おおさかナウ

2025年03月01日

大門実紀史の「熱い心で政治を変える」
戦争絶滅受合法案

 スマホをみている時間があればもっと本を読まねば、急にそんなことを思い、国会帰りの夕方、神田神保町の古書店街に立ち寄りました。
 寒風吹くビルの谷間に立ち並ぶ古書店の明かりはどこも橙色に見えて、気持が落ちつきます。
 1時間ほど立ち読みのはしごをし、『人はさびしき』(小林勇・昭和四十八年)という本を買いました。その中に反骨のジャーナリスト長谷川如是閑(はせがわにょぜかん)のことが書かれていたからです。
 昭和4年、長谷川如是閑はある雑誌で「戦争絶滅受合法案」を提唱しました。「法案」の内容は、戦争になったら次の人たちを真っ先に最前線に送るというもの。①国家の元首たると大統領たるとを問わず男子、②その親族の十六歳以上の男性、③総理大臣、各大臣および次官、③代議士(但し戦争反対の投票をしたる者を除く)、④宗教関係の上位の者で公然と戦争に反対しなかった者。そしてこれら「有資格者」は戦争継続中兵卒としておき、さらに「有資格者」の妻娘姉妹などは看護師または使役婦として前線に近いところで勤務させる、というものです。
 なるほど、これならどんな為政者も戦争をしようと思わない。
 もとは当時のデンマークの陸軍大将が提案した条文ですが、それを満州事変に突入する直前の日本に紹介し提唱した如是閑の気概はすごい。
 良書は古書(絶版本)の中にあり。たまにはスマホを置いて古書店街を散策するのもいいものです。(だいもん・みきし 参院議員 次回は4月6日号に掲載)

(大阪民主新報、2025年3月2日号より)

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