おおさかナウ

2025年02月08日

森友文書不開示は違法
赤木雅子さん逆転勝訴

判決後、会見する赤木雅子さんの弁護団=1月30日、大阪市内

判決後、会見する赤木雅子さんの弁護団=1月30日、大阪市内

 学校法人森友学園への国有地売却を巡り、財務省の公文書の改ざんを強いられ、自ら命を絶った財務省近畿財務局元職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さんが、国に対し、関連文書の開示を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁の牧賢二裁判長は1月30日、国の不開示決定を取り消す判決を出し、雅子さんが逆転勝訴しました。
 雅子さんは、財務省が公文書改ざんの捜査で検察に提出した文書の開示を2021年に請求。国が存否応答拒否で不開示処分にしたため、同年、開示を求めて大阪地裁に提訴しました。
 一審決では退けられましたが、二審の大阪高裁は、「財務省の任意提出の範囲が明らかになったとしても、それによって他の同種事犯にも通用する法則性のある情報が推知されるとは考え難く、将来の捜査などに支障を及ぼすおそれも認めれない」として、文書の不開示は違法とする判決を出しました。
 判決を受けて行われた会見で雅子さんの弁護団は、「当然の判決。存否応答拒否処分で保護する必要がないと端的に書いてくれた。国は上告せず、この判決を受けて、さっさと文書を開示してほしい」と述べました。

すべての文書の開示を 政治の私物化許さない
森友問題を国会で追及 辰巳衆院議員の話

たつみコータロー氏

たつみコータロー氏

 本当にうれしいニュースです。諦めずにたたかい続けてきた赤木雅子さんをたたえるとともに、心からの敬意を表したいと思います。
 財務省は記録し文書を残すことに関しては、他省庁よりも「真面目」と言われています。それだけに森友文書改ざん事件の真相解明において、財務省が保有してきたすべての文書を開示させる必要があります。
 私は宮本岳志前衆議院議員や清水忠史元衆議院議員と共に、森友事件の追及に関わってきました。
 ターニングポイントとなるのが2014年4月28日の応接記録です。近畿財務局の職員は籠池氏側との交渉打ち切りを決めていたのに、今度は籠池氏が安倍首相の妻である昭恵氏との関係を示し、財務省が森友学園支援へと急変した日です。950ページにも及ぶ応接記録は開示されましたが、この日のものだけは欠落していました。赤木さんの闘いは、いまだに隠蔽を続ける政府に痛打を与えるものです。
 赤木俊夫さんは優秀な職員だったからこそ、良心の呵責にさいなまれ、自ら命を絶ったのだと思います。国民のために働くことを喜びとしていた赤木さんを失ったことは、私たち国民にとっても大きな損失です。
 政治の私物化を許してはなりません。引き続き森友事件を取り上げ、真相解明に全力を尽くす決意です。

(大阪民主新報、2025年2月9日号より)

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