頭に立ってきたのは一体誰か。国民が一番怒っている自民党裏金事件で、「赤旗に白旗あげる自民党」「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」という川柳が詠まれるほど、「しんぶん赤旗」日曜版のスクープが決定的な役割を果たしました。
ある自民党閣僚経験者は、「日曜版にやられた。岸田さんは、裏金問題をあまりにも甘く見すぎていた。政治資金規正法を改正したが、国民は誰もこれで裏金がなくなるとは思っていない」と話しています。
その「しんぶん赤旗」を、全国と大阪の党と後援会の皆さんが、日々配達・集金し、読者を拡大し、何としても「赤旗」を守り抜こうと大奮闘してきました。皆さんの頑張りが、岸田首相を退陣表明へと追い詰めてきた。国民の怒り、私たち日本共産党の頑張りが、自民党をここまで追い詰めてきたことに、お互いに深い確信を持とうではありませんか。
自民党ぐるみで過去最悪の政治
自民党政治が行き詰まっているのは、裏金事件だけではありません。
物価高騰の下での経済無策、外交不在の大軍拡、憲法改悪の策動など、どれもこれも、過去に例のない最悪の政治です。そして、これらは岸田首相が一人でやったことではありません。すべて自民党ぐるみで行ったものです。ですから自民党の中での政権のたらい回しでは何も変わりません。
実際、今、自民党の総裁選報道が盛んに行われていますが、総裁候補の誰一人として、裏金事件の真相解明が必要だとは言いません。裏金議員は政治倫理審査会に出席して説明すべきだ、とも誰も言いません。総裁になったら、総選挙で裏金議員を党として公認するかどうかも言いません。公認したら、大変なことになりますね。
企業・団体献金の禁止も、幹事長が年10億円ものお金を領収書なしに使える政策活動費の廃止も言いません。反省もなければ新味もない。国民にひとかけらの展望も示せない総裁選となっています。
繰り返しますが、「表紙」を変えるだけでは、何も変わりません。中身を変えなければなりません。金権腐敗の問題でも、暮らしと経済の問題でも、外交・安全保障の問題でも、行き詰まった自民党政治を転換し、新しい希望ある政治への展望を示しているのは、日本共産党をおいて他にありません。
志位和夫議長が欧州3国を歴訪
1つご報告があります。日本共産党の志位和夫議長が8月29日から9月10日まで、ドイツ、ベルギー、フランスを歴訪し、欧州の左翼・進歩諸党と交流します。一番の目的は、平和のための国際連帯の強化を目指すことであります。31日にはベルリンで、「今こそ外交を!」と呼び掛ける国際会議(ドイツのローザルクセンブルク財団主催)が開かれ、志位議長が発言し、交流します。
この会議のテーマは、ウクライナの流血を終わらせるため、国際社会に、和平協議に道を開くあらゆる努力を求めるということになっています。志位さんは、国連憲章や国際法などに基づく公正な和平の実現の重要性を訴えます。
国際社会が結束するために、ウクライナ侵略は批判するが、ガザでの虐殺は容認するというダブルスタンダードは絶対に許してはならないということ、また、ガザ危機に関する党の立場をしっかり訴えることになっています。
さらに、欧州の左翼・進歩勢力の政党や労働組合とも交流を予定しています。平和、経済、環境、ジェンダー、そして党活動など一致する課題で協力の強化を目指します。
その中で、志位さんは、後でも言いますが、共産主義と自由についても、理論交流を行いたいと意気込んでいます。ヨーロッパ歴訪の活動の成果が、日本の活動の発展につながるように奮闘したいということでありました。
皆さん、古い政治の枠の中での権力争いに終始する政党ではなく、世界の平和と「人間の自由」を追求し、日本でも世界でも頑張っている政党―日本共産党があることは、国民にとって大きな希望ではないでしょうか。
大阪の自民党は「日本一弱い」と
さて、大阪の自民党は、「日本一弱い自民党」だと言われて久しいものがあります。47都道府県の中で、自民党の支持率が最も低いのが大阪です。
この状況は、自然にできたものではありません。大阪から公害をなくし、青空を取り戻す運動、ポストの数ほど保育所をつくる運動など、大阪府民のさまざまな要求運動や、黒田革新府政を誕生させ守り抜いた運動とともに、大阪府政と大阪市政で一貫して自民党政治と対決してきた日本共産党の存在があったからだと私は思います。
こうした大阪の革新・民主の力に対抗するために、「オール与党」体制をつくらざるを得なかった。その中で相対的に自民党の力は弱くなっていったのではないでしょうか。
歴史的な好機は大阪でこそ満ち
今や、大阪の4人の自民党国会議員は、全員裏金議員です。日本共産党大阪府委員会が行った「1000人ネット調査」では、大阪府民の中で「嫌いな政党」のトップが自民党になりました。17・1%が嫌いだと言っています。ちなみに共産党が嫌いだという方は9・5%で、倍ぐらい自民党の方が多いのですね。
自民党政治を終わらせる。歴史的チャンスの状況は、大阪でこそ満ち満ちているのではないでしょうか。
