おおさかナウ

2024年10月05日

希望の政治へ
日本共産党VS自民・維新
第6回 誰もが希望持てる社会保障に

安心の社会保障に転換 くらし守り経済好循環へ 日本共産党

 日本共産党は、社会保障の充実は、暮らしを守り、格差を是正する上でも、日本経済をよくする上でも重要と主張。「医療・介護・年金・保育等の充実は、介護離職やヤングケアラーと呼ばれる子ども・若者世代の介護負担と、学業や進路に影響を及ぼす悪影響を防止するなど、現役世代から高齢世代まで国民全体に大きな安心を提供することになる」「安心の社会保障にすれば、将来不安からの貯蓄も消費にまわるようになる。内需の大きな柱の個人消費をあたため、新たな雇用を生み出し、経済の好循環をつくり出す」「若い世代の未来に希望をもたらす」と強調。「安心の社会保障」実現を目指しています。
 年金では、(1)高額所得者優遇の保険料制度の見直し(2)巨額の年金積立金の計画的利用(3)賃上げと正社員化による保険料収入の増額と加入者拡大―を提案。マクロ経済スライドなどの年金削減システムをやめ、物価上昇に応じて「増える年金」、低年金の底上げ、最低保障年金の導入など「頼れる年金」への改革を提案しています。
 介護保険では、給付の充実と利用者負担の軽減を進め、高齢者も現役世代も安心できる制度に頑張っています。自民、公明両党とも、かつて保険料の上昇を抑えるための公費負担増を掲げていたことを指摘。国庫負担を増やし保険料を引き下げよ、と主張しています。介護報酬の底上と公的支援増で「全産業平均より月5万円以上低い」とされる介護職員の低賃金・過密労働の解消、介護事業所の経営再建と倒産防止を強調しています。
 国民健康保険料の軽減のため、全国知事会も求めていた公費1兆円投入で国保料の引き下げを主張。また、被雇用者の健康保険では、子どもなどの扶養家族が何人いても保険料は変わらないのに、国保では人数に応じてかかる「均等割」があるため、子どもが多いと国保料が高くなる問題を指摘。子どもの「均等割」を緊急になくすことを訴えています。
 高齢者への医療費の窓口負担増をやめさせ、70歳以上の窓口負担を一律1割に引き下げるために頑張っています。
 社会保障の拡充のための財源対策は、大軍拡を中止、富裕層・大企業への優遇税制にメスを入れ、22兆円を確保すると明快です。

全世代の社会保障の削減・負担増を推進 自民党

 自民党は、社会保障のあらゆる分野で制度改悪を強行してきました。
 年金では、2012年の政権復帰後、年金額の伸びを抑制・削減する仕組みの「マクロ経済スライド」を強化し、実質削減を繰り返してきました。2024年度も実質削減を強行しています。
 政府の年金財政検証で、現在月6万8千円の国民年金の実質的価値について、40歳の人が65歳になると5万2千円、20歳の人が65歳になると4万8千円に下がることが示され、年金生活者も、今後、年金を受けとる現役世代・若年世代も年金カットが押し付けられることが明らかになり、年金削減の仕組みの抜本的見直しの重要性が浮き彫りになりました。しかし、自公政権は見直しを拒否しています。
 介護保険では、介護報酬を連続削減し、深刻な人材不足や、事業所の廃業・倒産で、「人材・事業所がないため、介護サービスが受けられない」危機的事態を招いています。それなのに「利用料2割負担の対象拡大」「要介護1と2の生活援助の給付外し」「ケアプラン作成の有料化」など、高い保険料を払っているのに利用できない「保険あって給付なし」という「国家的詐欺」とも言える改悪を強行しようとしています。
 医療では、2022年に75歳以上の窓口負担を1割から2割に倍化しました。その結果、受診抑制が起きていますが、さらに3割負担の対象拡大を9月13日の閣議で決定しています。
 子ども医療費助成では、〝医療費助成を独自に行う自治体へのペナルティー〟は、住民運動や日本共産党の議会論戦などで、4月から廃止されました。ところが自公政権は、子ども医療費無償化を問題視し、自治体に窓口負担復活を促す通知を6月に発出。子どもの健やかな成長より社会保障費抑制優先の姿を鮮明にしています。
 子ども・子育て支援金改定法では、子ども関係以外の社会保障予算を2023~28年の6年間で保険料と公費支出分合わせて2・1兆円も削減。高齢者向けの支出を削って子ども関係支出を増やすやり方で、世代間の分断と対立をあおっています。
 5年間で43兆円=介護保険の国庫負担増にかかる1・3兆円の33年分に匹敵する大軍拡を進めています。戦争への備えではなく、暮らしと尊厳が脅かされる事態への備えにこそ使うべきです。

