おおさかナウ

2017年08月27日

安倍政権の国政私物化許さない
市民と野党の共闘をさらに広げ

 国有地格安売却や大阪府の認可をめぐる森友学園疑惑を追及してきた、日本共産党の森友学園問題プロジェクト・チーム(PT)責任者で、参院議員の辰巳孝太郎さんに、疑惑をめぐる問題と野党共闘、総選挙勝利に向けて話を聞きました。

安倍政権の国政私物化許さない
市民と野党の共闘をさらに広げ

辰巳孝太郎日本共産党参院議員森友問題PT責任者に聞く

――森友学園疑惑、どんどん真相が明らかになってきました。

辰巳 籠池泰典前理事長逮捕は、法人運営の幼稚園で障害児のための補助金等をだまし取っていた容疑で、党府議団の追及が切り開いたものです。

 本丸は、今年4月に豊中市で開校予定だった小学校の8・2億円の土地代値引き疑惑です。

架空のごみに

 国は地下9・9㍍までのごみを根拠にしていますが、航空局の調査でも、私が国立の研究所に依頼した調査でも、3、4㍍より下は自然の堆積層でごみはないことが明らかになりました。私たちは架空のごみではと追及してきましたが、後に出てきた学園側と近畿財務局のやりとりのメールや録音テープでも証明されました。まさに背任です。

 2015年1月に大阪府私学審議会が条件付き認可。その5月国は学園と土地の貸付契約を交わしました。党府委員会PTが追及したように、見せ金寄付など学園の財務状況に問題があったのに小学校が認可されたのです。

発端は大阪府

辰巳孝太郎参院議員

辰巳孝太郎参院議員

 発端は府の私立小学校新設基準の緩和です。借入金のある法人は新設できなかったのに、松井府政が規制緩和。府私学審の審査が甘くなっているのと同時に、府職員も認可しないと自分の評価が落とされるとの意識があったのでしょう。松井知事は、民意で選ばれた政治家の方針が絶対、公務員は無理な理由を言うなと会見で述べています。維新府政が作った職員基本条例は「能力不足」の職員は首を切られるようになっている。「認可」への事実上の業務命令です。

 問題はなぜそこまでして学校をつくらせたかったのか。1つは、小学校の名誉校長に安倍昭恵氏が就任していたこと。もう1つは、教育勅語を暗唱させる小学校を安倍政権と大阪維新の会がつくらせたかった。改めて昭恵氏ら関係者の証人喚問、維新の会の責任追及が必要です。

――国会論戦では党議員が増えた意義を実感します。

辰巳 党国会議員団は府議団や豊中市議団とも連携してきましたが、議員増で質問回数や時間が増えたことは非常に大きな力になっています。

野党が連携し

 私が参院予算委の理事になっていることで、理事として証人喚問や学校視察を求めたり、関係資料提出を要求、誤魔化しの政府答弁があれば委員長席に駆け寄って審議を止めることもできます。野党が連携して政権を追い詰めてきたことを実感しています。

 森友・加計学園疑惑には安倍政権の問題が象徴的に表れています。

 1つは内閣人事局ができ省庁人事が官邸に握られたこと。もう1つは特区制度で一部の人の便宜を図るシステムができたこと。そしてメディア支配。特定秘密保護法、集団的自衛権、戦争法、共謀罪と戦争する国づくりの過程で問題が発覚してきました。

――安倍政権への国民の怒りも高まっています。

辰巳 消費税増税、保育園待機児、年金は下がり、社会保険料は上がるなど、国民には痛みを押し付け、首相の友達や妻が関わっている法人には便宜を図るのですから当然です。

私物化の暴走

 とりわけ問題なのは国政の私物化。歴代の閣議決定を180度くつがえし集団的自衛権を認めたことにも象徴されましたが、そんな人たちが権力の横暴を制限する憲法を変えようというのですから、私物化の暴走が進むのは明らかです。

 野党共闘で象徴的だったのは、安倍内閣の「働き方改革」をめぐる動きです。連合が容認したとの報道に連合傘下の組合員や民進党の国会議員から異論が噴出し、連合は撤回しました。背景には、野党4党が長時間労働を規制する労働基準法改正案を国会に共同提出するなど共闘を進めてきたことがあります。

共闘をさらに

 秘密保護法、集団的自衛権閣議決定、戦争法、共謀罪はいずれも国民の多くが反対あるいは議論が足りないと言っているもの。総選挙でわれわれが勝利し、安倍政権を倒すことができたら、これらをゼロにし立憲主義を取り戻せる。その上でどういう政権をつくるかを、すでに提出した共同法案と合わせてうんと展望を語り、市民と野党の共闘を発展させ、日本共産党の躍進につなげていきたいと思います。

 

(大阪民主新報、2017年8月27日付より)

 

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