戦争法廃止求める2千万署名
歴史上初の取り組み
成功へ本気の努力を
太田共産党府副委員長に聞く
総がかり行動実行委員会など29団体が呼び掛けた、戦争法廃止を求める2千万署名で、日本共産党は1千万人の独自目標を必ず達成するため、2月20日に開かれる憲法共同センターの経験交流集会までに500万人を突破しようと取り組みを強めています。同党府委員会は大阪の目標200万のうち党独自に100万の目標を掲げ、2月20日までに50万人を超える方針。同党中央委員会が開いた署名推進全国交流会(15日)にも出席した太田いつみ府副委員長(府国民運動委員会責任者)に、今回の署名運動の意義やこれまでの大阪での経験、活動の強化方向などについて聞きました。
大阪の目標達成へ今こそ運動飛躍を
――2千万署名の意義についてあらためて聞かせて下さい。
太田 15日に党中央委員会が開いた交流会では、2千万署名を国民運動としてやり切るために、党が先頭に立って大きなうねりをつくり、「一大署名対話運動」として発展させることを意思統一しました。
市民革命的な運動象徴する
今回の署名運動は、推進する担い手の広さと運動の性格から、今日の市民革命的な新しい国民運動を象徴する画期的なものです。2千万署名は戦争法反対で立ち上がった総がかり行動実行委員会を中心に、自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)、安保関連法に反対するママの会、立憲デモクラシーの会などありとあらゆる分野の29団体の人々が結集して昨年11月3日に、まさに「オールキャスト」で呼び掛けました。
戦争法が強行可決された昨年9月19日に、日本共産党は第4回中央委員会総会を開いて戦争法廃止の「国民連合政府」の提案を発表し、国民運動を励ましました。その後、「総がかり行動実行委員会」が1カ月余り議論を重ね、29団体と共につくり上げたのがこの「統一署名」です。①「戦争法である『平和安全保障関連法』をすみやかに廃止してください」②「立憲主義の原則を堅持し、憲法9条を守り、いかしてください」という2項目からなっています。特に②は、若者たちが国会前で「民主主義って何だ?これだ!」とコールを繰り返したように、国民の声を聞かずに立憲主義を踏みにじった安倍政権への強い怒りと政治のあるべき方向が示されています。
やればできる自信と確信が
さらにこの署名は、昨年11月からことし5月までのわずか半年間に全国で2千万人の署名を集めるという規模と速度の面からも、歴史上初めての取り組みです。党中央の交流会が開かれた時点で日本共産党が集めた署名は、全国で100万筆を超え、大阪は10万筆を超えたところです。2千万という目標は大きいのですが、支部や党員当たりで見れば、達成できないというものではありません。全国でも大阪でも支部や党員の実践で、「やればできる」という自信と確信がつくり出されています。
同時に、現状の延長線上の取り組みでは党独自に全国で1千万、大阪で100万という目標は達成できません。運動の大飛躍のために、必ずやり抜くという党機関の構え、全支部・全党員の取り組みにしていく〝本気〟の努力がいままさに求められています。
――大飛躍をつくるために重視していることは何でしょうか。
太田 何よりも現在の情勢や今回の署名運動の意義を全支部・全党員に広げる政治的な意思統一です。特に4日の党旗びらきでの志位和夫委員長のあいさつの内容を徹底することが決定的です。大阪では、昨年12月の難波・髙島屋前での志位委員長の演説は、党旗びらきでのあいさつと重なる内容で、党員に確信を広げ、署名推進の大きな力になってきました。
国民連合政府2つの必然性
党旗びらきで志位委員長は「国民連合政府」を提案した必然性について2点述べています。一つは戦争法に反対する国民のたたかいから生まれたという必然性。もう一つは、安倍政権の危険性からどうしても「国民連合政府」をつくらなければならないという必然性です。
後者でいえば安倍政権は、明文改憲の突破口として緊急事態条項の創設を掲げています。理由にしている「災害対応」などは現行法制で可能であり、実際は「有事」や日本へのテロの際に、国民の自由を奪い、戒厳令と同じような状況をつくることが狙いです。
国民的にも必然性のある「国民連合政府」の実現と、戦争法を廃止して立憲主義を回復するという世論をつくるたたかいが一体のものであることを太く打ち出したことが、党旗びらきでのあいさつの中心点です。
参院選の大争点に押し上げ
私が強調したいのは、2千万署名は、あらゆる地域・分野で戦争法廃止、立憲主義回復の圧倒的世論をつくり上げる活動の要だということ。目標をやり遂げることが、参院選で戦争法廃止・立憲主義回復を大争点に押し上げ、党躍進の流れをつくるうえでも決定的です。
おおさか維新の会は改憲発議に必要な「3分の2の勢力」に入ると公言し、安倍政権を補完し、改憲の先兵としての正体を露わにしており、参院選では自民・公明の与党と共に、おおさか維新という改憲勢力に審判を下さなければなりません。それだけに大阪での目標達成は、全国的にも重大な意義をもちます。
全国での署名の飛躍は参院選で戦争法廃止の願いに立った大義ある野党の選挙協力を実現する上でも、要をなす活動です。
――この間の大阪、全国での署名運動の経験や教訓には、どのようなものがありますか。
太田 先ほども述べましたが、12月の難波での志位委員長の街頭演説を受けて、大阪では署名運動が大きく広がりました。
さらに、国会論戦が進む中で、さまざまな問題で国民の声に耳を傾けようとしない安倍内閣への怒りも広がっています。怒りを広げる学習活動で、初めて署名に踏み出す党員も広がっています。
「2つの役割」を果たすこと
目標達成へは、党として掛け値なしに独自目標を達成するために、独自の取り組みと同時に国民との共同の取り組みをつくるという「2つの役割」を果たすことが重要です。支部が目標達成へお願い文をつけた署名用紙を全戸配布したり、宣伝カーで署名を知らせて訪問する工夫や、一人一人の党員が「個人目標」を決め、やり切るための知恵を出し合う経験が生まれています。
吹田市では喫茶店に署名用紙を置いてもらい、お客さんが協力してくれる経験もあります。池田市では住宅地に全戸配布して最寄りのバス停に箱を置いて、朝の通勤時間帯に届けてもらうという取り組みをしています。
枚方市の御殿山支部では、元自治会長さんら党外の方も呼び掛け人になってもらって、署名推進のための会を結成することになっています。
――最後に、これらの教訓を踏まえた活動の強化方向を聞かせてください。
目標達成できる条件はある
太田 大阪でも目標を達成できる条件が、客観的にも主体的にもあります。
世論調査でも戦争法反対が6、7割を占め、8割が安倍政権の強引な進め方に不満を抱きました。主体的には戦争法に反対し続ける国民と日本共産党との共同があります。大阪でも署名に足を踏み出しているところでは、「一番頑張っているのは共産党」といった信頼の声や、「戦争だけは許せない」と、政党支持の違いを超えて協力が進んでいるという変化があります。
この署名には「壁」がありません。いつでも・どこでも・誰でも、気軽に取り組めます。戦争法廃止・立憲主義回復の圧倒的な世論をつくる国民的・歴史的課題として、目標を必ずやり遂げるために、日本共産党として責任を果たし、運動に合流するたたかいです。私もその先頭に立って頑張ります。
(大阪民主新報、2016年1月31日付より)