2016年05月15日
ただしの国会レポート23
国籍問わず働くルール確立
介護施設での人材不足が深刻です。過密労働や他の産業に比べて9万円も低い月給などが原因です。介護福祉士の資格を有しながら、就労しない人の割合は半数に上っています。本来ならこれらの方に復帰してもらう手立てを国が支援するべきです。しかし、政府は安上がりの外国人材で補おうと、外国人技能実習制度の技能職種に「介護」を追加しようとしています。
外国人技能実習は、劣悪な環境で働くことを余儀なくされる実習生が絶えず、米国からも「人身売買」だと批判されてきました。悪質な実習先企業から逃げ出そうとしても、母国で「保証金」を支払って来日しているため、大半が泣き寝入りする事態となっており、技能実習生と実習先企業間の「従属的支配関係」の温床となっているのです。
これを解決するためには、実習生が自らの意思で実習先を移転できる制度にすることが必要です。そうなれば、法令違反や人権侵害を繰り返す企業は淘汰されるはずです。
先日、東京都内の介護施設で働くインドネシアとフィリピンからの女性からお話を伺いました。彼女たちはEPA(経済連携協定)によって来日し、日本人と同条件のもと働き、勤務先を移転できる自由も与えられています。「介護福祉士の資格を取得できれば日本に残って働きたい。日本が大好き」と述べていました。国籍にかかわらず、人間らしく働くルールを確立することが何よりも大切だと強く感じました。(清水ただし 衆議院議員 月1回掲載)
(大阪民主新報、2016年5月15日付より)