2016年11月06日
清水忠史の国会レポート
リニアよりも赤バス乗りたい
狭い日本そんなに急いでどこへ行く?JR東海が建設するリニア新幹線のために、公的資金を3兆円も貸し付ける法案が、10月26日の国土交通委員会で、たった一日の審議で採決されてしまいました。反対したのはわが党のみです。
貸し付けの目的は、リニア中央新幹線の品川〜名古屋間を2027年までに完成させ、間をおかずに大阪までの工事に取り掛かることで全線開業を当初の予定よりも最大8年間早めることとしています。
しかし、ちょっと待ってください。そもそもリニア新幹線の建設は問題が山積みでっせ。南アルプスの山脈をぶち抜くトンネル貫く工事は、大量の残土を発生させ、大量の水枯れを招くことが指摘されています。生活環境の破壊や立退き問題も解決していません。
驚くべきは、「リニア新幹線だけではペイしない」と、JR東海の元社長が赤字の事業であることを認めているのです。人口減少社会、しかもビジネスマンが減り続けるもとで、リニア新幹線の需要がどれだけ伸びるのか、採算が取れるのか、根拠に乏しいと言わなくてはなりません。
地域のご老人に「リニアに乗りたいですか?」とお聞きすると、「リニアより赤バスに乗りたい」と言わはりました。
いま政治に求められているのは、高齢者や障害者が安心して移動できる交通手段を維持・発展させ、転落防止事故をなくすためのホームドア設置など、安全対策こそ急ぐべきです。
声を大にして言いましょう!リニアよりシニアを大事にせんかい!
(しみず・ただし 日本共産党衆院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2016年11月6日付より)