日本共産党府議の質問
新名神事故と同じ業者が同じ工法
関連事業の契約急ぐな
都市住宅常任委 宮原府議が追及
日本共産党の宮原威府議は7・8日の府議会都市住宅常任委員会で質問し、新名神高速道路の建設現場で事故を起こした業者が、同じ工法で府の発注する新名神関連道路の工事を行うことに関し、新名神本体の工事が止まっている中で、事故原因の究明も待たず契約しようとする松井一郎知事を批判しました。
1度目の事故は4月22日、神戸市北区の新名神高速の建設現場で、工事中の橋桁(全長約120㍍、重さ約1350㌧)が国道176号に落下。作業員2人が死亡、8人の重軽傷者を出しました。
2度目の事故は5月19日、箕面市内の建設工事現場で、橋桁を支える資材が箕面有料道路に倒れました。けが人はいませんでしたが、有料道路が通行止めになりました。
事故を起こした業者が過去に府の入札参加停止措置を受けていたことを宮原府議の追及で府は認めました。4月の事故で工事を請け負っていた横河ブリッジは、2012年7月に下請け業者の作業員が足場から転落、死亡し、2カ月間、府の入札参加停止措置を受けた横河工事株式会社との合併会社です。5月の事故で工事をしていたIHIインフラシステムは、10年に下請け作業員が足場から転落し重傷を負い、1カ月間の入札停止措置を受けています。
府は2業者に、都市計画道路止々呂美吉川線(仮称)いずま谷川橋上部工事と茨木摂津線を発注、工事を進めようとしています。
松井知事も「報告を受けていた」と認めましたが、「作業員の油断はある。そういう中で痛ましい事故が起こる」と府の責任を棚上げし持論を展開、「道路の早期開通を待たれている大勢の皆さんもいる」と、工事を進める姿勢を示しました。
新名神高速での事故に関しては、西日本高速道路が技術検討委員会で事故原因や再発防止策今後の工事への対応策などを審議していますが、事故原因の究明に至っていません。
宮原府議は「公共工事での事故を『作業員の不注意』で済ましてはいけない。元請けや府に、作業員の命を守り安全に道路を造る責任がある」と指摘し、少なくとも委員会の結論が出るまで2〜3カ月間、契約締結を待つよう求めました。
(大阪民主新報、2016年6月19日付より)