おおさかナウ

2016年06月19日

府民守る公的責任しっかり果たせ
公衛研の独法化撤回を

健康福祉常任委 朽原府議が要求

府会東大阪市_くち原亮 日本共産党の朽原亮府議は6日の府議会健康福祉常任委員会で質問、8日には同委員会で松井一郎知事に府立公衆衛生研究所の独法化を撤回するよう求めました。

 研究所を大阪市立環境科学研究所と統合し独立行政法人化する問題で、朽原府議は「研究所は緊急事態に適切な手立てを講じるため、根拠となるデータを蓄積し生み出す施設。公的責任をしっかり果たしていくことが求められる」と指摘しました。
 研究所は2000年の雪印低脂肪乳による集団食中毒事件で原因究明、09年の新型インフルエンザ発生や13年のデング熱発生時では感染症にかかる検査で貢献しました。15年には国内で初めて、有機合成により危険ドラッグを国内流通前に規制するシステムを構築しました。
 府は17年4月に同研究所を大阪市環境科学研究所と統合し、地方独立行政法人として府と同市の共同設置するための補正予算案を提出。法人の内部情報システム開発などに約4700万円をつぎ込むとしています。しかし独法化のためにこれまで約7500万円がつぎ込まれたほか、移転に絡む基本構想・計画策定に1600万円、基本設計費3700万円を支出、今年度には実施設計費sが計上されていました。

 朽原府議は「施設の機能や人的体制などしっかりした将来像を示した上で議論を進めなければ、結局は税金が無駄になってしまう」と述べ、「17年4月の独法化ありきで議論するのは本末転倒だ」と批判しました。

 松井知事は「東京都健康安全研究センターと並ぶ、日本を代表する地方衛生研究所としたい」と述べました。しかし研究センターは都直営で独法化方針もありません。

守口保健所の拙速な移転やめよ

 朽原府議はまた、守口保健所を、ことし10月に守口市の新庁舎8階へ移転させることを府が計画していることに対し、「課題や問題が多く、拙速に結論を出すべきではない」と主張しました。
 朽原府議は「保健所はHIV検査などプライバシー保護の重要な来所者が多く、多くの市民が来所する市役所と同じ施設では検査をためらうことになりかねない」と指摘しました。

 また同保健所が管轄する守口・門真地域は、結核患者の罹患率が府下3番目に高い地域で、空調設備の検討なども必要と主張。精神障害者が保健所の入り口で立ち止まり、中に入れないでいるとき、現在は職員が対応していますが、新庁舎の8階となれば同じ対応はできなくなります。
 守口保健所は09年に耐震化されたばかりで、移転や建替計画はありませんでしたが、西端勝樹守口市長(大阪維新の会顧問)が昨年12月に松井知事に要望。5月に補正予算案提出、10月末に移転という拙速ぶりです。

 

(大阪民主新報、2016年6月19日付より)

 

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