おおさかナウ

2016年11月13日

府議会 万博誘致決議を可決
日本共産党は反対

万博のイメージ図

万博のイメージ図

 府議会は4日の本会議で、2025年の万博大阪誘致を国に求める決議を可決しました。日本共産党は反対しました。府はすでに「健康・長寿」をテーマとする基本構想を取りまとめており、決議は万博開催により「新たな観光や産業のイノベーションが期待できる」「全世界に向けて大阪、関西の存在感を示す絶好の機会に」としています。

 本会議後に記者団に対し松井一郎知事は「お金をかけない、青天井で予算が膨らむことのない万博計画をつくりたい」と話しました。

 建設費用の府と大阪市の負担(それぞれ約200億円と想定)について松井知事は議会で、「そのくらいの財源を捻出する体力はある」などと述べています。

夢洲に巨費投じる必要ない
共産党府議団 宮原団長が談話

 日本共産党府議団の宮原威団長は「夢洲に巨費を投じる必要は全くない」「府財政、府民の暮らしの改善どころか、これらを破綻に導きかねない」などとする談話を同日、発表しました。

開催費が想定以上になる?

府咲洲庁舎から見た夢洲

府咲洲庁舎から見た夢洲

 談話は開催費用が想定以上に膨らむことが危惧されると指摘しています。

 会場建設費1200億〜1300億円(地元自治体と国、地元経済界がそれぞれ400億円ずつ負担と想定)のほか、会場と想定する大阪市此花区の人工島・夢洲への道路と橋の拡張40億円、地下鉄中央線の延伸640億円の府と大阪市の負担割合は協議中で、さらにカジノを核とする統合型リゾート(IR)を予定すれば30ヘクタールの埋め立てに50億円かかるとされます。

3千万人入場も根拠がない

 談話では、入場者数3千万人の見込みも「根拠がない」と批判しています。

 愛知万博を開いた2005年から大阪は65歳未満の人口は約100万人減り高齢者は80万人増えると指摘。愛知万博では入場者全体の7割以上を10〜59歳が占めていました。

健康長寿に背を向ける維新

 健康、長寿をテーマにしていることにも、「府の平均寿命は男性が(全国)41位、女性は(同)40位、1人当たりの介護費用は全国一。維新政治は、子どもや高齢者の医療費助成を大改悪しようとしている。特別養護老人ホーム、街かどデイハウスの予算を削り、介護予防や健診もほとんど市町村任せである。お金がない、という理由で、健康、長寿の施策には背を向けながら、万博には巨額を投じる。まったく、本末転倒」と厳しく批判しています。

暮らし擁護や防災こそ急務

宮原威団長

宮原威団長

 「府民、国民のなけなしのお金を当てにし、多くの人を不幸におとしいれるカジノとの併設など言語道断」とし、「破綻続きのベイエリア計画を無反省に続けること自体に慎重でなくてはならない。湾岸部の防災対策も急務だが遅れている。やるべき事は子どもや高齢者の健康を守る事業、咲洲を含むベイエリア、大阪全体の防災、減災などである」と述べています。

 

 

 

(大阪民主新報、2016年11月13日付より)

 

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