大阪の党と後援会の皆さん。国民の怒りに火をつけて、岸田首相を退陣表明にまで追い詰めた党、暮らしでも平和でも人権でも、自民党政治に代わる新しい政治の展望を示せる党、そして府民とともにたたかい、大阪の自民党を、「日本一弱い」ところまで追い詰めた党――日本共産党を、この大阪で大きく躍進させようではありませんか。その力で、大阪から自民党政治を終わらせる道を開こうではありませんか。
維新政治のつまずきが今、私たちの目の前で
有権者の動向に注目すべき変化
次に、維新政治を変える歴史的チャンス、という点はどうでしょうか。 大阪の政治に維新が登場して十数年経ちました。これまで、大阪の有権者の政治意識の動向を見ると、〝自民党が支持を失えば、代わりに維新が伸びる〟という傾向がありました。大阪では、維新が自民党批判の「受け皿」として見られてきた傾向がありました。
ところが今、この傾向に注目すべき変化が生まれています。裏金事件などで自民党の支持率が下がっても、以前のように、維新の支持率が上がらなくなりました。
4月の大東市長選挙では、新人同士のたたかいでしたが、維新の公認候補が無所属候補に敗れました。8月の箕面市長選挙では、維新の現職市長が無所属候補に敗れました。維新の現職首長が敗れるのは、初めてのことであります。
「読売」8月27日付は、「退潮ぶりは鮮明となっており、『大阪都構想のような目玉政策がなく大阪でも飽きられている。維新の看板ではもう勝てない』(中堅)と悲観する声も出ている」と報じました。
裏金事件を通し「第二自民党」と
私は、こうした変化の背景には、2つの政治問題があると思います。
1つは、裏金事件で、維新が、「第二自民党」であることを自ら証明したということです。国民の批判が集中する裏金事件で、維新は、企業・団体献金も、政治資金パーティーも、政策活動費も温存する、自民党の政治資金規正法改定案に衆議院で賛成しました。
しかも、政策活動費の領収書を「10年後に公開する」という修正を、維新の方から提案して盛り込ませました。国民の多くが怒りの声を上げたのは当然です。自民・公明・維新は「同じ穴のムジナだ」という批判が沸き起こりました。
万博・カジノで府民の身を切る
もう1つは、万博とカジノで、「身を切る改革」という維新の一枚看板が地に落ちたことであります。万博は、建設費が2350億円と約2倍に膨張し、国民、大阪府民・大阪市民に大きな負担を強いることになります。
運営費の赤字も住民負担になります。維新の言う「身を切る改革」とは、国民・府民・市民に身を切らせることだということが、万博を通じて明らかになったのではないでしょうか。
さらに、万博会場の夢洲へのアクセスが2本だけで、地震や台風など災害対応ができない。夢洲は埋め立て途上の廃棄物処分場で、メタンガスの爆発事故は起こるべくして起こった。ヒアリの発生も確認された。
万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、ならば、メタンガスの爆発、ヒアリの発生、災害から命と安全を守るために、万博は中止するしかないのではないでしょうか。
「万博は中止」の声上げ続けよう
大阪の維新府・市政が、こんなに問題だらけの万博にまい進するのは、夢洲へのIR・カジノ計画があるからです。そのためのインフラ整備を、万博を名目に税金でやろうとしているからに他なりません。
しかし、人の不幸でもうけるのがカジノです。府民から金を巻き上げて、アメリカのカジノ業界に回すだけになります。「能登半島地震の復旧・復興に全力を集中するためにも、大阪・関西万博は中止を」――この声を上げ続けようではありませんか。
裏金事件や万博・カジノでの維新の正体が明らかにする上で、市民の運動と結んだ国会、大阪府議会・市議会での日本共産党の論戦が大きな役割を果たしました。大阪で鍛えられ、大阪から送っていただいた衆院近畿比例候補の、たつみコータローさん、清水ただしさん(大阪4区重複)、大阪5区候補の宮本たけしさんは、これらの問題の節々で、局面を変えるインパクトある論戦をやってきました。
ぶれずに対決し共同発展に努力
さらに、維新政治のつまずきの根本には、この十数年、維新政治とぶれずに正面から対決し、維新政治の暴走を止めるための共同の発展に、真剣に誠実に努力してきた、大阪の党と民主団体の奮闘があります。
大阪市を解体して、市民の税金を府に吸い上げるための「住民投票」を2度にわたって否決しました。大阪市の全職員に対する憲法違反の「思想調査」を世論と運動で撤回させました。公教育をつぶす「教育基本条例」にも府民的なたたかいを繰り広げました。
どれもこれも、自民党でもやらない「異質の危険」を持つ維新政治の具体化でしたが、議会での論戦とともに、立場を超えた府民との共同、良識の共同でストップをかけてきました。
大阪の共産党の不屈性と先見性
かつて、民主党から比例代表で衆議院議員に当選された熊谷貞俊・大阪大学名誉教授は、「御党(日本共産党)だけは終始一貫、維新とたたかっておられる」と高く評価してくれています。
