世界の英知結集した核兵器禁止条約
野党と市民の共闘発展させ
改憲許さず批准する政府を
共産党学習会 笠井亮衆院議員政策委員長が講演
日本共産党大阪府委員会は、笠井亮・政策委員長・衆院議員を講師に招き、核兵器禁止条約国連会議と憲法9条改憲問題の学習会を8月18日、大阪市内で開催。160人が参加しました。
笠井氏は7月、志位和夫党委員長らと参加した核兵器禁止条約国連会議について報告しました。
声と運動を積み重ねて
笠井氏は、徹底して民主主義が貫かれた審議や、採択された瞬間の喜びの様子などをいきいきと紹介。被爆者はじめ日本国民の声と運動の積み重ねが国際社会を動かし、新しい到達を築いたとし、日本共産党も志位委員長が演説、国連や各国・機関に要請活動を行うなど、会議成功に積極的役割を果たしたと述べました。
また、世界の英知を結集して条約が作られたとし、「使用の威嚇」禁止も示した第1条はじめ主な条文を解説。禁止条約を作ることに反対してきた核保有国と同盟国が、国連加盟国として条約にどう対応するかが問われると語りました。
廃絶に背を向けた政府
会議を欠席した上、条約に署名しないと表明している日本政府は、「人類の悲願である核兵器廃絶に背を向けることを世界に宣言するもの」と指摘。8月17日、日米外務・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会で、核抑止力に固執し、「核の傘」維持を再確認したことに触れ、「核兵器禁止条約に真っ向から反するもの」と批判しました。
非核の政府へ共闘広げ
笠井氏は、その上で「ヒバクシャ国際署名」を広げ、政府に条約への署名・批准を求め、核兵器完全廃絶を目指す世論を多数にする取り組みを強めるとともに、「野党と市民の共闘の中に、条約に署名できる新しい政府の課題を入れ、一日も早く解散・総選挙に追い込み、安倍政権を倒して、非核の政府に道を開きたい」と述べました。
改憲への執念変わらぬ
改憲問題で笠井氏は、「安倍政権を解散・総選挙に追い込む条件と可能性が生まれている」と述べた上で、安倍政権の支持率が急落し、首相が描いた今秋、自民改憲案提出、来年発議という日程について「スケジュールありきでない」としているのは、「一歩後退しながらも執念は変わっていない」と指摘。日本会議メンバーや自民党執行部から出されている、第2項「戦力不保持」を残しながら、例外規定として自衛隊を明記する案について、「9条2項の空文化・死文化は、海外で武力行使を無制限に可能にする」と強調しました。
一致点での運動が大事
一方、各種世論調査で国民は9条改憲を望んでおらず、自民党内や保守層にも「異論」が出ているとし、「安倍政権の下での9条改憲反対の一致点での運動が大事になってくる」と指摘。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる危機打開の上でも、憲法9条を持つ国にふさわしい平和外交が求められるとし、「核兵器禁止条約でこそ強く迫れる」と述べました。
笠井氏は、安倍政権打倒の鍵は、野党と市民の共闘を発展させることだとし、たたかいと一体に党勢拡大に力尽くすことを呼び掛けました。
(大阪民主新報、2017年9月3日付より)