「赤旗砲」 与党半数割れに決定的役割
大阪革新懇が「講演と文化のつどい」
五野井郁夫高千穂大 学教授が講演
進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)が15日、「講演と文化のつどい」を大阪市中央区内の会場とユーチューブ生配信の併用で開き、高千穂大学の五野井郁夫教授が「政権交代の条件-市民がつくる野党共闘に向けて」と題して講演しました。
五野井氏は1979年東京生まれで、東京大学大学院博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、立教大学法学部助教を経て高千穂大学教授に。立憲デモクラシーの会の呼び掛け人で、『現代用語の基礎知識』(自由国民社)の「日本政治」項目を執筆。著書に『山上徹也と日本の「失われた30年」』(集英社)などがあります。
総選挙がもたらしたものは何か
講演で五野井氏は、10月の総選挙で自公与党が過半数割れに追い込まれ、自民党は1995年の結党以後初めて、衆院で多数を維持できなくなっていると指摘。「内閣不信任案がいつ出されてもおかしくない中で、自民党がこれまで(政権を維持するために行ってきた)連立や与野党の国対政治の発想は通用しなくなっている」と語りました。
さらに現在の政党支持率や与野党の動向、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の発信が選挙戦に与える影響などに触れながら、今後、政権交代を実現する上で、野党に求められる政策的な課題について①外交・安全保障②経済③労働・社会保障の3つの分野について詳しく語りました。
スクープの連発で「赤旗砲」とも
野党共闘の展望について語る中で五野井氏は、日本共産党の「しんぶん赤旗」の存在意義について、「裏金問題」と「2千万円問題」をスクープし自公与党の過半数割れに決定的な役割を果たしたことで、「赤旗砲」とも呼ばれていると指摘。「赤旗が『文春砲』と違うのは、お金を積んでも記事をもみ消さないところだ」と語りました。
「赤旗」を通して共産党に関心が
「しんぶん赤旗」は政党機関紙であると同時に、日本を代表する公共的な報道機関(パブリックメディア)だと強調。世間では「赤旗の共産党」と、「しんぶん赤旗」の存在や役割を介して、日本共産党そのものに関心を寄せる傾向もあるとし、「こうした状況も踏まえたアピールも大切だ」と話しました。
文化行事には、金関環さん(バイオリン)と寺田ちはるさん(アコーディオン)のクラシック・デュオ「STREED」が出演。ボサノバ曲「イパネマの娘」、NHK連続テレビ小説「虎に翼」のテーマ曲「さよーならまたいつか!」(米津玄師)などの演奏で参加者を魅了しました。
(大阪民主新報、2024年12月22日号より)