地下鉄延伸 「万博のため」は口実
山中市議 IR誘致やめよ
大阪市議会決算委
7日の大阪市議会決算特別委員会で日本共産党の山中智子議員は、吉村洋文大阪市長と松井一郎知事が、大阪湾の人工島・夢洲(大阪市此花区)での2025年の国際博覧会(万博)開催を利用して、刑法で禁じられた賭博であるカジノを核とした統合型リゾートの誘致を進めている問題で質問しました。
山中氏は、地下鉄中央線を咲洲(コスモスクエア駅)から夢洲(仮称・夢洲駅)まで延伸する鉄道建設(640億円)などが万博の関連事業費となっているが、万博基本構想では、万博の1年前に予定するIRの開業に合わせて鉄道を開通する計画だと指摘。「万博のためなどと言うのは口実で、IRのためだ。吉村市長は『鉄道アクセスも含め事業者に負担してもらう』と言ってきたが、それなら万博の関連事業費から除外すべき」と迫りました。
市側は「万博のためだけではなく、今後の夢洲のまちづくりに必要。万博を契機に進めるので関連事業費に計上している」などと答弁。山中氏は、シンガポールのIRでは事業者は鉄道建設を負担していないとし、「万博を利用して、IRのための鉄道を『万博の費用』として建設するものだ」と批判しました。
また山中氏は、世界各地のIRの収入が伸び悩んでいる下で、富裕層が日本に来るとは考えられず、結局、大阪・京都・神戸などの一般市民の財布が狙われるのではないかと警告。「ギャンブル依存症が深刻な日本で、根絶する手立て取らないまま、『IRが来ればいい』と叫ぶのは無責任」と強調しました。
吉村市長は「日本は依存症が多いのに、対策がない」と認めつつ、「IRを持ち込む過程で、コントロールする。シンガポールのIRのルールを学んで対策を取れば、依存症は減っていく」と答弁。山中氏は「カジノは誰かの不幸の上に立って誰かがもうけるもので、大阪経済にプラスにならない。IRのための鉄道建設は無駄な大型開発の二の舞になるのは明らか」と述べ、IR誘致をやめるよう求めました。
(大阪民主新報、2016年11月20日付より)