日本共産党府議の質問
宮原威府議・石川多枝府議
堤防・道路一体の左岸線延伸計画
津波の検討なしに工事とは
府議会都市住宅常任委で宮原府議
日本共産党の宮原威府議は16日の府議会都市住宅常任委員会で、阪神高速淀川左岸線2期事業とその延伸部について、「なぜ全国に例のない難工事を、事前のモニタリングもなくやろうとするのか。津波問題は具体的検討もされていない」と厳しく指摘しました。
全国でも例ない構造の計画
この日、国土交通省は近畿の高速道路の新通行料金案を発表しました。実質値上げとなり、阪神高速は大阪湾岸道路西伸部と淀川左岸線延伸部の建設費用約3〜4千億円の半分を1台50円の上乗せを2050年まで行い賄う方針で、残りは国と地元自治体が負担するとされます。
淀川左岸線2期は、堤防と道路が一体となる、全国でもこれまでに例のない構造で計画されています。
宮原府議は、津波が土木構造物に与える影響について、東日本大震災以後の新たな知見は出ていないと示し、「最低限、きちんと検討した上でなければ、着手すべきではない」と求めました。
府側は淀川左岸線を「関西圏の国際競争力強化を支える非常に重要な道路」と位置付け、「自然災害の中で津波については、想定の範囲を超えるような可能性がないとは言い切れない」としながら、今後、国の新たな知見が示されれば、あらためて安全対策の検討が「必要に応じてなされると推測している」と述べるにとどまり、あくまで工事着手に固執する考えを示しました。
宮原府議は「結局は机上の論議だ。本当に罪が深い」と批判しました。
全国でも最悪の学校での暴力事件
カウンセラーなどの増員を
府議会教育常任委で石川府議
日本共産党の石川多枝府議は16日の府議会教育常任委員会で、小中学校で全国と比べて多い暴力発生件数を示し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員を求めました。
府内の小中学校の児童生徒による暴力発生件数は、1千人当たり小学校で6・1件と、全国の2・3倍、中学校で28・2件と同2・8倍にもなります。
府は現在、生徒指導上の課題の大きい小学校50校に、臨床心理士資格を持つスクールカウンセラーと社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つスクールソーシャルワーカーを配置するなど、小学校の指導体制の支援を図っています。
質問に対し府側は「より効果を高めるためにさらなる事業展開に取り組んでいく」と応じました。
チャレンジテストの中止を
石川府議は、府の調査で1年間の家計が赤字と答えた家庭が24・9%、経済的理由で切り詰めたものの3位に「食費」が入り、塾や習い事に通わすことのできなかった経験がある保護者が約2割いたことを示した上で、チャレンジテストなど子どもたちを行き過ぎた競争教育にさらに追い込むことをやめ、少人数学級の拡大も求めました。
府は少人数学級について「国において制度改正が行われない中、府単独での実施は困難」と述べました。
(大阪民主新報、2016年12月25日付より)