「地下鉄民営化基本方針」を可決
大阪市議会 日本共産党は反対
大阪市議会は13日、「市営地下鉄民営化基本方針案」を維新と公明、自民などの賛成で可決するなどし、閉会しました。日本共産党の山中智子市議は反対討論に立ち、「なぜ膨大な黒字を計上している地下鉄を民営化するのか。それは株式を上場して売却する、ただその一事以外にないことは明らかだ」と厳しく批判しました。
民間に運営させる国際教育課程の中高一貫学校(建設費約60億円)を大阪市の公費で設置する関連条例案を、維新と公明の賛成で可決しました。
日本共産党の江川繁市議は反対討論に立ち、「経済界が求めるエリート育成のための英才教育に税金を注ぎ込もうとするもの」と指摘。「大阪市が今やるべきは、小中学校全学年に35人以下学級を広げることや、就学援助費の拡大、公立幼稚園の存続など、すべての子どもの成長・発達を保障するため教育条件をよくすることだ」と主張しました。
廃止条例提案狙う 2月議会に吉村市長
大阪市営地下鉄の民営化基本方針案は、2018年4月をめどに大阪市が100%出資する株式会社を設立するというものです。
地下鉄民営化をめぐっては、橋下徹前市長が公営としての事業を廃止する条例案を2回提案しましたが、いずれも維新以外の反対で否決。「市長への白紙委任になる」と批判した自民党が、民営化に際しての基本方針案を議会の議決事項とするよう求め、市側が受け入れました。
昨年12月に就任した吉村洋文市長は基本方針案を提案。自民党は基本方針案に賛成するための12項目の条件を出しました。吉村市長は今里筋線延伸以外の11項目を容認し、自民党の賛成を取り付けました。
地下鉄吉村市長は基本方針案の可決・成立を受け、来年2月議会に市営地下鉄の廃止条例案を提出する方針です。同条例案の可決には、地方自治法に基づいて市議会(定数86)の3分の2以上の賛成が必要です。
(大阪民主新報、2016年12月18日付より)