おおさかナウ

2016年10月16日

貧困の連鎖断ち切れ
石川府議の一般質問
財源示し対策要求

石川多枝府議

石川多枝府議

 日本共産党の石川多枝府議は6日の一般質問で松井一郎知事に子どもの貧困対策強化を求めました。

 石川府議はまず、子どもの貧困の実態を紹介。府内のある民間保育園では、「毎日、園の服を貸し出す」「食事は朝も夜もスナック菓子」「歯医者に行けず、預かり薬が痛み止め」などで、ほかにも「夏休み、毎日公園にいる子どもに声を掛けると、朝からご飯を食べていなかった」「学校での給食だけが一日の食事」など、「育ち盛りに食事すらまともにとれない子がいる。子どもの貧困対策が急がれる」と強調しました。

中学校給食

全員喫食へ移行へ半額の補助を 石川府議

石川府議 子どもの貧困対策としてきた中学校給食導入促進事業が昨年度で終了した。しかし選択制での喫食率は低く、クラスで1人も給食を食べていない学校もある。弁当も持たず給食も食べていない子どもは、水道水でおなかを膨らませる、昼休みに姿を消すなどして、毎日を過ごしている。

 事業を始める際、「食育という観点から全員喫食が望ましい」と言ってきた。今からでも再開し、全員喫食へ移行する自治体への補助を。全員喫食が進まない要因の一つが就学援助の負担。財源確保が大変と躊躇(ちゅうちょ)する市もあり、半額を府が補助すべき。

さらに行うことは考えていない 松井知事

松井知事 学力や体力の根幹となる中学生の食の充実を目的として、5年間に限り市町村に対して補助を行った。さらに行うことは考えていない。

石川府議 現に食べることのできない子どもがいることをしっかり踏まえて検討を。

公教育の充実

経済力に左右されず教育享受を 石川府議

石川府議 貧困家庭の子どもの進学率は低く、結果、また貧困層に陥る可能性が高い。経済力に左右されず教育を受けられることが、貧困の連鎖を断ち切る一つの保証だ。
 子どもの貧困率全国一の沖縄県では、今年から小学4年まで少人数学級を拡大。国に少人数学級拡大を強く求めるとともに、府の責任で直ちに当面、小学3年と中学1年での実施を決断すべき。

 新たな府立高校の再編整備の対象校が公表された。進学を望むすべての子どもが教育を受けられるよう、3年連続定員割れ高校を再編整備の対象とする府立学校条例第2条2項は削除し、公教育の充実を行うべき。

少人数学級実施は単独では困難 松井知事

松井知事 少人数学級編成の拡大は、国が制度改正を行わない中、府単独実施は困難。府立高校の教育の効果的かつ効率的な運営のためにも府立学校条例第2条2項は必要。

待機児童ゼロ

保育所増設し保育士確保へ力を 石川府議

石川府議 母子家庭で「保育問題で正規雇用につけない」という声が多い。大阪の待機児童は4月現在で1434人。加えて6千人以上の「隠れ待機児」がいる。府有地の無償譲渡や貸与などを検討し、保育需要に見合った保育所増設で待機児ゼロを目指すべき。
 保育士確保も急務。国に処遇改善を求めるとともに、府として処遇改善補助制度を創設し、賃金引き上げを。

処遇改善の補助制度の考えない 松井知事

松井知事 保育所運営は国が算定する公定価格を基に行い、この中で保育士の人件費などが算定され、賃金改善のための処遇改善など加算も行われている。府として補助制度創設は考えていない。
石川府議 全職種に比べ、10万円以上も保育士の賃金は低いのに、国の賃金改善はわずか6千円程度。保育士を確保していく上でも処遇改善制度を府として創設すべき。

財政健全化

府民を応援しながら健全化図れ 石川府議

石川府議 財政調整基金1602億円を5%ずつ2年間取り崩すことも可能。借金返済のための減債基金の積み立て不足を2024年度までに解消するのではなく、時期を最大6年延ばすだけで、少なくとも年100億円程度の財源が生まれ、これでも2024年に起債許可団体でなくなることは可能だ。今年度7800億円の起債を発行するが、金利が低くなり、公債費は今後8年間は60〜90億円少なくなり財源が生まれる。必要なのは府民の暮らしを応援しながら財政健全化を図ることでは。

〝成長〟のため重点的に財源配分 松井知事

松井知事 依然として財政は厳しい。財政規律を堅持するとともに、府民の安全安心を守るセーフティーネットをしっかり確保しつつ、大阪の成長のための施策に重点的に財源を配分していく。
石川府議 子どもの治療費や食べることより借金返済の積み立てを優先する家庭はない。食事ができない子が大阪にいる、医療を受けることにためらいを感じる母親がいることに本当に心が痛む。
 子どもの貧困対策などの財源として年240億円から270億円は確保できると提案したが、財政規律の維持、来年度以降の財源不足などを理由に提案は拒否されている。
 この8年間府の財政は黒字続き。財政調整基金は年度当初は何百億円も取り崩しを予定しておきながら、実際は取り崩すどころか積み増しをしてきている。財源はつくれる。見通しをしっかり見て、子どもの貧困対策が実現されるよう求める。

 

(大阪民主新報、2016年10月16日付より)

 

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