2016年10月09日
利用者の安全・安心は公営でこそ
大阪市営地下鉄民営化 市民にメリットなし
開会中の大阪市議会で、市営地下鉄の民営化問題が大きな焦点になる中、「市民・利用者の安全・安心は公営でこそ守れる」と議会での論戦や市民の運動が展開されています。
基金・現金の95%なくなる
市議会交通水道委 山中市議が追及
9月29日の大阪市議会交通水道委員会では、日本共産党の山中智子議員が質問。2018年度の民営化を狙って吉村洋文市長が提出し、継続審議となっている「民営化基本方針案」の資金計画を取り上げました。
山中氏は、地下鉄会計には17年度末(予定)で1562億円の現金があるが、民営化すれば交通局職員の退職金(1006億円)の一括払いなどで使い果たし、新会社の運転資金は70億円しか残らない(表)と指摘。「薄氷を踏むような、ぎりぎりの綱渡りの状態。ここまでして民営化するメリットはあるのか」と迫りました。
交通局は「効率的な事業運営が可能になり、多様な事業も展開できる」と抽象的な答弁に終始。山中氏は「市民が切実に望んでいる可動式ホーム柵の設置や震災・高潮対策を一つ一つやることが、市民にとってのメリット。公営のままの方がバリアフリーや震災対策などに回すお金は豊かだ」と力説しました。
さらに山中氏は、10年に地下鉄事業が累積赤字を解消した当時の計画では、19年度には御堂筋線全駅で可動式ホーム柵が完成予定だったが、橋下徹前市長が民営化にかじを切ったために、天王寺駅と心斎橋駅への設置のみでストップしていると強調。「一番の市民サービスである安全・安心への投資は、公営でこそできる」として、民営化に反対しました。
(大阪民主新報、2016年10月9日付より)