おおさかナウ

2025年02月15日

危険な夢洲 万博・カジノは中止を
開催まで2カ月 大阪・関西万博
問題山積 解決見えず

 2025年大阪・関西万博の開幕(4月13日)まで、約2カ月。カジノに反対する大阪連絡会は「あかんもんはアカン! 危険な夢洲での万博・カジノ」と大阪市北区内で6日、緊急シンポジウムを開き、万博会場の夢洲の危険性や万博計画の背後にあるカジノの問題点を改めて検証しました。

カジノに反対する大阪連絡会
緊急シンポを開催

 シンポジウムでは、おおさか市民ネットワーク代表の藤永延代氏、大阪教職員組合の中川勉書記次長、連絡会の中山直和事務局次長が報告しました。

被害は想定し対策は示さず

 カジノに反対する大阪連絡会の緊急シンポジウム=6日、大阪市北区内


カジノに反対する大阪連絡会の緊急シンポジウム=6日、大阪市北区内

 夢洲は廃棄物の最終処分場で、「軟弱地盤や汚染土壌など夢洲の危険は解消していない。しかも大赤字になる」と切り出した藤永氏。万博協会は、防災計画で南海トラフ地震が起きても「津波は大丈夫」とするだけで、埋め立て地の沈下は想定していないと指摘。台風や降雨の被害、熱中症の発生も想定しながら、まともな対策を示していないと述べました。
 万博会場内に水を供給する貯水タンクの水質検査のあり方や食品監視などについて、大阪市健康福祉局は「万博協会の内部情報なので分からない」と答え、熱中症患者が大量に出た場合の対応も分からないと話していることを紹介。「公衆衛生を守る部局が、蚊帳の外に置かれている。とても心配だ」と述べました。

遠足よりも教育条件整備を

 中川氏は、万博遠足の参加を見送った学校は、現地の安全面や教職員の下見が十分にできないことなどが理由だと指摘。不参加を決めた吹田市は、安全性が確認できないことなどを挙げているとし、「それでは他の市町村は安全性を確認できているのだろうか。(吹田市の判断が不参加を広げる)突破口になるのではないか」と話しました。
 「教育全般の中心は子どもたち。子どもにとって必要なのは、行き届いた教育を進めるための条件整備だ」と強調した中川氏。吉村洋文知事(大阪維新の会代表)が万博で子どもたちに「未来を見せたい」と述べていることに触れ、「未来は知事が見せるものではなく、子どもたちがつくっていくものだ」ときっぱり語りました。

夢洲に決めた責任の重大性

空から見た万博会場。手前が、遠足に来た子どもたちなどが昼食を食べるとされる団体休憩所(2025年1月13日撮影、藤永延代さん提供)

空から見た万博会場。手前が、遠足に来た子どもたちなどが昼食を食べるとされる団体休憩所(2025年1月13日撮影、藤永延代さん提供)

 中山氏は、夢洲1区は廃棄物の最終処分場で、万博の駐車場は猛毒のPCB汚泥の処分地だと説明。廃棄物処分場として廃止するには、厳しい基準を満たす必要があるが、万博開催までに廃止することは不可能だとし、「そのことを聞きながら、夢洲での開催を決めた維新の首長の責任は重い」と強調しました。
 維新は万博・カジノだけではなく、大深度地下の高速道路・淀川左岸線延伸部事業をはじめ、超巨大開発を進めようとしていると強調。関西財界・大阪府市は「夢洲まちづくり構想」で夢洲を国際観光拠点・国際物流拠点にするとしているが、「バブル崩壊で破綻したベイエリア巨大開発を再びやろうとしている」と告発しました。

不純な動機の夢洲開催推進

 日本共産党の清水ただし参院大阪選挙区候補がビデオメッセージを寄せ、夢洲万博を推進した背景に、カジノ誘致という不純な動機があると指摘。「いまたたかわれている住民訴訟に勝てば、カジノは止められる。カジノではなく、誰もが笑顔になれる経済政策を進めよう」と語りました。

人の命が守れない
明るい会が宣伝行動 清水候補が訴え

明るい会の署名・宣伝行動で訴える清水氏(左)=11日、大阪市阿倍野区内

明るい会の署名・宣伝行動で訴える清水氏(左)=11日、大阪市阿倍野区内

 明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)は11日、大阪市阿倍野区内で万博中止を求める署名・宣伝行動に取り組みました。
 各団体の代表の訴えで、明るい会の有田洋明事務局長は、災害時の避難計画もつくれないなどの危険性を指摘。「今からでも遅くはない。ばく大な予算を使い、危険な目に合わせる万博は中止を」と語りました。
 日本共産党の清水ただし参院大阪選挙区候補は、昨年3月に会場建設現場でメタンガスの爆発事故が起きるなど、夢洲は危険だと強調。「人の命や安全が守れないなら、万博は中止するしかない」と訴えました。
 署名した東住吉区の男性は「困っている人がたくさんいる。万博をやっている場合か」と話しました。

(大阪民主新報、2025年2月16日号より)

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