大阪市が当初予算案
万博・カジノに巨費投入
暮らし・営業には冷たく
大阪市は14日、2025年度当初予算案を発表しました。一般会計は2兆309億円で24年度から142億円(0・7%)増えて5年連続増となり、特別会計を含む全会計の予算総額は3兆6118億円(0・5%減)。4月に開幕する大阪・関西万博の関連予算やカジノはじめ巨大開発に巨費を投じる一方、市独自の物価高騰対策は見られないなど、市民の暮らしや中小企業の営業には冷たいものとなっています。
市税収入は、8532億円(7・5%増)を見込みます。企業収益の増などによる法人市民税の増などで、市民税は433億円(13・1%)増の3735億円、家屋の新増築などで固定資産税・都市計画税は計4152億円(3・5%増)となっています。
市の借金に当たる市債発行額は1146億円(21・1%減)で、全会計の市債残高は2超8635億円。貯金に当たる財政調整基金は2734億円を見込んでいます。
万博関連では304億7100万円を計上しています。このうち国際博覧会推進事業は202億8500万円。会場建設費70億2450万円、大阪パビリオンの運営11億8903万円などを含んでいます(いずれも市負担分)。
さらに「万博の成功に向けた取り組み」が101億8600万円。来場者のためのアクセスルートなど環境整備に計72億7230万円、各行政区や市の各局などの自治体催事「大阪ウィーク」への出展などに計3億3957万円、こども体験事業など計16億6383万円などです。
カジノ用地の液状化対策と地中障害物撤去に248億円を計上。鉄道のなにわ筋線に94億4200万円、高速道路淀川左岸線2期事業に252億4600万円を計上するほか、大深度地下を通る淀川左岸線延伸部事業の詳細設計などに2億4千万円を盛り込んでいます。
介護保険料(1人当たり月額基準額)は9249円で、引き続き全国一高い保険料。負担軽減に背を向けながら、介護サービスが過剰となっていないかを点検するなど介護給付費適正化事業(2252万円)や、さまざまな介護予防事業(4億9445万円)を計上しています。
国民健康保険料(1人当たり年額平均保険料)は、「府内統一化」が始まった24年度は17万9602円と11・4%もの大幅な値上げになりました。25年度も17万7109円(前年度比1・4%減)と、重い負担に変わりはありません。
山中智子日本共産党大阪市議団長の話
物価高騰は止まることを知らず、市民の暮らしは大変です。自治体としてやるべきことはいくらでもあるのに、一切やろうとしない冷たい予算案です。財政調整基金は2737億円に上っていますが、カジノ万博と夢洲開発の失敗に備えて貯め込み続けているとしか考えられません。
命と暮らしを守るためにこそ、政令市・大阪市の力を使うべきだと、市民の皆さんと共に声を上げ続けます。
(大阪民主新報、2025年2月23日号より)