おおさかナウ

2016年09月04日

暮らし壊す「統治機構改革」

上からの「制度いじり」やめ
中身改革し住民自治拡大を

 8月31日から始まった「総合区」と「特別区」についての住民説明会(大阪市民対象)と、9月16日に開会する秋の議会を前に、日本共産党大阪市議会議員団(瀬戸一正団長)が8月26日、大阪市役所内で市民懇談会を開き、89人が参加しました。

共産党大阪市議団が市民懇談会

策動を許さない

日本共産党大阪市議会議員団が開いた懇談会=8月26日、大阪市役所内

日本共産党大阪市議会議員団が開いた懇談会=8月26日、大阪市役所内

 開会あいさつで瀬戸団長は、秋の議会は地下鉄・市バスの民営化にかかわる議案などが焦点になる重要な議会となると指摘。住民説明会は、昨年5月の住民投票で大阪市民が否決した「特別区」設置(「大阪都」構想)への再挑戦の第一歩となるものだと述べました。

 瀬戸氏は「民営化案件などは大阪市の廃止を待たずに、実質的に大阪市の廃止を目指すもの。『大阪都』構想への再挑戦は政令市である大阪市の廃止を目指すもの。いずれも市民の暮らしを壊し、歴史的に発展してきた私たちの街を壊すものであり、維新の策動を何としてもストップするため、住民投票で築いた共同を発展させよう」と呼び掛けました。

「副首都」看板に

 報告した山中智子幹事長は、吉村洋文大阪市長と松井一郎知事が「副首都推進本部」を意思決定機関のようにして市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所などの統合をごり押しする一方、万博やカジノ誘致、なにわ筋線などの大型開発を狙うなど、定義も明らかでない「副首都」を看板にやりたい放題を重ねていると批判しました。

 吉村市長・維新が「副首都にふさわしい統治機構改革」というトリックを持ち出し、「総合区」と「特別区」についての住民説明会を全行政区で開くほか、「『特別区』か『総合区』かの住民投票の実施」を表明するなど、『特別区』への誘導を狙って制度いじりに着手していると指摘しました。

次元の違うもの

 山中氏は、「総合区」は大阪市の中で住民自治の拡充を目的に区長の権限を強化する制度であるのに対し、「特別区」は大阪市を廃止・解体するものであり、「まったく次元の違うもの。比較するのは無茶苦茶だ」と強調。「副首都推進本部会議」でも「総合区」素案に対して「説得力がない」「行政の都合だ」などの意見が出ていることを示し、市民の混乱と困惑は必至だと述べました。
 山中氏は「都構想は住民投票で決着済み。大阪市存続の意思に従い、上からの制度いじりの流れをストップし、市政の中身の改革、住民自治拡充の本格的な取り組みを進めよう」と力説しました。

税金の無駄遣い

 参加者からは「次元の違う『総合区』と『特別区』を比べることは、そもそも間違っている。(都構想再挑戦)で住民投票を実施したり、副首都推進局の人件費や住民説明会の費用などは、住民を分断するための税金の無駄遣いだ」(年金者組合)、「市営交通問題でのアンケート付きビラを16万枚配布。1300枚以上の回答が届き、地域の市民の足が壊されている実態が浮き彫りに。民営化阻止の世論づくりに頑張る」(大阪市をよくする会)などの発言がありました。

 日本共産党の辰巳孝太郎参院議員も参加しました。

 

(大阪民主新報、2016年9月4日付より)

 

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