野党と市民の共闘広げよう
個人の尊厳守り市民に寄り添う
〝リスペクトの政治〟実現を
関西市民連合がシンポ開く
来るべき総選挙に向け、個人の尊厳を守り、市民一人一人の生活や体験に立脚した政治を求め、野党と市民の共闘を広げていこうと、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合(関西市民連合)が22日、京都市左京区の京都大学で「リスペクトの政治に向けたシンポジウム」を開き、地元・京都や大阪から市民ら約150人が参加しました。
■私たちのものに
京都大学大学院経済学研究科の西牟田祐二教授が開会あいさつ。講演した大阪大学の牟田和恵教授(ジェンダー論・歴史社会学)は、1960年代の女性解放運動が、私的なこととされてきた家事や育児を社会問題として訴え、政治化したと指摘。その考えや行動は、米国のトランプ新大統領による女性蔑視や移民攻撃などに抗議する全米の「女性大行進」にも生きているとし、反対集会に参加した歌手のマドンナさんなどの映像を紹介しました。
牟田氏は、昨年「保育園落ちた!日本死ね」のブログ投稿にバッシングが起きた背景に、育児は個人や家族で何とかすべきであり、公的な場へ持ち出すことに反発する見方が社会の中に根強くあると指摘。「子育ては、それなしに社会が再生産できない公的な営み。個人的な『小文字の政治』と、国家予算といった『大文字の政治』は一体のもの。政治を私たちのものにしない限り希望はない」と強調しました。
■戸惑いテーマに
パネル討論には、安保法制に反対するママとみんなの会@京都の西郷南海子さん、民主主義と生活を守る有志(SADL)の小川郁さん、大阪市立大学准教授の新ケ江章友さん、子どもの未来を考えるママの会@大阪の中野里佳さんが出席しました。
大阪大学大学院の元橋利恵さんの進行で「在宅介護は誰が担うべき?」など、日常の疑問や戸惑いをテーマに意見交換。「介護は人が生きていく上で絶対に必要なのに、ヘルパーは足らず、賃金は安い。若い人はヘルパーになれない」(小川さん)、「自民党の改憲草案24条は家族主義だが、介護は社会的に共有すべき」(新ケ江さん)などと語り合いました。
最後に「私にとってのリスペクトの政治は」という問いに、出席者が「誰がどんな状況でも安心して生きられる社会」「分断されない社会」「一人一人が自分らしく生きることを保障する政治」「自分自身を大切にすること」と答えました。
互いに敬意払い一致点を見出し
野党があいさつ・メッセージ
シンポジウムには日本共産党のこくた恵二衆院議員・国対委員長、民進党の福山哲郎参院議員が出席し、あいさつ。社民党大阪府本部代表の服部良一元衆院議員、自由党京都府連会長の豊田潤太郎元衆院議員がメッセージを寄せ、自由党大阪府連の渡辺義彦幹事長も参加しました。
こくた氏は、先に開かれた第27回党大会に全野党が参加するという新しい前進が生まれていることを紹介。政治の前進が野党と市民の共闘の発展、共通政策づくりへ「お互いに尊敬して敬意を払い、そのことで一致点を見出していくことを基礎に据えたい。安倍政権打倒の一点で団結して頑張りたい」と語りました。
福山氏は、排他的な姿勢を強める米トランプ新大統領や安倍政権に反対の声を上げ続ける市民と連帯し、安保法制廃止や共謀罪阻止へ「国会のたたかいと市民との協力を通じて、しっかりやっていきたい。もちろん立憲4党の国会での共闘は言うまでもありません」と強調しました。
メッセージでは服部氏は「総選挙では参院選や新潟県知事選の共闘の実績を踏まえ、安倍政権退陣へ各選挙区で野党と市民の共闘、共通政策実現へ全力で役割を果たす」と表明。豊田氏も「反安保法制、社会保障充実、雇用の安定・拡充、原発廃止などについてこれまで以上に野党共闘を推し進め、安倍内閣・与党に退治する」としました。
(大阪民主新報、2017年1月29日付より)