おおさかナウ

2017年04月23日

押し付け合併にノー
島本町長選 山田紘平氏が初当選
〝小さくても魅力ある町を〟

 任期満了に伴う島本町長選が16日投開票され、団体職員の山田紘平氏(32)=無所属・新=が初当選しました。選挙目前に浮上した「合併」論にノーを突き付けた山田氏は若い世代を中心に幅広い支持を集め、維新、自民、公明が推薦した元府生活文化部理事の田中哲哉氏(59)=同=、元町議の田中修氏(69)=同=に大差を付けて勝利。山田氏は「小さくても魅力ある島本へ町政運営を進めたい」と表明しました。

初当選を決め支持者の歓声に応えてガッツポーズする山田さん(中央)=16日、島本町内

初当選を決め支持者の歓声に応えてガッツポーズする山田さん(中央)=16日、島本町内

維自公推薦候補破る
町民の手で新しい島本町が

 午後10時半すぎ、「当選」の一報を受けた山田さんは、同町水無瀬の選挙事務所で支援者の拍手と歓声に包まれながらバンザイし、「力を合わせ、島本の未来を切り開いていきましょう」と、満面の笑みで感謝の気持ちを伝えました。

 「良かったね!」と涙を拭きながら手を握り合う人たち。「島本町を守ったぞ!」とガッツポーズを見せる若者の姿も。祝福に駆け付けた19歳の女性は、「島本町を守りたいとの一心で、山田さんを応援しました」と語り、56歳の女性は「若い人が動き始めて町の空気が変わった。町民の手でつくる新しい島本の始まりですね」と興奮ぎみに話していました。

維新政治の押し付けごめん

 維新、自民、公明が推薦した田中哲哉氏は、高槻市からの移住候補。出馬会見では日本維新の会の国会議員が同席し、「一期4年で合併の条件をつくる」と表明、合併問題はまちづくりなどと並ぶ一大争点に急浮上したのです。

 外から持ち込まれた格好の合併論に対し、「維新政治の押し付け許さない」と反対を掲げ、山田さんは出馬表明。本格的活動は告示10日前の4月1日でした。

若者を中心に支援が広がり

 「無名の新人ですが、生まれ育った島本を愛する熱意は誰にも負けない。それが最大の強みでした」と事務所責任者を務めた岡正樹さん。若者を中心とした住民有志と手作りの選挙活動を展開していきました。

 山田さんは選挙期間中、自転車で町内をくまなく回って、政策と人物像を住民に直接伝えました。共感した住民が「勝手連」を次々と立ち上げ、ビラ配布などを支え、支持を広げていきました。

 21歳の女性は「島本の魅力を熱く語り、『合併は必要ない』と断言する山田さんの政策に共感した」。

 19歳の女性も、「知らないところで『合併しかない』と決められるのは絶対に嫌でした。何かお手伝いしたいと思った」と、選挙活動に加わった理由を語ります。

立場を超えて支持が集まり

 山田さんは町の財政分析に基づく「合併ノー」の主張に加え、「地域経済や医療と福祉の向上につながる持続可能な地域社会実現を目指します」と、子育て支援や教育充実、豊かな自然を守り生かしたまちづくりを重要施策に掲げ、「町民参加の魅力ある島本に」と訴えました。

 合併問題の争点化を避けようとした維新陣営は、「広域連携を進める」との主張にとどめました。しかし選挙終盤には、保守層からも「維新政治持ち込み許すな」と批判の声が出て、立場を超えて山田氏に支持が集まる結果になりました。

 日本共産党島本町委員会は、河野恵子町議候補を先頭に、野党会派と連携して、「力を合わせて山田さんを町長に」と支援活動に全力を注ぎました。

 当日有権者数は2万4883人。投票率は61・51%で前回(58・97%)を2・55ポイント上回りました。

島本町長選開票結果

当 6,417 山田 紘平 32 無新
  4,651 田中 哲哉 59 無新
  3,706 田中 修  69 無新

 

(大阪民主新報、2017年4月23日付より)

 

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