おおさかナウ

2016年06月19日

青年会議所公開討論 共産・わたなべ氏

憲法・雇用・財源…違いくっきり
暴走ストップ・政治変える道示す

日本青年会議所近畿地区大阪ブロック協議会主催の公開討論会で発言する日本共産党のわたなべ結氏(左から4人目)=14日、大阪市阿倍野区内

日本青年会議所近畿地区大阪ブロック協議会主催の公開討論会で発言する日本共産党のわたなべ結氏(左から4人目)=14日、大阪市阿倍野区内

 参院選(7月10日投開票)が22日告示されるのを前に、日本青年会議所近畿地区大阪ブロック協議会が14日夜、大阪市阿倍野区内で大阪選挙区(定数4)の立候補予定者による公開討論会を開きました。日本共産党のわたなべ結候補は、憲法など3つの討論テーマで政策的な提案を示し、「安倍政権の与党とそれを補完する政党を選ぶのか、安倍政権の暴走政治にストップを掛け、市民との共同で政治を変える政党を選ぶのかが大きな対決軸」と強調しました。

 約600人が参加した討論会には、わたなべ氏のほか、自民党新人の松川るい、公明党現職の石川博崇、おおさか維新の会新人の浅田均、民進党現職の尾立源幸、幸福実現党新人の数森圭吾の各氏が出席しました。

憲法
変えるべきは憲法でなく
憲法ないがしろの政治だ わたなべ氏
「改憲は当然。緊急事態条項を」――自民候補

 第1のテーマ「憲法」で、わたなべ氏は「参院選の最大の争点は違憲の安保法制(戦争法)を廃止して安倍政権の改憲をストップするのか、自民・公明・維新の改憲に賛成する勢力に3分の2を与えて、明文改憲の道かが問われている」と強調しました。
 「変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにしている政治」とわたなべ氏。安倍政権が安保法制強行で立憲主義を破壊し、自民党改憲草案が9条2項の削除と「国防軍」を保持、国民の基本的人権を停止する緊急事態条項を盛り込んでいることに若者・学者・市民の不安が広がり、安保法制廃止・立憲主義回復で野党共闘が前進しているとしました。
 松川氏は「世界的には時代の要請に合わなければ、改憲するのは当たり前。緊急事態条項は世界の国のほとんどが持つ。自衛隊の規定も明記すべき」と主張しました。石川氏は公明党が戦争法に賛成したにもかかわらず、「9条を中心とする恒久平和主義は断じて変えてはならない」と発言しました。
 浅田氏は、憲法を変えなくてもできる「教育無償化」や、「道州制」を改憲の項目にすると主張しました。
 尾立氏は「憲法は時代に応じて必要があれば改正すべき」としつつ、集団的自衛権行使容認の「閣議」決定や安保法強行に触れ、「安倍政権下での改憲には反対」としました。

雇用
ブラック企業規制に尽力
人間らしい働き方実現へ わたなべ氏
「アベノミクスは成功」と強弁――自民候補

 第2のテーマは若年層を中心とした「雇用」。わたなべ氏はことし1月に発表した「大阪若者提言」でブラック企業根絶など緊急策を打ち出していることを紹介。前回参院選で躍進した日本共産党がブラック企業規制法案を提出し、厚労省が実態調査や違法行為是正に乗り出すなど、「国民世論と一緒に政治を動かしてきた」と述べました。
 アベノミクスは一部の大企業・富裕層に莫大(ばくだい)な利益をもたらす一方、実質賃金は5年連続低下し、不安定雇用を増やしたと批判。通常国会で4野党共同で長時間労働規制法案を出したことを紹介し、「これを必ず実現させたい」と語りました。
 与党候補は「アベノミクスは成功。失業率だけみれば日本は悪くない」(松川氏)、「安定した政権基盤の自公連立政権の経済政策が功を奏してきた」(石川氏)などと強弁。浅田氏は、「(仕事のできない人は)解雇しやすくする仕組みが必要。解雇のルールをつくることが若者の雇用につながる」と主張しました。
 尾立氏は「安定した雇用をつくることが何よりも大事。アベノミクスは完全に破綻している」と批判しました。

財源
福祉と増税のリンクやめ
消費税に頼らない道こそ わたなべ氏
「将来的に消費増税必要」――公明・維新候補

 最後に、消費税増税や社会保障のための財源問題がテーマに。わたなべ氏は消費税10%増税の2年半延期は「消費税増税路線そのものの破綻。先送り実施ではなく、この道を断念すべき」ときっぱり。
 さらに「社会保障と増税をリンクさせるのをやめ、消費税に頼らない道に転換すべき」と力説。①大企業や富裕層への適正な課税はじめ負担能力に応じた税制②賃上げと安定した雇用創出や下請け企業の納入単価引き上げなどの経済改革――の2点を挙げ、「国民の所得を増やし、消費を高めてこそ中小企業も大企業も成長する。この方向に舵を切り替えてこそ、国の税収も増える」と提案しました。
 松川氏は消費税問題に触れず、「社会保障を考えるには大きな改革を考えないといけない。無駄をなくすだけで経済成長しない」と発言。石川氏は「少子・超高齢化社会の安定財源として消費税引き上げはやむを得ない」とし、党利党略の「軽減税率」を実績に挙げました。
 浅田氏は「増税の前にやるべき改革がある」として「身を切る改革」を主張しましたが、「将来的な増税は必要」と発言。尾立氏は「消費税増税はどこかで踏み切らないといけないが、今回はアベノミクス破綻の下でできない」としました。

 

(大阪民主新報、2016年6月19日付より)

 

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