2016年02月07日
咲洲庁舎の安全性再検証を
共産党府議団が申し入れ
日本共産党府議団は2日、府咲洲庁舎(旧WTCビル=大阪市住之江区)の安全性を早急に再検証することなどを松井一郎知事宛に緊急要望しました。
国は昨年12月に「南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告」を公表し、一般的に「最大級の地震でも建物がすぐに倒れることはない」としながら、個別の超高層ビルについてはあらためて安全性の検証を行い、改修等の措置を行うことが望ましいと指摘しました。しかし松井知事は、「地震によって使えないというものではないとはっきりした。しっかり活用していく」と発言しました。
要望は、知事発言は「国の報告を意図的に拡大解釈していると言わざるをえない」と批判し、咲洲庁舎の安全性の再検討や大手前での集約庁舎整備の検討開始など、5項目を求めています。
咲洲庁舎は2008年、当時の橋下徹知事が府庁移転案を発表し、10年に府が購入しました。同党府議団は09年2月府議会以来、その危険性を指摘してきました。
11年3月11日の東日本大震災では、咲洲庁舎は約10分間揺れました。内装材や防火戸など計360カ所が破損し、エレベーター全32基が止まり、5人が約5時間閉じ込められました。
震源地から遠い場所まで届く長周期地震動の影響を受け、地盤と建物それぞれの「固有周期」が一致すると揺れが増幅されます。それまで咲洲庁舎の固有周期は地盤と異なるとされていましたが、東日本大震災で、実際はほぼ一致することが発覚しました。このことは11年10月の同党の質問に対し、橋下知事も認めざるをえませんでした。
しかしその後も、橋下知事と後継の松井知事は、「国の新たな知見を待つ」として安全性検討を先送りにし、「二重庁舎」状態を続けてきました。
(大阪民主新報、2016年2月7日付より)