新春インタビュー
たたかい広げ、参院選勝利、強く大きな党へ
駒井正男 日本共産党府委員長に聞く
2025年を迎えるに当たり、日本共産党の駒井正男府委員長に、24年を振り返るとともに、25年にどう臨むか聞きました。
2024年を振り返って
世界と日本を前に動かしたたたかい
――新年おめでとうございます。2024年はどんな1年でしたか。
おめでとうございます。
2024年は、人々のたたかいが世界と日本を大きく前に動かす年になりました。
平和の問題では日本被団協がノーベル平和賞を受賞しました。人権問題では、静岡県の一家殺人事件で、半世紀、無罪を訴え続けてきた袴田巌さんが再審無罪を勝ち取りました。生活保護基準引き下げを許さないと訴える「命のとりで裁判」は大詰めを迎え、同性カップルの婚姻を認めないのは憲法違反とする判決も広がっています。
お隣の韓国でも尹大統領の非常戒厳宣言を、市民と国会議員の力で打ち破りました。
1年前に私たちは「潮目の大きな変化がある」と言っていました。「しんぶん赤旗」のスクープで、自民党の派閥パーティー券、裏金疑惑が政界を揺るがし、岸田政権の支持率が急落。総選挙、参院選、統一地方選で伸長を続けてきた維新も、カジノや万博問題が最大のアキレス腱になりつつありました。
総選挙は自公過半数割れ、維新激減
昨年の総選挙では、国民の審判で自民党一強政治が崩れて自公政権を「過半数割れ」に追い込み、大阪の自民党は、比例の絶対得票率が全国の半分近い結果となりました。維新も大阪では得票を56万票も減らしました。
総選挙後、府委員会に、ある大使館から「2千万円のスクープが今回の選挙結果をもたらした」というメッセージが届きました。地域を回ると、ある「赤旗」読者は「赤旗が特大ホームランを打った」と言ってくれ、街頭で「赤旗」宣伝紙が次々に受け取られ、「これがスクープの『赤旗』ですか」と言われたと聞きました。
特に、大阪では伸長した維新が、いよいよ万博開幕、カジノへ突き進もうとした時、われわれがいち早くカジノや万博の問題点を指摘。府民運動と一緒に大きな世論にしてきました。
中間地方選挙でも維新が審判を受ける流れをつくっていきました。箕面市長選で現職が完敗しましたが、維新流の開発に対して、バス問題など住民の声や願いを取り上げ、維新政治の問題点を市民の共通認識に押し上げていきました。一つ一つの地方選挙や地方議会での論戦、地域での運動が維新に痛打を与えました。
なぜ総選挙で共産党が後退したのか
そういう中で、なぜ総選挙で共産党が後退したのか。府民の皆さんに届ける力の総量や自力の問題とともに、伝え方や活動の中身、質、対話の必要性、SNSでしっかり情報を届ける力を付けることなどが教訓になりました。選挙活動の日常化も含め、さまざまなご意見を聞きながら、今後に生かしたいと思います。
2025年にどう臨むか
自民党政治を大本から変える展望を
――2025年はどう臨みますか?
さらにたたかいを巻き起こし、参院選では比例5議席、大阪選挙区では清水ただし候補の勝利で、日本と大阪の政治をさらに前に動かし、この中で強く大きな大阪の党をつくるという、3つのことを頑張ります。
運動広げて自民政治の大本を変える
12月に24年度補正予算案が可決しました。大軍拡、大企業支援の予算案に国民民主や維新が賛成したのは重大です。総選挙で様変わりした国会で、国民の審判や期待に沿う活動をするのか、自民党を助けるのかが問われています。日本共産党議員団は、特別国会でも臨時国会でも自公政権に正面から対決し、問題点を告発。国民の願いに応えて政治を前に動かす役割を果たしてきました。
近畿から衆議院に送っていただいた辰巳孝太郎議員、堀川朗子議員は大活躍です。
1月の通常国会が始まります。国民運動を大きく広げながら、自民党政治を大本から変える展望を広げる2つの姿勢を貫いていきます。
苦難軽減の党の役割を発揮するとき
運動を広げる点では、特に大阪では、自公政治という国の悪政、維新政治という悪政が二重で府民を苦しめてきました。総選挙で国会の力関係が劇的に変わり、大阪でも変わりつつあるときに、苦難軽減の党の役割を発揮するときです。国政や地方政治に結んで府民の願いを実現するとともに、政治を前に動かす原動力である国民・府民運動発展のために、運動団体の前進に役割を発揮したいと考えています。
