おおさかナウ

2016年05月15日

未来守る政治 私たちの力で
異常な高学費 ブラック企業 生涯派遣
結カフェ 青年が実態交流

〝全ての世代が力合わせて〟わたなべ氏

世代を超えて開かれた「Yui Cafe」=7日、大阪市中央区内

世代を超えて開かれた「Yui Cafe」=7日、大阪市中央区内

 「ブラック企業、ブラックバイト」「生涯ハケン」「正社員ゼロ」「異常な高学費」「サラ金化する奨学金」…。若者の学問環境改善や人間らしい働き方のルール実現など日本社会が直面する焦眉の課題解決に向け、日本共産党のわたなべ結・参院大阪選挙区候補と一緒に語り合う「Yui Cafe」(結カフェ)が7日、大阪市内で開かれました。10代から20代の青年に加え、世代を超えた参加者がともに深刻な現状と政治を変える展望を探り合いました。

 7人のリレートークで結カフェはオープンしました。「経済的理由で進学をあきらめなくてもよい社会に」と大学2年の学生は語り、「退勤時刻を過ぎタイムカードを押しても仕事をさせられた。発注ミスで罰金も」(高校生)など、ブラックバイトの実態も語られました。
 「大学卒業までに支払った学費は850万円」と保護者の母親が高学費と奨学金の実態を報告し、高等学校教員の男性は、競争教育の弊害や貧困と格差が教育権を脅かす深刻な実態を訴えました。

深刻な実態は自己責任ではない

 「『大阪若者提言』を発表したのは、私自身が非正規労働を経験したからです」――登壇したわたなべ氏はそう語り始め、大学卒業後の3年間、日雇い派遣やアルバイト、請負契約などの就労経験を紹介しました。

わたなべ氏の活動の出発点

 「不安定な雇用でいつ首になるか分からない、将来を見通せない不安な思いになりました。企業のもうけのために労働法を改悪する政治の在り方に疑問を感じ、それを変えたいと決意したのが、政治活動の出発点です」と語りました。
 続けてわたなべ氏は「大阪若者提言」について、18歳から29歳の1千人以上から聞き取ったアンケート結果に基づき報告。全国平均を上回る大阪の非正規労働の割合や奨学金返済を続ける205人の生活実態、女性に広がる深刻な貧困問題などを指摘し、「米軍思いやり予算」など軍事費削減はじめ財源確保の展望を具体的に示し、①ブラックな働き方をなくす②賃上げと安定した雇用を増やす③史上最悪の学費値上げをやめさせる④安心して使える奨学金に⑤若い女性の応援のために――の5つの重点政策を紹介しました。
 「青年の深刻な実態は、決して自己責任ではありません。多くの若者が貧困に陥る現状を放置すれば、日本社会の未来はありません。国民すべての世代が力を合わせて解決を目指しましょう」と呼び掛けました。

青年がリアルな状況を次々報告

参加者はあふれる思いを交流しました=7日、大阪市中央区内

参加者はあふれる思いを交流しました=7日、大阪市中央区内

 グループごとのトークタイムでは、「○○なの私だ」「こんな日本がええねん」と、互いの実態や思いを紙に書いて交流。「月110時間の残業をした」「最低賃金で4年間働いている」「日雇い派遣でつらい勤務をした」などのリアルな状況が、次々に出されました。
 「11日間連続で長時間勤務したのは私です」と店舗勤務の女性(25)=枚方市在住=は発言しました。就業規則では、2週間(14日)のうち2日休めば、最大12日の連続シフトも可能だと言います。
 「定時30分前の午前8時半から残業で午後9時半まで働くこともありました。勤務中はテンションが上がって頑張れるけど、連続勤務が続くと疲労がたまって、ストレスや不安で夜に眠れなくなります」
 派遣アルバイトの女性(27)は、「収入は月額十数万円で、貯蓄に回す余裕がありません」と打ち明けました。府内各地の勤務地を指定され、交通費が自己負担になることも。
 「国民年金の保険料が高くて払い続けるのが大変。正社員の仕事に就くのが望みです」

まるで滑り台落ちるように

 「ブラック企業で働き、心身ともに疲れ果てました」と語った女性は、「求人票を見るたびブラックでは?」と不安になると述べ、「一度ブラック企業で働くと、滑り台を落ちるように、安定した仕事が見つかりません」と訴えました。
 20代の女性も、「ワーキングプアなのは私です。消費税の増税は本当に許せません。私たちの手で、未来を守るため政治を変えたい」と訴えました。

主権者には政治を変える権利が

 グループトークでは、学費問題や女性の貧困打開などをめぐって質問が出されました。

9条を生かす社会こそ理想

力を合わせて政治を変えようと訴えるわたなべ氏=7日、大阪市中央区内

力を合わせて政治を変えようと訴えるわたなべ氏=7日、大阪市中央区内

 その一つ一つに丁寧に答えたわたなべ氏は、発言の最後に、安倍政権が狙う憲法改悪の動きを取り上げ、平和憲法を破壊する安倍政権の暴走に対し、全国の若者や女性が立ち上がり政治を動かす大きな力になったと強調。憲法が規定する恒久平和の理念や9条に基づく平和外交こそ、日本が国際社会で果たす責任だと語り、「憲法9条を生かす社会こそ、私たちが目指す理想です。私たちはこれからの日本をつくる主権者です。どんな日本にするのか意見を持ち、発信し、政治を変える権利があります。私たち若者が、未来に希望の持てる政治に変えていくために、力を合わせて頑張りましょう」と呼び掛けました。


(大阪民主新報、2016年5月15日付より)

 

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