高槻市が予算案
子ども医療費 完全無償化へ
濱田市長 「未来への発展」のため
高槻市議会2月定例会が2月26日開会し、18歳までの子どもの医療費を、4月診療分から完全無償化する事業費20億4534万円を盛り込んだ2025年度当初予算案が提出されました。濱田剛史市長は施政方針演説で、「未来への発展の原動力となる子どもたちの健やかな成長を支える取り組みを強化する」と表明し、子ども医療助成制度について、「府内初となる自己負担額の完全無償化を実施し、子育て中の保護者の経済的負担軽減を図る」と述べました。
子どもの医療費助成制度は、保険診療を対象に受診1回当たりの負担上限を500円とし、これを超える医療費を助成するもの。府が43市町村を対象に実施する助成制度(所得制限あり)の対象年齢は6歳未満に制限されていますが、市は独自に18歳に達した年度末まで拡充してきました。
高槻市の完全無償化は、外来・入院ともに1回500円の自己負担を廃止して、窓口負担をゼロにするもの。低所得者に助成していた入院時の食事代(食事療養費)も、所得制限なしで全額を助成します。
25年度の18歳未満の通院・入院を延べ55万件と見込み、完全無償化に必要な予算は、入院食事費を含め約3億6500円です。
制度改正に伴って市は、医療費自己負担額を「0円」と記した新しい子ども医療証(ひとり親家庭医療証は「児童は0円」と記載)を対象世帯に発送。4月1日以降、府内の医療機関の受診時に新しい医療証を提示することで、窓口無料(現物給付)となります。
高槻市が子ども医療費完全無償化へ
尽力してきた日本共産党
日本共産党高槻市議団は、これまで繰り返し、子ども医療の無償化を議会で取り上げてきました。22年12月市議会で同党のきよた純子市議は、「1回500円の負担は、子育て世代の重い負担になっている。市独自に子どもの医療費無償化に踏み出すことが必要」と質問していました。
23年4月の市長選で、小中学校給食無償化とともに子ども医療費ゼロを公約に掲げた濱田氏が4選を果たし、この間、関係機関との協議やシステム改修を進めてきました。
不安で受診を諦めたことがある
「子どもが熱を出した時、財布の中身が不安で受診を諦めたことがある」。市内で5歳と3歳の子を育てる女性(20代)は、離婚後に仕事を掛け持ちしながら生計を立ててきたと話し、「月末近くになると、手持ちの現金がほとんどない。1回500円の自己負担がゼロになれば、安心して子どもを病院に連れて行ける」と安堵の表情を見せました。
小学生と中学生の子どもを育てる会社勤務の母親(40代)は、育ち盛りの子のために毎晩3合のご飯を炊くと話し、「物価高の中で子育て世代への支援はうれしいです。生まれた場所や住む環境が違っても、子どもたちみんなが等しく、必要な医療が受けられる社会になってほしい」と語りました。
安心して医療受けられる社会に
日本共産党高槻市議団の中村玲子市議は、「貧困が深刻化し、格差が拡大する中、必要な医療を受けられないまま子どもの命や健康が損なわれる事態が起きないように、繰り返し求めてきました。完全無償化は大きな一歩で本当にうれしい。これからも子どもたち、そしてすべての世代が安心して暮らせる高槻を目指して頑張っていきたい」と話します。
(大阪民主新報、2025年3月2日号より)