大阪で維新政治が生まれたその時から、ぶれずにたたかい、ここまで状況を変えてきた。そこには、大阪の党の不屈性と先進性、先見性が示されているのではないかと私は思います。この日本共産党をぐんと伸ばして、大阪から維新政治を終わらせる確かな一歩にしようではありませんか。
党と後援会の総決起でこのチャンスを現実に
見てきたように、大局的に見るなら、大阪府民の暮らし、平和、人権を壊してきた自民党政治と維新政治――「二重の逆流」を、日本共産党の躍進で打ち破り、新しい政治を開く歴史的チャンスです。大阪では「二重のチャンス」が生まれていると思います。
このチャンスを現実のものにするためには、党と後援会が総決起して、ターミナルや路地裏での宣伝、結び付きを生かした対話・支持拡大、そして党員と「しんぶん赤旗」読者の拡大に打って出て、党躍進の風を吹かせることがどうしても必要です。
新しい政治への希望を語れる党
宣伝、対話、支持拡大の力になるのが、田村智子委員長の党創立102周年記念講演だと思います。2012年に自民党が政権に返り咲いてから12年、安倍・菅・岸田政権によって、自民党政治がどこまで行き詰まっているのか。日本共産党はその政治をどう変えようとしているのか。どの問題でも自民党政治の矛盾を告発し、太い転換の旗印を明らかにしました。
しかも記念講演は、女性、青年学生、労働者のたたかいが随所に紹介され、私たち日本共産党の政策は、机の上でつくられたのではなく、たたかいの中から生まれ、たたかいによって政治を動かし実現するものなのだということが、熱く伝わってきます。
タイトルはズバリ、「いま日本を変える歴史的チャンス」。自民党総裁選では、誰一人として12年間の自民党政治への反省も、変える展望も示せないにも関わらず、メディアジャックとも言うべき異常な報道が行われています。新しい政治への希望は、もう私たちが語るしかありません。それがいよいよ鮮明になっているのが、今この瞬間ではないでしょうか。
メディアジャックによって、いっとき自民党の支持率が上がったとしても、決して長続きしません。なぜなら、行き詰まった政治を変える中身がないからです。変える中身を持っているのは日本共産党です。「この党の躍進にどうか力を貸してください」と打って出て、総裁選報道を見せ続けられて不安になっている有権者を激励しながら、党躍進の準備をしようではありませんか。
志位議長の本で反共攻撃反撃を
自民党政治と維新政治が行き詰まっているからこそ、支配勢力からわが党への攻撃が強まることは、21年総選挙以来の経験からも明らかであります。その点で、反共攻撃を打ち破る根本的な力となるのが、志位議長の『Q&A 共産主義と自由――資本論を導きに』の本です。
「人間の自由」こそ共産主義の目的であり、特質であること、そして、「自由な時間」こそ、人間と社会にとって真の富であることを明らかにしたこの本は、党外の識者の方からも大きな反響を呼んでいます。
憲法学者の小林節さんは、この本を読んだ感想を「しんぶん赤旗」日曜版に寄せていただきました。こうあります。
「著書は学生の質問に答えた講演の記録で、とてもわかりやすい。このように話していけば、日本共産党への誤解を払拭することが容易です。共産党員でない私がこれほどいうのですから(笑い)、共産党員の人はみんな読んで、周りに語りかけてほしい。共産党が嫌いな人も読んでほしい。きっと新しい発見があり、人生を豊かにしてくれることでしょう」
これは、全ての党員が読まなければなりませんね。そして読めば、人生が豊かになる。党員でなくても豊かになる。そこに確信を持って読み、語り広げようではありませんか。
「集い」を開いて強く大きな党を
そして、最後に、選挙に〝まぐれ〟はありません。党躍進の最大の保障は、強く大きな党づくりであります。まずは、党員、読者拡大で、大阪のそれぞれの党組織が決めた8~9月の目標を、何としてもやり抜こうではありませんか。後援会の皆さんにもぜひご協力いただきたいと思います。
党員拡大のために、どうか大中小の「集い」を大いにやりましょう。田村委員長の記念講演を4つに分割して、好きなところから見ることができる動画もホームページにアップされています。こういうものも大いに活用して、「集い」を無数に草の根で開こうではありませんか。党に入っていただけなくても、「総選挙に協力するよ」っていう人が、どんと広がるのは間違いありません。集いを無数に開いて、党のことを理解していただくことが総選挙勝利の何よりの準備にもなります。
そして、「しんぶん赤旗」の日刊紙と日曜版、それぞれの独自作戦――今、大阪発で全国に広がっています。みんなで「しんぶん赤旗」を広げるための道を探求し、そしてみんなで道を広げながら、強く大きな党をつくって、その力で選挙に勝とうではありませんか。
やるべきことをやり抜いて、日本と大阪の政治を変える「二重のチャンス」をものにするために、私も大阪の皆さんとともに頑張る決意を述べて、お話といたします。
(大阪民主新報、2024年9月8日号より)