おおさかナウ

2025年02月01日

人権守り、清潔・公正な岸和田へ
2日投開票の岸和田市議選
日本共産党4議席確保へ全力

 女性から性行為の強要を訴えられた永野耕平市長(昨年12月8日、大阪維新の会を離党)が、議会を解散したことに伴う岸和田市議選挙が、2日投票日を迎えます。定数24に29氏が立候補。5人はみだしで一票を争う大激戦です。日本共産党は、新しい議会で永野市長を失職に追い込み、「人権が守られ、清潔・公正な市政実現を」と、岸田あつし(63)、中井良介(77)、田中いちこ(65)、えびはら友子(66)=いずれも前職=の4氏全員勝利へ全力を挙げています。

 街頭宣伝で、声援に応える(左から)山下よしき党副委員長、岸田、中井、田中、えびはら各候補=1月26日、岸和田市内


街頭宣伝で、声援に応える(左から)山下よしき党副委員長、岸田、中井、田中、えびはら各候補=1月26日、岸和田市内

市長の「性加害」を一貫して追及

 立候補したのは共産党の4氏の他、維新3、自民2、公明6、N国1、無所属13の計29氏。前職23氏、新人6氏です。
 女性から「性加害」を訴えられた永野市長は、昨年11月、500万円の解決金を支払い、女性に謝罪して和解。「市政を混乱させた」などとして市議会の不信任決議を受けましたが、辞職せず議会を解散しました。
 和解調書では、市長は女性と「対等な関係だったとはいえず」「優越的な立場」にあり、「社会的な上下関係がおのずと形成されていた」とした上で、女性が「被告との性的関係が続く中で精神的な失調を来し、訴訟の提起にまで至った」と、事実上「性加害」を認定しました。ところが永野市長は「不貞行為」は認めながら、女性とは「フェアな関係だった」「同意があった」と、「性加害」を否定し続けてきました。
 新しい議会で、3分の2以上の出席、過半数の賛成で再び不信任が議決されると市長は失職し、市長選が行われます。NHKなど各社共同の候補者アンケートでは、次の議会で不信任に賛成すると答えたのは26氏、反対は永野市長の妻、N国候補=いずれも新人=ら3氏のみでした。
 岸田和市民の圧倒的多数は、「市長は早く辞めろ」「岸和田の恥や」と怒っています。
 党綱領でジェンダー平等を掲げ、実現を目指す日本共産党は、今回の問題でも一貫して「性加害は許されない」と追及し、自己保身のために市議選で税金を使う市長を批判。「人権を守り、清潔・公正な岸和田へ」と、前職4氏の全員当選を訴えてきました。
 党前市議団は、永野維新市政の下で、小中学校統廃合計画、公立幼稚園・保育園民営化、公共施設統廃合、市民の身近な問題が切り捨てられることに正面から対決。住民との共同で小中学校の統廃合計画は現在ストップさせています。

維新市政に対決し要求の実現へ

 前市議団は、市民の願いを議会に届け、学校給食の無償化(期間限定)、子ども医療費助成18歳まで拡大も実現。今回の選挙戦ではさらに、▽物価高から市民の暮らしを守る▽高齢者の補聴器購入補助制度を創設▽国保料・介護保険料の負担軽減▽学校給食無償化をずっと続ける▽小中学校統廃合計画の白紙撤回などを緊急提言しています。

命と人権守る4議席
山下党副委員長が来援

 告示日の1月26日、日本共産党の4候補の第一声には、山下よしき党副委員長・参院議員(参院比例候補)、辰巳孝太郎衆院議員、清水ただし参院大阪選挙区候補、宮本岳志前衆院議員が来援。南海岸和田駅前で行われた街頭宣伝に駆け付けた山下氏は、「日本共産党の4議席は、岸和田市民の声を議会に届け一つ一つ実現してきた貴重な議席」とし、前議員団の実績と緊急提言を紹介しました。
 また、戦前から女性の権利を守ることを高く掲げ、侵略戦争に反対してきた党の歴史にも触れ、永野市長が「性加害」を「事実無根」と主張し、自身のXで「死にたいくらい辛い気持ち」などと自らが被害者かのように印象付け、自身への批判をけん制する投稿を行っていることを批判。「兵庫県幹部や元県議の不幸な死に自分を重ね合わせる発言」だと指摘し、「これほど死者を冒涜し、命を軽んじる態度はない」と厳しく批判。「岸和田市長の命と人権を踏みにじる行為を真っ向から批判し、どの党より先に不信任決議を提案したのが共産党」と述べ、4候補を必ず再び市議会へと訴えました。
 4候補は、「岸和田市民の誇りを取り戻す選挙。人権感覚の全くない永野市長を退治する選挙にしよう」(えびはら氏)、「市民の税金は市民の暮らしのために使う市政に切り替えていく選挙に」(田中氏)、「議会でも記者会見でも女性とは合意があったとうそをつき、被害女性を冒涜し、自分をかばうような市長を辞めさせる選挙」(中井氏)、「市民が安心して暮らせる岸和田をつくりたい」(岸田氏)と訴えました。

懲りずにデマをふりまく陣営も

 N国は、公営掲示板ポスターや選挙運動用ビラで「永野市長は悪くない! 市長は被害者だった!?」などとし、市長の「性加害」は「サヨク、共産党、議会、オールドメディア」による「印象操作」だと主張するなど市長を援護。告示日に立花孝史代表が岸和田入りしましたが、演説を始めると、だんじり祭の祭礼関係者から「岸和田で何がしたいんや」などのヤジが飛び交うなど、批判が集中しました。

(大阪民主新報、2025年2月2日号より)

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