自民党政治を大本から変える日本共産党
衆院選の論戦でますます鮮明
打破どころか補完の維新
27日投開票の衆院選で問われているのは、裏金への無反省、賃上げでの無策、軍事一辺倒…行き詰まった自民党政治を変えるのかどうか、です。日本維新の会は「古い政治を打ち破れ」と叫んでいますが、政策の中身は自民党政治を補完し、より悪い方向に進めるもの。この間の論戦を通して、自民党政治を大本から変え、国民の願いに沿った新しい政治をつくる政策と力を持つのは日本共産党だということが、鮮明になっています。
政治とカネ
唯一の清潔な党――共産党
大うそを重ねる――維新
石破茂首相は、裏金事件の真相解明のための再調査に背を向け、政治をゆがめる元凶である企業・団体献金も温存しようとしています。
維新は「裏金・脱税問題を完全解決し、国民の信頼を取り戻すために行動」(機関紙「日本維新」号外)と宣伝し、馬場伸幸共同代表は「結党以来、企業・団体献金をもらっていない」と繰り返しています。
実際は、吉村洋文共同代表(府知事)はじめ維新は、企業へのパーティー券販売で、多額の企業・団体献金を得てきました。大阪府特別顧問の和泉洋人氏とアドバイザーリー契約を結んでいる大和ハウス工業は、2019年の吉村大阪市長(当時)就任3周年記念パーティー券を40万円分購入し、大阪府と1億5441万円、大阪市と5億5235万円の土地売買契約を締結。これら維新のパーティー券購入企業が16年以降に府市との契約した金額は、104億1622万円に上ります。
6月の国会で自公が強行した企業・団体献金を温存する改定政治資金規正法に維新は合意し、衆院で賛成(参院では反対)。政策活動費では「10年後の領収書公開」を自民党に提案して改定案に盛り込ませただけでなく、馬場伸幸代表は領収書の「黒塗り」まで主張しました。
さらに維新は、国民の税金を分け取りにする政党助成金を、13~22年の間に201億円も受け取っています。22年は政党本部の収入の72・3%が政党助成金。返上することも、廃止を主張することもしていません。
日本共産党は企業・団体献金と無縁で、政党助成金も唯一受け取らず、廃止を主張。政治資金パーティー券購入を含めた企業・団体献金禁止法案を、90年代から国会に提出し続けてきました。
日本共産党の田村智子委員長は大阪での公示第一声(15日)で、この30年間、全面禁止を掲げ続けたのは日本共産党だけだと強調。「いま政治改革の焦点へ押し上げている。私たちには、政治を動かす力がある」と力説し、裏金事件の徹底究明、企業・団体献金の全面禁止、政党助成金廃止へ力を合わせようと呼び掛けました。
社会保障
充実へ財源示し――共産党
負担増競い合う――維新
自公政権は、「社会保障が高齢者に偏っている」と世代間の対立をあおり、年金・介護・医療などの改悪を強行してきました。軍事費を増やす一方で、社会保障費を削減することが狙いです。
75歳以上の高齢者の医療費窓口負担は、「原則=1割、現役並み所得者=3割」でしたが、自公政権は22年、単身で年収200万円以上の人などの窓口負担を2割に改悪。ことし9月、3割負担にする方向を確認し、閣議決定しました。
維新は選挙政策で70歳以上の全体を3割負担に引き上げることを明記。馬場代表は12日の党首討論で「受診を控えていただける」と、負担増の狙いを語りました。
日本共産党の田村委員長は大阪での第一声で、「社会保障は何のためにあるのか」と問い掛け、「一人の人間が生まれてから、その生涯を閉じるまで、人として大切にされ、個人の尊厳を全うして生き抜くためにあるのが社会保障だ」と力説。世代間対立をあおり、負担増を当然視する議論を厳しく批判しました。
日本共産党は、70歳以上の窓口負担を一律1割に引き下げることなどを柱とした年金・介護・医療の緊急提言を発表(9月26日)。その財源として、大企業・大金持ち優遇を改め、大軍拡を中止することで23兆円を確保できると提案しています。
核兵器
核禁条約に参加――共産党
核共有さえ主張――維新
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞することが決まったのを受け、「核兵器のない世界」をどうつくるのか、日本政府の役割と各党の立場が、衆院選でも大きく問われています。
石破首相は「受賞は意義深いもの」と述べる一方、米国の「核の傘」=「拡大抑止」にあくまで依存し、「核抑止力」にしがみつく姿勢をあらわにしています。
維新の馬場代表は、13日の党首討論で「ウクライナがロシアから攻められたのも、核の放棄が一因と言われている」と発言しました。選挙政策では「核共有を含む拡大抑止に関する議論を開始」「防御・反撃・制裁に関する手続きを日米間で確認し、抑止力の実効性を高め」ると明記しています。
日本共産党の田村委員長は第一声で、日本被団協の受賞は「涙が出るほどうれしかった」と述べ、被爆者が核兵器の非人道性を訴え続け、核兵器を悪の存在だとする核兵器禁止条約を誕生させたと強調しています。日本共産党は、唯一の戦争被爆国である日本の政府に対して、同条約の批准を求め、核兵器廃絶の先頭に立つよう迫るとともに、核抑止の強化や核共有に断固反対しています。
万博・カジノ
中止を求め奮闘――共産党
まともに語れず――維新
来年4月13日の開幕まで半年を切った2025年大阪・関西万博。会場建設費は当初の2倍以上、2350億円に上振れし、公金による運営費赤字の穴埋めの可能性もあるなど、国民・府民・大阪市に大きな負担がのしかかろうとしています。
ことし3月には、会場建設現場でメタンガスの爆発事故が発生。災害時のまともな避難計画も示されていないなど、「いのち輝く」(万博のテーマ)どころか、命を危険にさらす万博となっています。
夢洲は廃棄物の最終処分場で、当初は万博の会場候補地ではありませんでした。ところが2016年、松井一郎知事(当時)のトップダウンで予定地に決め、カジノ誘致と共に推進。「国策」として進める万博を口実に、カジノのためのインフラ整備を狙ったものです。
維新は万博やカジノを「大阪経済活性化の起爆材」などと宣伝してきましたが、事業の問題点や矛盾が噴出し、批判をが集中。衆院選では自らの成果としてまともに語ることができません。
日本共産党は、人の不幸の上に成り立つ賭博であるカジノに一貫して反対。昨年8月に万博中止を求める声明を発表して以来、広範な府民と力を合わせて万博中止へ世論と運動を広げています。
(大阪民主新報、2024年10月27日号より)