カジノはあかん!
集会に1千人が参加
カジノあかん大阪集会が3月25日、大阪市中央区内で開かれ、960人の市民が会場をびっしりと埋めました。「『カジノはあかん』の連帯の輪を広げ、カジノ誘致を阻止しよう」とのアピール文を採択し、①知らせよう②行動しよう③連帯しよう―と3つの取り組みを提起。集会後、「カジノはあかん」と書かれたプラカードを手に市内をパレードし、「カジノ誘致は許さない」「カジノの予算を福祉にまわせ」とアピールしました。
〝人の不幸が成長戦略〟許すな
集会実行委員会は各分野から約30団体で構成。桜田照雄実行委員長(「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」代表=阪南大教授)は、「日本のどこにもカジノ解禁を許さない、そのためにたたかいを進めていこう」と呼び掛けました。
街の荒廃と依存症悪化
全国カジノ賭博場設置反対協議会代表の新里宏二弁護士は、シンガポールの統合型リゾート(IR)とカジノを例に挙げ、施設面積の3%に過ぎないカジノが収益の8割を占めると指摘、「カジノがなければそもそもIRはもたない施設。日本で狙われているのが1600兆円の金融資産。カジノがもたらすのは街の荒廃とギャンブル依存の悪化だ」と強調しました。
パチンコ店が町中にあふれる日本には、世界の遊戯機器の6割が集中し、ギャンブル依存症患者が推計536万人に上る現状を詳述。民間賭博解禁の問題点や闇金融被害、自殺の増加など、シンガポールと韓国などの海外カジノの悲惨な実態に触れながら、「カジノ胴元のもうけは負けの総体だ。人の不幸に乗った成長戦略や経済成長を認めてはいけない」と強調しました。
日本各地に広がるカジノ反対の運動に加え、海外にも連帯の動きが広がっていると語った新里氏は、「カジノあかん、万博カジノはあかんと運動を広げていこう。私たちの力でカジノ計画をつぶしていこう」と呼び掛けました。
賭博で泣く人増やすな
「子ども時代の私は、日中の大半をパチンコや競輪、ボート会場などギャンブル場で過ごしました」。親がギャンブル依存症だったという女性が発言し、親から子へと世代を超えて、貧困とギャンブル依存が連鎖していく現実を紹介。「カジノができれば、私のように泣く子どもがいっぱい出てきます。自殺や家庭崩壊、失踪で悲しむ家族がいっぱい増えます。子どもたちが明日に夢を持って育っている社会にしてほしい」と語りました。
住民投票でカジノ否決
昨年、住民投票でカジノ誘致を否決した台湾・膨湖島から、住民グループの代表4人が登壇。3回実施された住民投票の際、「カジノで還付金がもらえる」と政府と資本が宣伝するなど、産・官・学・マスコミ一体となった誇大宣伝が繰り広げられたと告発し、「私たちは正義と希望の側に立っています。信念を持ち続ける限り、倒せない敵はいない」と語りました。「台湾も日本もカジノはあかん」とコールしました。
カジノは国の自爆装置
リレートークで大阪市此花区の建設業者は、同区西九条や春日出、四貫島各商店街の落ち込みを指摘。「カジノで地域経済は崩壊する」と告発しました。
競艇場のある同市住之江区の住民は、ギャンブルに負けた客をめぐる住民トラブルを紹介、「博打場カジノは絶対いらん」と訴えました。
大東市の男性は「賭博は勝つからではなく、負けるからはまる。パチンコにはまった私には、それが痛いほどわかる。カジノは国家の自爆装置」と告発しました。
あかんカジノ女性ネットワークの中野冬美さんは、貧困に苦しむ母子家庭の現実に触れ、「子どもと女性を貧困に追いやるカジノは許せない」と語り、落語家の笑福亭竹林さんは、「カジノ阻止は大阪に品格を取り戻すたたかい。一緒に頑張ろう」と呼び掛けました。
回収不能な投資になる
カジノ誘致を考える横浜連絡会の古谷靖彦横浜市議が駆け付け、横浜市当局がカジノ誘致へ山下埠頭に基盤整備を進めていると告発。市民による大宣伝や、「人間の鎖」市庁舎包囲行動などを紹介し、「カジノの経済効果は希薄だ。回収不能な先行投資は許されない。横浜をカジノ発祥の地にするなと運動を広げていく」と連帯あいさつしました。
野党連携でカジノ阻止
社民党大阪府連代表の服部良一元衆院議員、自由党大阪府連代表の渡辺義彦元衆院議員、日本共産党の大門実紀史参院議員、清水忠史衆院議員が参加しあいさつしました。大門氏は、付加価値を生み出さないカジノは経済活性化につながらないと指摘。「カジノはいらないとの世論を広げれば、必ず阻止できる」と訴えました。清水氏は、訪日外国人の目的は、日本食や景勝地の観光などが中心だと指摘。「カジノで経済成長をなんて言う政権に痛打を与えよう。野党が連携してカジノ阻止へ全力を挙げる」と語りました。
(大阪民主新報、2017年4月2日付より)