希望の政治へ
日本共産党VS自民・維新
第5回 ジェンダー平等社会の実現へ(下)
女性議員半数目指す 日本共産党
女性議員を増やすことは、あらゆる分野の政策・意思決定機関への男女の平等な参加につながります。男女賃金格差の改善や選択的夫婦別姓の導入をはじめ、日本社会に根深く存在する女性差別を改めさせ、ジェンダー平等を前進させる大きな力になります。
ところが、世界各国の男女の格差を示す「ジェンダーギャップ指数2024年版」では日本の政治分野の順位は、146カ国中113位と依然低位です。内閣府の「女性議員比率の国際比較」」では、女性議員比率が50%以上の国は10カ以上ありますが、日本の衆議院は10・3%で186カ国中164位です。
国会議員などを男女同数にすることを目指す「クオータ制を推進する会」代表代理の大倉多美子さんは、「人口の半分は女性なのに、国会には1割しかいない。女性た ちの声など届くわけがない。こんな異常事態を是正する努力を政党はもっとするべきだ」と述べています。(2021年10月13日読売オンライン)
国政選挙での候補者数の男女均衡は、「候補者男女均等法」で政党の努力義務とされています。
政府は2025年を期限に、衆院選挙、参院選挙・統一地方選挙の候補者に占める女性の割合を35%にする目標を掲げています。
日本共産党は、候補者男女均等法成立直後から、候補者の男女同数を目標に掲げ、積極的に女性候補の立候補を進め、政府目標の「2025年までに女性候補35%」を衆院選、参院選、統一地方選挙全てで達成しています。22年の参院選では、比例代表25人のうち17人(68%)、選挙区を合わせた58人のうち32人(55%)で主要政党では第一位でした。
「女性候補を立てなければ、議員が増えるわけがない」と主張。今、努力義務とされている「女性候補者の擁立目標」の設定を、国政選挙で義務付けることを訴えています。さらに、パリテ(男女議員同数化)に取り組んでいます。
政府の目標すら無視 自民党
女性の立候補目標では、候補者の均衡を政党の努力義務と定めた候補者男女均等法施行後初の選挙となった2019年参院選挙で、自民党と公明党は女性候補の立候補目標を持たず、「自公は目標設定すら行わなかった」(「産経」19年7月5日)と批判されました。
その後も自公は、女性立候補者数の目標の設定を行わず、政府の「2025年までに30%」などどこ吹く風との態度を取り続けています。
女性議員の数値目標では、自民党は内閣府の「各政党における男女共同参画の取組状況と課題(24年4月)」に「国政における我が党の女性議員割合を、現在の11%から今後10年間で30%まで引き上げることを目標に取組を強化する」と記載しています。パリテ(男女議員同数化)とほど遠い目標と、遅すぎる期限です。
政治の意思決定の場に女性が少なすぎるという現状を打開する意思がないことを鮮明にしています。
目標設けず逆行・妨害 維 新
維新も、女性候補者数の数値目標を設けていません。
そればかりか2022年の参議院選挙では、前回より比率を後退させる逆行をしています。22年参院選の政策提言「維新八策」には、女性候補の擁立に関する記述はありません。
「クオータ制を推進する会」が21年12月12日に開いた「議会の半分に女性を!」の集会で、維新は「やみくもに数値目標の設定や実現に先走ることになれば、不幸なミスマッチが起こる可能性を否定できない」と言い放っています。
馬場伸幸代表は、「(女性候補の擁立について)選挙は非常に厳しい戦いだ。女性の優先枠を設けることは、国政でも地方議会でも我が党としては全く考えていない」「衆院選でも、選挙区でたった1人が当選するという厳しい選挙の中では、私自身も1年365日24時間、寝ているときとお風呂に入っているとき以外、常に選挙を考えて政治活動をしている。それを受け入れて実行できる女性はかなり少ないと思う」と女性議員が増えないのは、選挙制度や環境のせいとする発言をしています。
維新の石井苗子参院議員は、22年2月2日、参院内での超党派の女性議員による「クオータ制実現に向けての勉強会」で、党内の実情について「女性の意見を聞いたりしない。全部男が決める」「(総選挙で)41人当選したが、女性は4人しかいない」などと不満を述べていました。(日本共産党大阪府委員会政策宣伝部)
女性候補者について各党の状況
女性議員・候補者に関する数値目標 | 女性候補者の割合 | |||
21年衆院選 | 22年参院選 | 23年統一地方選 | ||
自民党 | 議員を今後10年間で30%まで引き上げる | 9.80% | 23.20% | 8.60% |
立憲民主党 | 候補者を2030年までに3割目指す | 18.30% | 51.00% | 29.90% |
維新 | 設定していない | 14.60% | 30.40% | 19.80% |
公明党 | 設定していない | 7.50% | 20.80% | 34.00% |
日本共産党 | 候補者比率50% | 35.40% | 55.20% | 42.80% |
国民民主党 | 候補者比率35% | 29.60% | 40.90% | 20.40% |
社民党 | 候補者半数以上 | 60.00% | 41.70% | 34.80% |
れいわ新選組 | 設定していない | 23.80% | 35.70% | 35.70% |
(内閣府 各政党における男女共同参画の取組状況と課題 2024年4月より)
(大阪民主新報、2024年9月29日号より)