2016年12月04日
清水忠史の国会レポート
依存症対策こそ
「ギャンブル依存症は疾病であり、国内において確立した治療方法はない」。消費者特別委員会で私の質問に厚労省が答えました。
推計536万人もいるというギャンブル依存症患者への対策強化と同時に、これ以上増やさない取り組み、依存症予防が必要です。そのためにもギャンブルが有害であるとの情報を消費者に提供する必要があります。タバコには喫煙が健康を害するという警告表示の義務や広告規制があるように。
しかしパチンコや競馬には規制が不十分です。ギャンブルを所管する各省庁が自発的に取り組まない以上、消費者庁が主体性を発揮すべきです。
ところが松本消費者担当相は「医療で適切な対策を講じるべき」と無責任な答弁に終始。消費者行政の役割を投げ捨てるものです。それもそのはず、松本大臣はカジノ推進議連メンバー。国会では維新の会も熱心にカジノ法案成立を求めています。消費者被害を生み出す人物が消費者担当大臣とはブラックジョークにもなりません。
カジノは成長戦略のひとつと言いますが、斜陽産業でマカオでもシンガポールでも売り上げは落ち込んでいます。日本で解禁したからと景気が良くなる保証はないばかりか、あらたな依存症患者を生み出すことで社会的コストの損失は計り知れません。国民がギャンブル依存症から多重債務に陥り、犯罪や自殺が誘発されている現実を直視し、対策をしっかり講じるべきで、カジノは解禁すべきではありません。(しみず・ただし 日本共産党衆院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2016年12月4日付より)