「比例を軸に」「近畿は一つ」(最終回)
――総選挙躍進を必ず
近畿が反転攻勢の先頭に
衆院選が小選挙区比例代表並立制で初めて行われたのは1996年で、2021年まで9回行われました。この間、日本共産党の躍進を受けて支配勢力が定数削減を繰り返すなど、比例代表選挙は激しい攻防の舞台となってきました。
日本共産党の「第2の躍進」が始まった90年代後半。同党は96年、近畿ブロックで6議席を獲得。このとき定数は33でしたが、次の00年に定数は一挙に3減の30に。この選挙で日本共産党が5議席を獲得すると、03年には1減の29となりました。
「第3の躍進」の流れの中でたたかわれた14年、日本共産党は得票を前回から1・48倍に伸ばし、4議席を獲得。清水ただし氏と堀内照文氏が初当選しました。次の17年の定数は1減の28で、2議席に半減。清水氏は得票0・18㌽差で落選しましたが、定数29のままなら当選していました。
比例代表選挙は、国政に議席を持つ全ての政党が激突し、1票、2票が勝敗を分けます。17年は、近畿ブロックで活動する日本共産党の1支部当たり5票差で、清水氏が競り負け。3議席を獲得した05年、吉井英勝衆院議員は1支部当たり15票差で競り勝ちました。
維新は現在、近畿ブロックで10議席。国政に初進出した12年も10議席でしたが、17年には5議席に後退しています。大阪で自民党は「日本一弱い」と言われてきた中で、維新は自民党批判の受け皿と見られる傾向がありましたが、今、大きな変化が生まれています。
維新は「第2自民党」宣言と大阪・関西万博の矛盾と破綻の中で、看板だった「身を切る改革」が色あせ、箕面市長選で現職が敗北するなど、メディアもその退潮ぶりを指摘し始めています。
自民党総裁選後、早期の解散・総選挙が行われる可能性もある中、日本共産党は近畿ブロックの目標を「得票目標120万票、得票率13%以上」とし、現有2議席を絶対確保して、10年ぶりの議席増を目指し、「近畿から反転攻勢の先頭に」と総力を挙げています。
大阪では自民党政治と大阪の維新政治を変え、新しい政治を開く「二重の歴史的チャンス」をものにするため、総選挙での「比例倍加」目指す取り組み、党勢拡大に打って出ています。
衆院比例近畿ブロックの選挙結果
定数 | 日本共産党 | 自民党 | 維新 | ||||||||
議席数 | 得票数 | 得票率(%) | 議席数 | 得票数 | 得票率(%) | 議席数 | 得票数 | 得票率(%) | |||
1996年 | 日本共産党「第2の躍進」 | 33 | 6 | 1,539,172 | 17.4 | 10 | 2,497,411 | 28.4 | |||
2000年 | 反共謀略宣伝 | 30 | 5 | 1,458,970 | 15.8 | 7 | 2,185,236 | 23.7 | |||
2003年 | 「政権選択」選挙 | 29 | 3 | 992,142 | 10.7 | 9 | 2,833,181 | 30.7 | |||
2005年 | 「郵政民営化」選挙 | 29 | 3 | 1,051,949 | 9.7 | 11 | 4,003,209 | 36.8 | |||
2009年 | 政権交代 | 29 | 3 | 1,067,443 | 9.6 | 9 | 2,592,451 | 23.2 | |||
2012年 | 維新が国政初進出 | 29 | 2 | 732,976 | 7.5 | 7 | 2,326,005 | 23.9 | 10 | 2,999,020 | 30.8 |
2014年 | 日本共産党「第3の躍進」 | 29 | 4 | 1,084,154 | 12.8 | 9 | 2,442,006 | 28.9 | 8 | 2,202,932 | 26.1 |
2017年 | 共闘破壊の大逆流 | 28 | 2 | 786,158 | 9.3 | 9 | 2,586,424 | 30.6 | 5 | 1,554,821 | 18.3 |
2021年 | 政権交代に挑戦。共闘破壊と日本共産党に大規模攻撃 | 28 | 2 | 736,156 | 7.9 | 8 | 2,407,699 | 25.7 | 10 | 3,180,219 | 33.9 |
(大阪民主新報、2024年9月22日号より)