百条委設置へ宣伝・署名を 森友疑惑
全容解明へ運動強化 明るい会が緊急集会
明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)が4月23日、大阪市中央区内で森友学園問題の全容解明を求める緊急集会を開き、約120人が参加しました。政府・与党などによる事件の幕引きを許さず、安倍政権と維新府政の責任を徹底追及しようと開かれたもので、府民向けの宣伝を強めるなど真相究明を求める世論と運動を広げることを確認しました。
府民に大きな関心と怒りが
主催者あいさつした明るい会の荒田功事務局長は、3月末に行った森友学園問題についてのインターネット1千人調査結果を紹介。安倍政権の説明に「納得できない」との声が過半数に達し、「政党支持なし」層では「納得できる」がわずか7・8%であり、松井知事の説明についても「納得できない」(34・1%)が「納得できる」(32・8%)を上回っていると述べました。
荒田氏は、「国交省による国有地の8億円もの値引き」など8項目のうち7項目で、「全く解明されていない」が過半数を占め、安倍内閣支持層や自民党支持層でも、「国有地問題が全く解明されていない」との声が6割を占めていると指摘。疑惑の全容解明に必要な国会の証人喚問に必要な人物では、安倍首相夫人の昭恵氏(52・4%)、松井知事(47・5%)などとなっていることを報告しました。
さらに府議会での「百条委員会設置」では、「必要ある」が59・2%を占め、維新支持層でも過半数が「必要ある」と回答していることを示し、「松井知事と府議会各会派はこのことを真摯(しんし)に受け止めるべき」と強調。「府民は森友学園疑惑に大きな関心と怒りを持ち、真相解明を求めている。国・府・政治家が結託した隠ぺいを許さず、府民とともに運動を広げよう」と呼び掛けました。
問題の背景に物言えぬ職場
3各団体の代表が発言しました。「森友問題と『共謀罪』反対のスポット宣伝を路地裏でも進め、女性・市民から野党共闘を進める世論づくりに頑張る」(新婦人府本部)、「府議会での百条委員会設置を求める署名に取り組み、安倍政権、維新府政を追い詰めるため、目に見える動きをつくろう」(森友疑惑の真相解明を求める大阪連絡会)、「『職員基本条例』で物言えぬ府職員をつくってきたことが問題の背景にある。憲法と地方自治を壊す松井府政を追及する」(府民要求連絡会)などの決意が出されました。
行動提起で荒田氏は、5月25日(木)の府議会開会日までを宣伝ゾーンとし、大型連休も活用して、森友問題を特集した明るい会機関紙の配布、宣伝カーやハンドマイクでの音の宣伝などに思い切って進めることを提起しました。
「戦争する国」狙う安倍政権が
「戦争に行く子ども」づくりを
辰巳孝太郎参院議員が国会報告
値引き根拠がデータで崩れ
国会報告した日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は、「森友問題」で問われているのは第1に、国有地を8億2千万円も値引きした売却と、政治家や大阪府の問題であり、第2に、学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園が教育勅語を園児に暗唱させるなど教育内容の問題だと述べました。
辰巳氏は「8億2千万円」は豊中市の小学校建設用地のごみの撤去費用で、深さ9・9㍍の所からごみが出てきたことが根拠だった指摘。独自に敷地のボーリング調査結果を入手し、国立の研究法人に分析を依頼したところ、9・9㍍の所からごみが出ることは「あり得ない」の回答を得たことから、「客観的なデータで値引きの根拠は崩れた。値引きをしたのはお金のない森友学園に土地を買ってもらうためだった」と語りました。
財務状況悪いのになぜ認可
さらに辰巳氏は、財務状況の悪い森友学園の小学校建設を「認可適当」とした府私学審議会や松井府政の問題に言及。松井知事が私学の小学校の認可基準を緩和し、「職員基本条例」の下で「公務員はできない理由を言うな」「スピード感をもってやれ」と号令をかけてきた責任は重大だと話しました。
辰巳氏は森友問題の資料が与党の許可がなければ提出されない異常な現状を紹介。教育勅語について「夫婦相和し」など「いいところもある」と主張する与党を批判しつつ、「森友問題を通じて、『戦争する国』を狙う安倍政権が『戦争に行く子ども』をつくろうしていたことがはっきりした。退陣に追い込むために引き続き皆さんと一緒に頑張る」と述べました。
(大阪民主新報、2017年4月30日・5月7日付より)