住吉市民病院 医療空白つくらせるな
市民の会が議会報告会
市の責任で公的医療機関を
住吉市民病院(大阪市住之江区)の廃止後の民間病院誘致をめぐって医療空白が生まれる恐れがある中、「住吉市民病院を充実させる市民の会(市民の会)」が12日夜、同区内で議会報告会を開き、70人が参加しました。
開院を2年延期したが
大阪市は、住吉市民病院の廃止(2018年3月末)後に民間の「南港病院」を誘致するとしていましたが、日影規制の影響による建設位置の変更で同病院の新病棟の開院を20年4月へと2年延期。その間、同病院が住吉市民病院の病棟を利用して暫定運営を行うとして、病院改修費7千万円をことし3月市議会に提案しました。
これに対し議会側から、「南港病院がいまだに全体計画を示していない」「小児科や産科の医師確保ができていない」「日影規制による開院の遅れは南港病院と市に責任がある」などの批判が続出。改修費は削除されました。
医療機能の継続が必要
報告した市民の会の辻井大介事務局長は、大阪市が「医療空白をつくらないためには、南港病院を支援するしかない」と説明したことに触れ、「単に病院が来ればいいのではなく、住吉市民病院の医療機能が継承・充実するための再編計画。医師や看護師が確保されなければいけないし、形だけ整えて公金を投入することは許されない」と強調しました。
辻井氏は医療空白をつくらないために、大阪市に対して南港病院の誘致を断念し、公的な医療機関を設置するよう求める陳情署名に取り組むことを提案。5月24日(水)に大阪市西成区の西成区民センター・ホールで開く集会を成功させようと呼び掛けました。
集会には、日本共産党のわたなべ結大阪3区候補(衆院近畿比例重複)、尾上康雄、井上浩両大阪市議、民進党の松崎孔元大阪市議が出席しました。わたなべ氏は、住吉市民病院の廃止後の民間病院誘致は公募が2度にわたり失敗した末に、随意契約で南港病院に決めたが、不採算の小児・周産期医療は公で保障するしかないことが実証されたと強調。「府と大阪市に責任を果たさせるために頑張る」と語りました。
森友疑惑と同じ構図が
市議会の論戦を報告した尾上氏は、南港病院の誘致を前提にした再編計画には地元医師会が反対していたにもかかわらず厚生労働省が認めた背景には、「大きな圧力があった。森友学園疑惑と同じ構図がある」と指摘。「大阪市がいまだに南港病院の誘致に固執しているが、医療機能を引き継ぐには公立で担う以外にない」と述べました。
松崎氏も、住吉市民病院の医療機能が失われれば、子育て世代がこの地域に住めなくなってしまうとし、「皆さんと連携して頑張る」と話しました。
(大阪民主新報、2017年4月23日付より)