大阪市議会
市営交通民営化・「法定協」巡り緊迫
共産党 市民無視の暴挙やめよ
大阪市議会が3月28日閉会するのを前に、地下鉄・市バスの民営化はじめ市政の将来を左右する重要案件をめぐり、緊迫した局面を迎えています。
民営化の狙いは早期の株式売却
吉村洋文市長(大阪維新の会政調会長)は今議会に、公営としての地下鉄・バスを廃止する条例案を提案しています。
地下鉄は経常利益3百数十億円を上げ、1600億円もの現金・預金をもつ優良企業で、可動式ホーム柵設置はじめ安全対策やバスとの交通ネットワークの充実など公営としての役割発揮こそが求められています。
民営化案では当面大阪市が100%出資しますが、収支試算では年金・預金はわずか70億円しか残りません。安全対策などの建設投資は極力抑えて有利子負債を減らすことで、早期に株式売却・上場して市民の財産を売り払うことが狙いであることが、日本共産党の論戦で明白になっています。
廃止条例案の可決には市議会(定数86)の3分の2(58人)以上の賛成が必要ですが、維新(36人)と公明(19人)だけではこれに達しません。日本共産党(9人)はきっぱり反対、自民党(20人)の態度が問われています。
大阪市を廃止して「特別区」を設置する「大阪都」構想は、2015年の住民投票で否決されました。
住民投票無視し都構想蒸し返す
ところが松井一郎知事と吉村市長はダブル選で勝利したことを理由に、府市両議会に「特別区」の制度設計を話し合う法定協議会の設置議案を提案。住民投票の民意を無視して「大阪都」構想を蒸し返す暴挙です。
吉村市長は一方で、市を残して区の権限を強化する「総合区」導入に公明党が積極的なことから、「総合区」の検討に着手。現在の24区を8区に合区する区割り案を17日にまとめ、次元の異なる「特別区」と「総合区」をてんびんに掛けようとしています。
日本共産党大阪市議団の山中智子幹事長は、「住民投票から2年足らずで再び都構想を持ち出すこと自体許されない。市民の暮らしをまともに議論せず、『特別区』と合区ありきの『総合区』の検討に時間とエネルギー、税金を注ぐことは無駄の極み。制度いじりに明け暮れた橋下前市政の“失われた4年”を“失われた8年”にしないために、法定協設置の否決へ市民世論と結んで全力を挙げる」と話しています。
(大阪民主新報、2017年3月26日付より)