市民も市長に不信任
岸和田市議選
辞職迫った共産党 4氏全員当選
市議会から不信任を受けた永野耕平市長(12月8日に大阪維新の会離党)が議会を解散し、2日投開票で行われた岸和田市議選(定数24)で、日本共産党は、前職の岸田厚(63)、中井良介(77)、田中市子(65)、海老原友子(66)の4氏全員が得票を増やして当選し、議席を守りました。新しい議会は不信任賛成派が22氏と改選時から1議席増、不信任反対派は永野市長の妻を含む2氏のみにとどまるなど、市民も市長不信任の審判を下しました。投票率は40・23%(前回38・64%)。
維新は前回比で半減に
永野市長は、性行為の強要を訴えた女性に解決金を支払って謝罪し、昨年、和解。昨年の市議会で、「説明責任を果たさず、市政を混乱させた」として不信任を受けました。
選挙戦では、市長が辞職せず議会を解散し、市議選を選択したことの是非と、永野氏がこのまま市長を続けるのを許すのかどうかが問われました。
投票率は前回より上がりました。永野市長の「性加害」への怒りとともに、議会解散で市長の座に居座り続けようとする姿勢に、若い世代をはじめ、市民の批判が高まりました。
NHKなど報道各社のアンケートで、市長の不信任に賛成すると表明した22氏が当選。昨年の市議会で不信任案に賛成した前職の多くが得票を伸ばし、反対派の候補は落選または得票を減らすなど、不信任案への態度が有権者の投票行動に影響を与えました。
4氏全員が得票増
衆院選比例上回る
永野市長の「性加害」を一貫して正面から告発し、市長としての資質も資格もないと辞職を求めてきた日本共産党は、4氏全員当選で議席を守りました。市長の「性加害」問題の追及と共に、市民の暮らしを守る実績と5つの緊急提案、候補者独自の政策を訴える中で、4氏全員が前回より得票を増やし、合わせて960票増、衆院比例票から2672票増となりました。
デマを振りまいたN国は最下位落選
昨年の市議会で不信任に反対し、永野氏を除名せず離党勧告にとどめた維新は1人落選し、2議席に後退。得票で前回比56%、衆院比例比38・3%に激減しました。
「NHKから国民を守る党」は、永野市長の応援目的に候補者を立て、「性加害ではなく不倫」「市長はマスコミと共産党関係者による被害者」などとデマを振りまき、最下位で落選。被害を訴えた女性を再び傷付け、うそで選挙と民主主義を汚す手法にも、市民からノーの審判が突き付けられました。自民も得票減で1人落選しました。
◇
2日夜、日本共産党の4氏全員当選が判明すると、岸田厚事務所に4氏が集まり、支援者らと共に万歳を繰り返しました。
永野市長は直ちに辞職を
共産党阪南地区 人権尊重する人を市長に
日本共産党阪南地区委員会は、結果を受けて声明を発表しました。
声明は、「市議選の結果は、永野市長の続投を望まず、新しい市長を求める世論が圧倒的であることが示され」たと指摘。永野市長に対して、「市議選で示された民意にそってただちに辞職し、次の市長選挙への立候補を断念することを強く求め」るとともに、「2期7年の、維新永野市長の下で進められた市民サービスの切り捨て、トップダウン式の市政運営の混乱などへの市民の強い怒りも踏まえ、『人権を尊重し、清潔・公正な人』、『一党一派にかたよらず、市民の声で市政を進める人』を擁立し、誰もが住み続けたいと思える岸和田市をつくるために全力で取り組」むとしています。
公約の実現へ奮闘 参院選勝利へ全力
声明は、市議選で掲げた公約実現に全力で奮闘すること、要求実現を阻む政治を正すため、7月に迫った参院選勝利へ力を尽くすとしています。
声明の全文はこちらをクリックしてお読みください(日本共産党阪南地区委員会ホームページ)
岸和田市議選開票結果
当 | 3,466 | 米田 貴志 | 60 | 公前 |
当 | 3,050 | 中岡 佐織 | 49 | 維前 |
当 | 2,899 | 烏野 隆生 | 55 | 無前 |
当 | 2,870 | 藤原 豊和 | 46 | 維前 |
当 | 2,738 | 西田 武史 | 59 | 無前 |
当 | 2,639 | 松本 妙子 | 67 | 公前 |
当 | 2,539 | 反甫 旭 | 36 | 自前 |
当 | 2,473 | 南 加代子 | 63 | 公前 |
当 | 2,363 | 殿本マリ子 | 72 | 無前 |
当 | 2,302 | 友永 修 | 57 | 公前 |
当 | 2,287 | 海老原友子 | 66 | 共前 |
当 | 2,253 | 田中 市子 | 65 | 共前 |
当 | 2,194 | 中井 良介 | 77 | 共前 |
当 | 2,156 | 高比良正明 | 57 | 無新 |
当 | 2,082 | 井舎 英生 | 78 | 無前 |
当 | 2,063 | 岩﨑 雅秋 | 63 | 公前 |
当 | 2,040 | 岸田 厚 | 63 | 共前 |
当 | 1,994 | 𥸮原 佳一 | 62 | 公前 |
当 | 1,962 | 宇野 真悟 | 37 | 無前 |
当 | 1,938 | 小西 拓槙 | 37 | 無新 |
当 | 1,837 | 永野 紗代 | 38 | 無新 |
当 | 1,835 | 昼馬 光一 | 75 | 無前 |
当 | 1,760 | 河合 達雄 | 61 | 無前 |
当 | 1,739 | 京西 且哲 | 64 | 無前 |
1,541 | 倉田賢一郎 | 46 | 維前 | |
1,531 | 大嶋千代治 | 62 | 自新 | |
1,449 | 原 友美 | 46 | 無新 | |
823 | 津司 彩 | 47 | 無新 | |
760 | 福井 完樹 | 53 | N新 |
岸和田市議選党派別開票結果
得票 | 得票率 | 当選数(候補者数) | ||||
今回 | 前回 | 今回 | 前回 | 今回 | 前回 | |
日本共産党 | 8,774 | 7,814 | 14.25 | 13.12 | 4(4) | 4(4) |
自由民主党 | 4,070 | 4,460 | 6.61 | 7.49 | 1(2) | 1(3) |
大阪維新の会 | 7,461 | 13,321 | 12.12 | 22.38 | 2(3) | 4(7) |
公明党 | 14,937 | 14,375 | 24.26 | 24.15 | 6(6) | 6(6) |
N国 | 760 | 1.23 | 0(1) | |||
無所属・その他 | 25,581 | 19,543 | 41.54 | 32.83 | 11(13) | 9(13) |
合計 | 61,583 | 59,513 | 24(29) | 24(33) |
(大阪民主新報、2025年2月9日号より)