「維新」政治どうみる Q&A
②行き詰まり大阪市解体へ
Q 大阪の「維新」はどこから生まれ、何を狙っているのか?
ふりかえると前代表の橋下徹氏(元大阪府知事、前大阪市長)が率いた「維新」の台頭は、大阪の自民党・「オール与党政治」の行き詰まりが、どこよりも激しいなかでのことでした。
経済的には、「子どもの貧困」率がいまや全都道府県でワースト2位になるなど、全国最悪の形で「格差と貧困」が広がりました。関西財界がすすめてきた「関西空港・大阪湾ベイエリア開発」が破綻をとげて大阪経済と地方財政の巨大な「負の遺産」となります。これに代わるプランも示せなくなり、関西経済連合会は「関西経済は絶対的衰退の危機」とまで叫びます(1999年「関西再生シナリオ」)。
政治的には、自民党、民主党(当時)の支持基盤が崩れた大阪で、日本共産党を除く「オール与党」がどこよりも早く生まれました。しかし、府民との矛盾は消えず、2007年大阪市長選、08年府知事選では、従来の「オール与党」の枠組みではたたかえなくなっていました。
この08年府知事選で登場してきたのが、自民・公明が推薦した橋下徹氏でした。茶髪の若手弁護士として民放テレビ番組に出演していた知名度と「大阪府職員は破産会社の職員」などの物言いで注目を集めました。彼が志向したのは、大阪の行き詰まりを「右から改革」することでした。
その姿が明確になるのが10年4月の「大阪維新の会」結成です。「大阪府庁の旧WTC(ワールド・トレード・センタービル)への移転」という提案をし、議会で否決されたものの、この案件への賛否を質草に、自民党のなかに手をつっこみ、知事が代表となる地域政党をつくりあげます。
そこでかかげた一枚看板が「大阪都」構想でした。大阪市をつぶし、その権限と財源を「大阪府」に吸い上げ、「1人の指揮官」でやりたい放題の「統治機構」をつくること企図したものでした。これと一体に、「なんでも民営化」路線を走り、「教育基本条例案」「職員基本条例案」を打ち出すなど、文字通り従来の「オール与党」政治にもなかった異質で危険な方向をたどります。
「維新」政治どうみる Q&A
①「改憲反対勢力」つぶし
Q 参院選で「おおさか維新の会」が果たした役割は?
②行き詰まり大阪市解体へ
Q 大阪の「維新」はどこから生まれ、何を狙っているのか?
④異常な競争 教育破壊
Q 教育の分野では、私学無償化など、よくやっている?
⑤独裁的手法と破綻
Q 「独裁」というけれど、改革のスピードが違う?
⑦画期的な共同の勝利
Q 堺市長選挙や住民投票で「維新」を打ち破った原動力は?
⑧「異質の危険」に共同
Q 自民と共産・民進が組むのは野合では?