世代間の対立をあおり、社会保障削減をけしかけ 維新

 維新は、綱領や「維新八策」に「政府は真の弱者支援に徹する」「社会保障制度改革~真の弱者支援に徹し持続可能な制度へ~」と記載。すべての国民が受ける権利を持つ社会保障を「真の弱者」だけに絞り込み、「合理化・効率化」の名で社会保障費を削減する姿勢を鮮明にしています。
 社会保険では「受益と負担をバランスさせる」と主張。年金、医療などの公的保険を、払った保険料に応じて給付される民間保険のようなものに変質させる主張をしています。
 年金では、年金削減の仕組の「年金カット法」に賛成。さらに、保険料をそのときの受給者への支払いに充てる今の賦課方式から、自分で将来の年金を積み立てる「積立方式」への移行を主張。2022年の参院選時にはテレビ番組で、松井一郎代表(当時)は司会者の「基礎年金には5割の国庫も入っている。全部チャラにして個人でというのはきつくないか」「『まず自助で、足りないときには国が面倒を見る』というシステムか」と聞かれ「そうだ」と発言。「年金も自己責任」の立場を表明しています。
 介護保険では、一定以上所得者の介護保険利用料の3割負担化に賛成。大阪市では、全国一高い介護保険料を続け、市民の〝市からの財源投入で高すぎる保険料を引き下げて〟との声を拒否し続けています。
 医療では、「日本の高齢者医療制度は窓口負担割合が低率に抑えられているため、世代間での給付と負担の格差が顕著に生じている」「低負担率は、高齢者の頻回受診をも誘発」「低い窓口負担が医療利用の過剰を招き、医療資源が必ずしも効果的に利用されていない」として、「高齢者医療制度の原則3割負担化」を提言。国会で、音喜多駿政調会長は「高齢者医療の無償化、低負担化は、ばらまきの発想」と非難し、武見敬三厚労大臣に「美濃部革新都政の下で無償化したと、それが全国一律になった。間違いであった」と答弁させ、「窓口負担を原則三割に見直すべき」と迫っています。
 国保料では、国保料を独自に軽減する市町村の努力を敵視し、都道府県内で統一することで大幅値上げへ誘導する改悪法案に賛成(2015年)。大阪で全国に先駆けて今年度「完全統一」を実施。全市町村の国保料が値上げされ、4人世帯で10万円以上もの値上げになる自治体を生じさせています。
 医療提供体制では、国会で、病床削減推進法に賛成したばかりか、「(削減は)2025年(達成)では駄目。前倒し(達成を)」とけしかけ、大阪で病床削減を推進。コロナ禍の前から、住吉市民病院廃止の病院つぶしまで強行しました。
 大阪で今なお残っている子ども医療費の一部負担をなくす「自己負担ゼロ」を拒否しています。
 軍事費の大幅増をあおり、財源は「まずは行財政改革」「増え続ける社会保障関係費の抜本的な見直しを」と社会保障の削減を主張しています。(日本共産党大阪府委員会政策宣伝部)

社会保障に対する各党の態度

  日本共産党 自民党 維新
年金 年金削減システム(マクロ経済スライド)見直し・廃止。物価上昇に応じて増える年金に マクロ経済スライド推進。今年度も実質引き下げ 年金カット法に賛成
高齢者医療費窓口負担 原則1割にする 3割負担の対象拡大 原則3割負担にする
介護保険 国庫負担割合増で保険料引き下げ 国庫負担増の公約守らず保険料引き上げ 一定所得以上の利用料3割化に賛成
国民健康保険 国費1兆円投入で保険料引き下げ。子どもの国保料(均等割負担)廃止 公費負担増による国保料軽減を拒否 国保料値上げに誘導する「都道府県統一保険料」法に賛成。大阪で全国最速で実施。値上げ推進
子ども医療費 18歳まで窓口負担ゼロ 自公政権は無償化した自治体に窓口負担復活促す通知を発出 大阪府の窓口負担ゼロを拒否
軍拡財源 軍拡中止し社会保障・教育予算を拡充 社会保障費削減。軍拡増税 増え続ける社会保障関係費の抜本的な見直し

(大阪民主新報、2024年10月06日号より)

 

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