自民党政治に代わる新しい政治の展望を、職場・地域・学園で大いに語り広げる革新懇の発展にも全力尽くします。
参院比例5候補・清水大阪選挙区候補必勝を
政治そのものを前に動かす点では、参院選での勝利の意義が大変大きいです。衆議院に続き参議院でも力関係を変えることが、政権交代を現実に引き寄せ、国民の願いに応える新しい政治への展望を切り開きます。野党共闘が一層問われる中、日本共産党が大きく伸び、展望を示すことが求められます。
吉村知事が年末の臨時党大会で日本維新の会代表になりましたが、総括では第2自民党宣言には全く触れず、党の看板である「都」構想は12月に検討チームを発足させるも、党内でも冷ややかと報道され、カジノや万博も一言も言えなくなっています。
女性から性加害を訴えられた岸和田市長の問題を離党勧告で終わらせたことも批判されました。
府民の切実な願い党の届ける議席を
府議会、大阪市議会をはじめ各議会での力関係を変える流れを、一層前進させます。彼らは4月から万博を強行しようとしていますが、私たちが11月に現地視察に行った時も「検討する」と言うばかりで、無責任さが改めて浮き彫りになりました。危険な万博開催はストップの訴えとともに、「万博・カジノより暮らし応援を」の世論をさらに広げます。
大阪選挙区は、いま自公と維新が独占し、府民の願いを届ける議席がありません。自公政治、維新政治に最も厳しく対峙し、新しい政治プロセスを前に進める展望も政策も持ち、共闘を進める野党の代表である日本共産党への信頼と共感を、大きく広げたいと思います。比例でも選挙区でも60万票の目標を掲げてたたかえば、山下よしき副委員長ら比例の5人全員当選、選挙区での清水候補の勝利を実現することができます。
「3つの突破点」への挑戦を発展
そのために、総選挙で十分追求しきれなかった「3つの突破点」への挑戦を発展させます。
全有権者対象の宣伝
全有権者対象の宣伝では、参議院の任期満了の7月28日の前倒しで、今から大阪の支部が1週間に10回、音の宣伝を積み重ねれば、10軒に1回のスポットを突破できます。年末に清水候補の大判ポスター、連名ポスターを作りました。国民注目の「赤旗」を活用しながら、全有権者に向けた宣伝を大いに広げていきたいと思います。
「折り入って」作戦
日本共産党や清水さんの支持を広げる「折り入って作戦」に取り組みます。「折り入って」は一方的なお願いではなく、相手と対話して願いや思いを聞き、一緒に党の支持を広げる活動です。「赤旗読者アンケート」では、「赤旗」との出会いや願いなどが分かります。双方向で、読者・支持者・後援会員の皆さんと共にたたかう活動は、党の自力不足を補い、必ず選挙結果に大きな影響を与えるはずです。
SNS第一党に
SNS活用では、清水候補が「宣伝とSNSで第1党になる」と宣言。LINE公式の登録は年末で3千人を超えました。参院選で本格的にSNSを活用すれば、相当なつながりとの対話、支持拡大の力になります。
私たちには豊かな政策、草の根の活動でのつながりがあります。これにSNSが結び付けば鬼に金棒です。
強く大きな党づくり
これと一体に強く大きな党をつくりたい。特に世代的継承を中軸に据え、若い世代が活躍できる運動、同じ世代に働き掛ける力や体験を、参院選に向けてつくっていきます。
若い人とつながる探求が始まっています。新興住宅の訪問で若い人とつながり、「赤旗」宣伝紙を渡し、集いへの参加を働き掛けたり、地域支部で真ん中世代の集いを計画したり、党員の子どもさんに集まってもらって語り合う取り組みも生まれています。科学的社会主義や党の政策や綱領を語り合う活動や、さまざまなイベントも取り組まれています。
大学で民青に入った学生は、「日本の政治は変わらないと思っていたが、総選挙ですごく変わった。自民党政治に代わる新しい政治がどんなのか学びたい」と言って加盟。「民青に入れてラッキーだった」と話しています。
世代的継承を全党の力で成功させ、たたかいと選挙勝利と党づくりの3つで必ず前進をつくりたいと思っています。
闘いや展望つかむ
大阪のたたかいが24年にどう変化をつくったのか、25年にさらにそれを前に進めていく点で、府民のたたかいや展望をつかめる新聞は、大阪民主新報しかありません。民報を増やし、紙面をさらに充実させ、新しい大阪を切り開いていきましょう。
(大阪民主新報、2024年12月29日・2025年1月5日合併号より)